来年の世界遺産登録を目指す「長崎教会群」世界で唯一の歴史・真実とは…気になる

151220b

高鉾島(長崎市)

長崎で気になる「教会群」とその背景

 かつて一度だけ長崎市に訪れたことがありまして、その時は、「明治日本の産業革命遺産」として現在は世界遺産に登録されている軍艦島(端島)に訪れるのが目的でした。その軍艦島へと向かう船のなかで聞いた話がとても印象に残っていまして、再訪したいとずっと思っているのですが、なかなか実現できずにいます。

 印象に残った話とは殉教の島・高鉾島と、現在は陸続きとなっている神の島です。

[広告]

隠れキリシタンの島と神の島

 高鉾島がなぜ「殉教の島」と呼ばれているのかと言うと、もうひとつの呼び名は「隠れキリシタンの島」。宣教師をかくまった罪で2人が処刑されています。

 その先にある「神の島」は、弾圧が少なかったことから隠れキリシタンが多く住んでいたといわれています。

151220a

 長崎には現在も「長崎教会群」と呼ばれるほどに教会がたくさんある一方で、かつての弾圧を物語る話が今でも聞かれます。

151220

神の島(長崎市)

信長と秀吉とクリスチャン

 名古屋でも当時を物語る場所は今も残されており、中区にある栄国寺は、処刑された207人のクリスチャンを弔うため、1665(寛永5)年に建てられたものです。

151220c

栄国寺(名古屋・中区)

 日本にキリスト教が伝えられたのは、1549(天文18)年のこと。あの、フランシスコザビエルが来日したことによります。その後、名古屋では織田信長がキリスト教に寛容な政策をとっていたために、200人ほどのクリスチャンがいたとされているのですが、全員が処刑されたのが1664(寛永4)年、その翌年に栄国寺が創建されています。

151220d

栄国寺の切支丹灯篭

 名古屋が寛容だった一方で、長崎ではもっと早い時期から、キリスト教信者の弾圧・処刑が行われたといいます。なぜ、海外との貿易の地であった長崎で、そのようなことになってしまったのでしょうか。そこには豊臣秀吉との関係が。

来年の世界文化遺産登録を目指して

 地元では、現在も残る「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」について、来年の世界文化遺産登録を目指していて、ちょうど先日、佐世保市の菓子メーカー「九十九島グループ」が「長崎レンガ教会HISTORY」というお菓子の販売を始めるなど、世界遺産登録に向けて機運が高まっています。

 建物としてだけの教会を見ると、規模も歴史も装飾もヨーロッパに比べたらそこまででもない長崎の教会群。そこに注目があつまっているのは、背景にある歴史です。

 かつての弾圧から、今日に至るまで、長崎で何があったのか。

秘められた歴史の真実に迫る特別番組

 世界遺産登録になる前に、もう一度、長崎市に訪れてそういった場所を巡ってみたいなあ…と、思いを馳せていたところ、その歴史に迫った特別番組が、クリスマス直前に放送されると知り、今からとても楽しみにしています。

 放送は、23日(水・祝)の午前10時5分からテレビ東京系列(テレビ愛知)で。

 「世界遺産スペシャル 滝川クリステルがせまる 長崎教会群 秘められた真実…」

 制作はTVQ九州放送、開局25周年特別番組となっています。TVQは、今年の6月に放送された「明治日本の産業革命 世界遺産へ ~奇跡の近代化 受け継がれる志~」も、丁寧に取材されていて、ぐっとくるものがありましたので、今回も、見ごたえのあるドキュメンタリー番組になっているでしょう。期待できます。

コメントはこちらから

Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました