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テレビ東京記者の中国取材裏話本・第2弾読みました

      2016/12/08   6

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騒乱、混乱、波乱!ありえない中国(集英社新書)

小林史憲記者の中国取材裏話本・第2弾

 少し前に読んだ本なのですが、ブログに書いていなかったので改めて。

 今回読んだ「騒乱、混乱、波乱!ありえない中国」は、中国で4年半に渡って特派員として取材活動を続けた小林記者の、画面では伝わってこない裏話が書かれたもので、以前発刊された「テレビに映る中国の97%は嘘である」の続編とも言える本です。

テレビに映る中国の97%は嘘であるを読んだときの記事はコチラ
→「テレビ東京・中国取材裏話満載の一冊

 今回の本では、ウイグルでの取材中の拘束、ウイグルの開発と民族間の格差、四川大地震の被害の本当の理由、からっぽの高層マンション、中国初の民主選挙などといった取材の背景で何があったか、が事細かに書かれています。

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拘束21回

 前回の本と共通しているところは、中国ではマトモに取材活動ができないということ。何だかんだ理由をつけて「拘束」されるものの、それはあくまでも「記者を守るため」という建前で、カップラーメンまで出される…。

 時には、取材対象が突如として取材に応じてくれなくなる。中国では、相手が取材を拒否した場合には、取材を続けることができない。この前までにこやかに応じてくれていたのに、この前まで言いたいことがあって仕方が無い様子だったのに…。

 後半には、都市戸籍と農村戸籍の違いによる格差の取材の際に、WBS(ワールドビジネスサテライト)の大江キャスターとともに拘束されてしまうエピソードもあります。

 読み始めは、前回の本と同じ印象を持っていたのですが、読み進めていくうちに、前回の本とは違う印象を受けるようになります。

価値観が崩れていくような感覚

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 前回の本「テレビに映る中国の97%は嘘である」を読んだ際の感想は、そうか、中国というのは、自由に取材ができるわけでもなければ、市民が自由に発言できるわけでもない、日本に届くテレビの取材映像は真実ではなく、嘘ばかりなんだ。これはいけない、そういう目で見なければ!というものだったのですが、今回の本の印象は違うのです。

 洗脳というわけでもないのですが、中国というのは、民主的な「選挙」というものが行われていない国であり、村長を選ぶ民主選挙が実施されたと言ったところで、村のトップではなく、村の中国共産党委員会書記の下という位置の人を選べただけ。あ、そうか、と。

 価値観といいますか、そもそも、中国は、日本人の理解できる範囲を超えている、独裁制度の国なんですよね。本の中頃に差し掛かると、ちょっと自分でもおかしな感覚になるのです。

 世界の経済大国2位となった国が、こういう体制ってことは、いや、ちょっと待てと。日本は民主選挙が行われ、自由に取材ができる(とされている)国だけど、それというのは、アメリカの影響によってそうなっただけで、それが「正しい」という根拠はどこにあるのだろう。

 中国が覇権を握れば握るほど、中国が「正しい」ということになりやしないかと。だって、それが中国にとっては「正しい」わけです。そのやり方で、世界第2位まで上り詰めているわけですからね。

自分たちの感覚で見てはいけない

 中国のニュースに触れる際には、常にそのことを頭に入れていないといけないということがよくわかりました。日本人の持っている物差しで計ろうとすること自体が、意味のないことなんですね。

 格差、人権、自由、発展、覇権。

 中国の問題を考える際に、私はこれまで、やはり日本人ですから、日本人の感覚でしか、その問題を自分のなかに落とし込むことができていませんでした。しかしこれら2冊の本を読んで、中国というのは、極端な話、別の惑星くらいの感覚をもってもいい、価値観の通じない宇宙人のことを考えるくらいで、ちょうどいいのではないかと。

 それはけっして、中国人を人間として見なくて良いという意味ではありません。それくらいに、日本人と中国人の感覚というのは、きっとかけ離れているのだろう、理屈は通じないだろう、言葉の意味は全然違うのだろうという前提で、ニュースに触れないといけないな、と。そんなことを思わせてくれました。

 テレビ東京のニュースを普段から見てる方にとっては、私もそうですが、ああ、あのニュースの時、取材背景にはそういうことがあったのか!という見方ができる一冊でもあります。

騒乱、混乱、波乱! ありえない中国 (集英社新書)

テレビに映る中国の97%は嘘である (講談社+α新書)

 - 深層テレ東伝説

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