三重テレビがマルチ編成スタート!

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写真:三重テレビ放送(三重・津市)

間もなく、被災地となっている地域を除いて、地デジへの完全移行となる日を迎えますが、このたび、あの、三重テレビ放送が、本格的なマルチ編成を行うこととなりました。マルチ編成とは、同時に2つ以上の番組を流す、地上デジタル放送ならではの編成のこと。

どの局も、その設備自体は整っているのですが、一部の局を除いて、民放はあまり本腰を入れていません。なぜ、三重テレビがやれたのか、なぜ、三重テレビはやるのか、

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考察してみます。ひとつの電波でひとつのチャンネルを放送するアナログテレビ放送とは違い、地上デジタル放送では、画質はハイビジョンではなくなるものの、ひとつのテレビ局が、ひとつの電波で、複数のチャンネルを同時に放送することができます。

「マルチチャンネル」「マルチ編成」などと呼ばれています。

我が国の民放で初めてマルチ編成を行ったのは、2003年12月の地上デジタル放送開始と同時にスタートした、テレビ愛知「ヨーロピアンジャーナル」と毎日放送「板東英二欲張りプラザ」でした。しかし現在は、両局ともレギュラー番組でのマルチ編成は行っていません。

ナイター中継延長時などに、片方のチャンネルでは引き続きナイターを、もうひとつのチャンネルでは通常番組を、という使われ方も期待されたのですが、結局のところ、複数のチャンネルを放送するということは、その分、コマーシャルを流す企業にとっては、視聴率に対して、広告効果が薄まってしまうことから、民放では一部の局を除いてほとんど実施されていません。

そんななかで、本格実施をしているのが、東京の独立U局「TOKYO MX」です。(ワンセグに限っては奈良テレビ放送も)そんなマルチ編成を、三重テレビがこの7月1日から開始するとのことで、アナウンサー6人が出演する告知CMが流されはじめました。

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6人「7月1日から『2チャンネル』の放送がスタート」

平田アナ「証券取引所からの生中継や」
山口アナ「全国のお天気」

(画面はTOKYOマーケットワイド)

一色アナ「海外の最新ニュースなど」
若林アナ「知りたい情報が盛りだくさん」

(画面はBBCワールドニュース※びわ湖放送ではありません)

中久木アナ「リモコンで『7』を押したあと」
坊農アナ「『うえ』を押してください」

6人「三重テレビで地デジをお楽しみください」

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TOKYOマーケットワイドは長時間番組ですので、TOKYO MXからのネット受けが多くなるわけで、先駆者であるMXを見習うという形になりますね。両社とも、中日新聞と関係の深いテレビ局ですから、パイプはありますものね。

独立U局のなかで、東名阪ネット6加盟局とTOKYO MXは総じて、相容れない関係にありますが、中日新聞繋がりがあるため、三重テレビだけは違うようです。しかし、なぜ三重テレビがマルチ編成を始めるのか。視聴者サービスの向上という側面はもちろんでしょうが、もうひとつの理由が頭をよぎります。

先日、このブログでこんな記事を書きました。
通販で三重テレビが2期ぶりに増収
このように、三重テレビの経営を支えているのは通販番組です。

平日を見ますと、三重テレビの通販番組は13時間を占めており、これは、総放送時間の約6割となっています。つまり、ゴールデン・プライムタイムに流す番組を買ったり制作したりするために、それ以外の時間は通販番組を流すという、割り切って夜だけ水商売で働く主婦のような、そんな編成になっているのです。

この、三重テレビビジネスモデルに、実は暗雲が立ち込めているのです。総務省が、BSデジタル参入事業者に対し、番組全体に占める広告放送の比率を3割以下に…という方針を盛り込んだのです。

今のところは、既存のテレビ局に対してのものではありませんが、将来的には、この「3割」がルールとして決まる可能性があります。そのルール下で、三重テレビが、今後も1日13時間の通販を流すにはどうしたらいいか…。

そうです。

13時間が「3割以下」になるように、1日を43時間以上にしてしまえばいいのです。そんなバカな!?いいえ、バカではありません。1日は24時間ですが、マルチ編成をして、チャンネルを倍にすれば、1日は48時間になります。

そう!となれば、メインチャンネルで通販を13時間流しても、セーフ!!!

