新年度名古屋の2つのテレビ局のイメージ戦略・ライバルだけど調整してるっぽいんだよね

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3月31日付中日新聞

CBCテレビは開局60周年

 3月31日の中日新聞朝刊は、ちょっと変わっていました。新聞の表面が一面青く、白文字でメッセージが書かれているのです。

「わたしたちの歩みは地域の皆さまと。これまでも、明日からも。60年の感謝の気持ちを込めて。CBCテレビ」

 CBCテレビの開局60周年を記念しての4面の特別紙面で、朝刊を包んでいる格好になっていたのです。これには大きなインパクトがありました。別刷りで特集紙面を組むのではなく、朝刊全体を包む。

 CBCがテレビの放送を開始したのは、1956(S31)年12月1日。60周年は12月ということになるのですが、新年度を「60周年イヤー」としての位置づけにするとのこと。

 あれ?だったら、4月1日に「今日から」にした方がよくない?とこのときは思ったのです。

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CBCテレビのラッピング紙面は有松絞り

 この、3月31日の朝刊を包んだCBCテレビの特別紙面は、「感謝を込めてラッピング紙面でお届けします」とあり、青い図柄は有松絞りの風呂敷。

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 そう、名古屋の伝統工芸である有松絞りの風呂敷で、中日新聞の朝刊を包んでお届けしたということなんですね。

 内面には、「CBCテレビは開局60周年。明日4月1日から、CBCテレビ開局60周年プロジェクトがスタートします!」とあります。

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 ここでも「明日」から。なぜ、4月1日に「今日から」として入れなかったんだろう…と思ったら。

4月1日には中京テレビが大々的に!

 翌日。4月1日の中日新聞朝刊は、特に何かに包まれるわけでもなくいつもどおり届いたのですが…。

 28面に中京テレビの全面広告が!

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 「この4月、中京テレビは新しいブランドステートメントとともに生まれ変わります。」

 中京テレビは、今年の秋に本社を名古屋駅近くの笹島に移転することになっていて、この4月1日をもって、長年使用してきた「U 中京テレビ」というロゴを変更するという大胆なイメージチェンジを図ることになったのです。「C CHUKYO TV」へ。

 中京テレビはかつて、「専用UHFアンテナとコンバーターを買わないと見られないテレビ局」として開局し、キー局からもスポンサーからも敬遠され、名古屋テレビ塔が満員だったために、独自のタワーを建設しなければならず、それを本社と同居させることになり、他のテレビ局が都心にあるなかで「郊外の丘の上」からの放送を余儀なくされました。

・UHFが一般化したことで普通のテレビで見られるようになり
・日本テレビが受け入れてくれたことでキー局にもスポンサーにも恵まれるようになり
・地デジになって先発VHF3局(CBC・東海・メ~テレ)と同じ立ち位置になり
・視聴率で三冠王を獲れるようになり
・売上も在名テレビ局のトップになり…

 このように、苦節47年。ひとつひとつハンデを克服し、ネックを乗り越えてきたのです。

 そして今年、いよいよ最後のウィークポイント「郊外の丘の上にあるテレビ局」から脱するのです。開局以来引きずってきたいくつもの足枷が、ようやく全て取り払われるのです。

 まさに、中京テレビにとって「第2の開局」。よく言われる軽々しい第2の開局ではありません。本当に本当に第2の開局となるのです。

2つのテレビ局の新年度

 八事から名駅へ。かつて名古屋テレビ(メ~テレ)が、栄の仮本社から現本社に移転したことはありましたけれども、それを除くと、実は名古屋のテレビ局というのは、NHKも含めて、社屋移転は隣接地という前例しかないのですよね。

 NHKと東海は東桜、CBCは新栄、メ~テレは東別院、テレビ愛知は大須。

 そして中京は八事…から名駅。民放ラジオ局も含めて、名古屋の放送業界にとって前例の無い、大々的な社屋移転。新年度の中京テレビのアピールがどのように行われるのか、楽しみです。

 CBCテレビにとっては「開局60周年イヤー」、中京テレビにとっては「第2の開局イヤー」。

 その新聞広告が同じ日に重なってしまったら、どちらもインパクトが薄くなってしまいますよね。

 3月31日がCBCテレビで、4月1日が中京テレビ。きっとこれは、話し合ってCBCテレビが一歩引いたんじゃないかなあなんて、思ったりするわけです。

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