地域別だったのは戦略だったのかな

最近では三重テレビでも「番組」として放送されるようになり、隔世の感がある「日本文化センター」のテレビショッピングのお話。

この日本文化センターのテレビショッピングは、集音機や大正琴、浪曲全集など、紹介される商品が他の通販とは一線を画しているだけでなく、スーパーダイナミックキャンペーンだの、謝恩セールだの、何かと理由をつけて、「今ならもう一つ」と、商品を2つセットにすることでも、インパクトがありましたが、何より特筆すべき点は、

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他の通販業者が相次いでフリーダイヤルの電話番号を使う中、長い間普通の電話番号を使い続けていた点でしょうね。現在は全国統一でフリーダイヤル化されていますが、それは2005(H17)年になってからのことで、かなり出遅れていました。

そしてその、普通の電話番号というのが、地方によって違っていたのですよね。これについては、インターネット黎明期の90年代から、指摘するホームページが登場し、その違いを紹介していました。今では、集約した動画がアップされていたりします。

かつては、札幌・仙台・福島・東京・新潟・長野・静岡・金沢・名古屋・大阪・岡山・広島・福岡・熊本・那覇と、全国15ヶ所の電話番号を取得し、地方のテレビ局でのCMでは、それぞれの電話番号が紹介されていました。

これは当時、かなり顧客に配慮した制度だと思います。なぜなら、電話を受けた側が料金を支払うという、「フリーダイヤル」制度が設けられたのは1985(S60)年、それまで、テレビショッピングというのは、東京や大阪など、通販会社の本部コールセンターがある場所へと、電話を掛けるのが当たり前でした。

しかも当時、電話は電電公社の独占事業でしたから料金も高く、たとえば、九州でテレビを見ている人が、東京の通販会社に電話をするとなれば、それだけで結構な金額となったのです。

一方、日本文化センターは、15都市に電話をかけてもらうことで、顧客への電話料金負担を軽減させたというわけです。といっても、日本文化センターは15都市に拠点を設けていたわけではなく、15都市から、札幌・東京・名古屋・大阪・福岡のコールセンターに、電話を転送していたようです。

しかし、この顧客利便性を維持するために、各商品紹介のVTRを15バージョン制作し、さらに、地方のテレビ局にCMの差し替えを依頼していたわけですから、その費用負担は、相当なものになったことでしょう。

ところがそこに、フリーダイヤルというものが現れるわけです。同業他社は次々とフリーダイヤルを導入したのに、日本文化センターはその素振りをなかなか見せませんでした。きっと、それまで構築した「顧客優先システム」を、簡単に放棄することができなかったのでしょう。

とはいえ、時代の流れには逆らえなかったのか、一部の地域では90年代後半からフリーダイヤルとなり、2005(H17)年に全国統一となるのです。電話転送費用と、個別の電話番号VTR作成費用と、フリーダイヤル化した際の負担とを、計っていたのでしょうかね。

「生活ネットワーク・日本文化センター」というキャッチフレーズが示すように、「ネットワーク」というイメージを作り上げるための、各地方の電話番号というイメージ戦略だったのかな…という気もします。

それにしても、やっぱり自分は「な~ごや・ゼロッ・ゴ~・ニ~」を聞きなれているので、他の地方のには違和感を感じてしまいますね。でもそれは、どこの地方の人も感じる違和感のようで。そんな「文化」も、いまや消えてしまったことについて、少し寂しくも思います。

ちなみに。日本文化センターのテレビショッピングって、熊のアニメから始まることが多いですよね。そこに(C)プランネルと書いてあるのですが、プランネルが何の会社かと知ってちょっと驚きを隠せませんでした。

日本文化センターの個人情報保護方針には、プランネルとの個人情報共同利用が謳われています。なるほど、個人情報を共有して…か。そういえば、家族が日本文化センターで物を買ったら(←買ったんかい!)なんか後からプランネルのチラシが送られてきたんだよね。

「豊かな暮らしを応援します!」とか、書いてあって…むしろそっちが本業なんじゃないのか…おっと、誰か来たようだ。

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コメント

  1. AAA より:

    プランネルって…そういうことだったんですか。
    てっきりDisney(C)とかキャラクターの著作権だと思ってました。
    あの手この手で罠を仕掛けてくるというか、ほんとにマスコミは信用できんなぁ。老舗C○Cも怪しい水の会社に…

  2. tasuya より:

    うちの地域は「♪東京ゼロッサ~ン」の所ですのけど、うちでは偶然にも福島からの電波が入って来てる(と言っても、県境からは相当離た茨城県内での鮮明でない受信ですが…)ので福島版のCMも見ることができました。その時の自分は東京版しか知らなかったわけですが、違和感よりもそのCMの違いを楽しんだりしてました。でも、フリーダイヤルに変わってもCMが違ってるのはその名残ってことでしょうか?
    プランネル…読んでいるうちに何者かがわかりました。

  3. >AAAさま こんばんは
    私も、あの熊のアニメの著作権者で、
    デザイン集団か何かかと思っていました。
    いえいえ、罠だなんてとんでもない!あくまでも、
    日本文化センターのお客様にゆとりある暮らしを応援する
    実質年利27.5%の金融サービスを提供しているだけの会社ですよ。
    >tasuyaさま こんばんは
    情報ありがとうございます。
    今でも、商品の差し替えは行われているんですね。
    各地域の販売見込み数と、
    商品の在庫を照らし合わせているのでしょうかね。
    プランネルを利用するには、
    日本文化センターを利用して、さらに、優良顧客として
    認定される必要があるそうです。

  4. ロバうま より:

    私の祖母も定年退職してから自宅にいる時間が多くなり、みのもんたさんの司会のお昼の番組を見るようになってから、桐ダンスや折りたたみベットなど日本文化センターで結構買い物してました。名古屋地区だけかもしれませんが、名鉄運輸で品物が送られてきた時にはびっくりしました。

  5. >ロバうまさま こんばんは
    日本文化センターは長年、あの時間に通販流していますよね。
    我が家はどちらかというと、日本直販派だったので、
    実は、日本文化センターではあまり買ったことがありません。
    他にも多くの会社のテレビ通販を利用してきましたけど、
    後にも先にも、あんなDMが来たのは日本文化センターだけですね。

  6. あざとし より:

    いまさらのコメントすみません。
    むかし、「ノックは無用!」で、
    この地方でも日本文化センターの03から始まる番号が
    流れていました。
    おかげで、私と同年代(40台)でこの地方から出たことの
    ない人は、いまだにネタで
    「03-200-2222」といいます。
    フリーダイヤルになる前って
    03-3200-2222なんですけどねぇ。
    その後052-741-2222が出来たときは、
    おお、東海地方にも拠点が!と感動したものでした。

  7. >あざとしさま こんばんは
    この地方の番号が無い時代もあったのですね!
    その当時となると、結構な電話代がかかったでしょうね…。
    フリーダイヤル化によって、
    名古屋の拠点は再び無くなりましたね。
    時代は流れていきますね…。

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