台湾で同人から始まったネコのキャラDNAXCAT(九藏喵窩)とうとう台湾でテレビアニメ放送に漕ぎ着ける・日本上陸も近い?

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台北地下街(台北・中正区)

台湾は日本以上のキャラクター天国

 台湾には、日本のアニメ文化が入り込んでいます。ポイントは「日本のアニメが」ではなく「日本のアニメ文化が」です。ただ、日本のアニメが輸入されているだけではなく、それを文化として取り込み、台湾オリジナルのマンガやキャラクターが展開されています。しかも、日本よりも一般化されていて、企業のイメージキャラクターやラッピング車両、商店街にまで萌えからゆるからカワイイまで、様々なキャラクターが溢れています。

 そんななか、もともとは台湾で同人活動でスタートしたキャラクターが、アニメの自主制作を経て、とうとう、台湾でのテレビアニメ放映に今日、漕ぎ着けました。

 キャラクターは溢れているものの、アニメ制作のハードルはさすがに高く、アニメは日本のものしかテレビでは流れていなかった台湾。台湾で純台湾産のアニメがテレビ放送されるのは珍しいケースです。

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思わず目にとまるかわいいネコのキャラクター

 台北駅のすぐ近く、地下に広がる台北地下街には、かわいらしいネコのキャラクターがいます。DNAXCAT(九藏喵窩)です。以前、台北を訪れた際に一目惚れしレポートしていまして、この記事は、DNAXCAT(九藏喵窩)の公式サイトでも取り上げられました。

⇒「台北地下街で発見!激カワネコキャラDNAXCAT(九藏喵窩)

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 まさに「カワイイ」を具現化したともいえるデザインで、かつて10年前ほどに日本であったflash動画ブームを思い起こさせるようです。商店街には様々なイラストが展示されており、ひらがなも見受けられます。実際にはいろいろありますが、こういった形で台湾と日本が結ばれるのは、隣国としての関係としての理想型のようにも見えます。

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 しかもこのDNAXCAT(九藏喵窩)は、もともと同人活動としてスタートしているというのですから驚きです。

同人…本当にゼロからのスタート

 同人活動とは、企業主導ではなく、本当に個人の「好き」な人が集まって始めているもの。つまり、ゼロからのスタートです。「九藏喵窩(じょうざんみゃおうお)」は同人サークルの名前でもあり、活動を始めたのは1998(H10)年から。地道に地道に活動を続け、台湾のコミケにあたる「漫画博覧会」に出展を重ね、ひとつひとつ階段を上っていったのです。

 台北地下街のキャラクターに採用されたのが、2012(H24)年のこと。台北地下街には、その名も「Oh!taku」という日本のマンガ専門店や、メイド喫茶、執事カフェまでもがあり、日本人も訪れることからこのDNAXCAT(九藏喵窩)は目にとまるようになり、「あのネコのキャラクターは何?」という声が上がるようになりました。

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 2013(H25)年の夏にはアニメ化!…といっても、台湾にはアニメを制作するというビジネスモデルが存在しませんから、なんと自主制作。アニメを自分たちで制作し、youtubeにアップし、DVDを販売しました。とはいえ自主制作ですから、一気に何話も作れるわけも無く、数年をかけて作り上げていきました。

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DNAXCAT KINGDOM DVDと設定資料集

 それがいよいよ、今日から台湾全土のテレビで放送されるのです。

テレビアニメの放送に漕ぎ着けた

 アニメは台視綜合台(TTV)というテレビ局で、「九藏喵王國」というタイトルにて放送されます。放送は8月1日(土)から、毎週土曜・日曜の午後5時30分(台湾時間)からです。

九藏喵王國(台視綜合台全球首播)
8月1日起毎週六・日下午5:30

 テレビ放送の開始に合わせて、残念ながらyoutubeではアニメが見られなくなってしまいましたが、それはビジネスとしての土台に乗っかった証ともいえます。

 17年前の同人活動を原点とするキャラクターが、事実上の首都の地下街のキャラクターに採用され、政府機関のPRにも登場し、自主制作したアニメがテレビアニメとして放送される…。キャラクターそのものも魅力的ですが、「好き」の力で自分たちで道を切り開き続けるという、その活動も魅力的です。

 DNAXCAT(九藏喵窩)は、先月東京で開催された「キャラクター&ブランドライセンス展」に出展しており、また、その際にバンダイに訪れたというレポートもありましたので、ひょっとすると、日本への上陸も近いかもしれませんね。注目です。

 

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