深読みしすぎですか?いや、素直に期待していますよ、三重テレビのマルチ編成。

TOKYO MXのTOKYOマーケットワイドを放送するなら、MXと同じように、古いアニメなんかも、サブチャンネルでやってくれたら、狂喜乱舞します。ちなみに、かつて8年前、テレビ愛知がマルチ編成を行った、「ヨーロピアンジャーナル」の時間には、メインチャンネルでBBCワールドニュースが流されていたんですよね。

まさか、三重のサブチャンで戻ってくるとは。

編成の詳細についての続報はこちらで
→「三重テレビのサブチャンネルがすごい

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コメント

  1. 樋口正孝 より:

    本日つけの日経新聞紙上にて、大阪の毎日放送がマルチチャンネルでプロ野球中継を行うという記事が掲載されていまして、
    http://s.nikkei.com/pOvUR6
    その中で「専用のチューナーを購入することが必要になる」とありますが、地デジでテレビを購入してさらにまた何か買わなければいけないのでしょうか?
    よくわからないので教えていただけませんでしょうか?

  2. >樋口正孝さま こんにちは
    専用のチューナーが必要になると書かれているのは、
    「2種類の番組を1画面で見るには」ですね。
    Wチューナーでないと、両方の画面を一度に同じ画面には
    表示できないという主旨だと思いますが、
    わざわざそれを説明する意図はちょっとよくわかりません。
    切り替えて見る分には、普通の地デジテレビや
    レコーダー、チューナーで問題ないと思います。
    しかし…さすが、毎日放送ですね。思い切ったマルチ編成ですね。

  3. ロバうま より:

    トッピーさん、こんにちは。
    いや~三重テレビっぽい手法ですねwww
    でも通販と韓流ドラマは今やキー局を含めたテレビ局の重要なコンテンツになってますもんね。10月から始まる新しい編成にも期待ですね。
    ちなみにこの話題はフジテレビのローカル番組でも取り上げられていたみたいですね(http://blog.fujitv.co.jp/newhihyo/E20110716004.html)。この番組は伊勢のケーブルテレビ・ITVも東日本大震災・発生時の報道対応を取材されたことがあるみたいですよ(※この2つは「海上保安庁の投稿ビデオで有名になったあそこ」でも見れます)。

  4. >ロバうまさま こんばんは
    フジテレビの取り上げ方、面白かったです。
    TOKYO MXのマルチ編成をスルーしてるところが…。

  5. 樋口正孝 より:

    先日、毎日放送の件でお尋ねしたやつですが、当日放送を見てみましたら何のことはない、地デジ化によって各放送局が複数チャンネル持つようになりましたよね(中京圏放送も同じかと思いますが)。で、1チャンネルでニュースを流して違うチャンネルでナイター中継をしたというだけのことでした。
    結局、地デジ対応テレビもしくはチューナーがあればいいだけのことで、あの記事を書いた人の書き方がおかしかったわけですね。(記事が掲載された日はもうアナログ放送は終了していたのだから、原則皆が見られるはずなんですがね…)。

  6. >樋口正孝さま こんばんは
    やっぱり、そうですよね。
    なぜ、記事でわざわざ「同時で見るためには」という
    手段を記者が紹介したのかが、よくわかりませんね…。

  7. MXファン より:

    久々に見たらこのページ
    後半部分の文章が飛んでませんか?

    三重テレビのCM以降の記載がなくなっているんですが
    これはなにか理由があって削除したのでしょうか?

  8. トッピー@管理人 より:

    >MXファンさま コメントありがとうございます

    ご指摘ありがとうございます。
    システム移行時に不具合があった記事がいくつかありまして、
    見つけ次第修正しております。

    おかげで修復できました。ありがとうございます。

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