伊勢志摩サミットで三重県唯一のテレビ局・三重テレビがニュースを英語で全世界配信&なんとお昼のニュースを放送!

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三重テレビ放送(三重・津市)

三重県唯一の地上波テレビ局

 いよいよ5月26日、27日に開幕が迫った「伊勢志摩サミット」。会場である三重県の伊勢志摩地域をはじめ、各国首脳が降り立つ中部国際空港(セントレア)がある愛知県も合わせて、歓迎体制およびテロを警戒した規制が行われています。

 サミットには各国首脳だけでなく、世界中からのメディアが集結し、サミットのもようだけでなく、サミットがどういう場所で開かれるのかという情報発信も行われます。

 わが国では、東京(1979、1986、1993年)を除いては、沖縄(2000年)、北海道(2008年)でサミットが開催され、それに続いての三重(2016年)ということになりますが、これまでの沖縄・北海道と、三重には大きな違いがあります。

 それは、三重県には地元メディア・地上波テレビ局が1つしか存在しないということです。

 三重をカバーしている名古屋のメディアはいくつもありますが、三重発のメディアは三重テレビ放送のみ。しかも、三重テレビは東京キー局の傘下になっていない独立テレビ局です。

 そのため、この伊勢志摩サミットへの対応はまさに孤軍奮闘。地元の県民に向けて、そして三重にやってくる外国メディアに向けて、前代未聞の取り組みを行っています。

 外国メディアに向けてローカルニュースを英語で全世界同時配信、さらには、なんと「お昼のニュース」を放送しているのです!ん?

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前代未聞の「お昼のニュース」

 三重テレビは1969(S44)年12月1日、三重県で最初で最後、唯一の地上波テレビ放送局として開局しています。一貫して東京のキー局の系列には入れてもらえ…じゃなくて、入らず、地元の情報を発信することに特化しています。

 開局直前の11月17日から夕方に「三重テレビニュース」の放送を開始。当初は5分番組でしたが、1970(S45)年1月からは10分番組に拡大。1991(H3)年4月からは夕方6時と深夜11時の1日2回の放送となり、1992(H4)年4月からは「三重テレビワイドニュース」として夕方を25分番組に拡大。そして2015(H27)年4月からタイトルを「三重テレビニュースウィズ」として放送しています。

 開局から47年間。三重テレビは夕方以降にしかニュースを放送しないテレビ局だったのですが。

 なんと、この伊勢志摩サミットの今週、23日(月)から27日(金)は、「三重テレビ伊勢志摩サミットニュース」と題して、午前11時45分から10分間のお昼のニュースを放送。55分の「岡三ウェザーニュース」と合わせて、15分枠のニュース&情報ゾーンが誕生したのです。

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 お昼のニュースなんて、どこもやっているのでは?と思われるかもしれませんが、少数精鋭でアナウンサーがカメラも担ぎ、原稿も書き、編集もしてテロップも入れるようなワンオペステーションの三重テレビが、お昼のニュースをやるというのは相当のことです。

 ニュースではありませんが、かつて「today三重」という30分の生情報番組を、1985(S60)年3月から昼12時30分に放送していたことはありましたけれども、無理が祟ったのか番組を夕方に移して、2年間で終了しています。

サミットニュースって何をやるの?

 とにかく、三重テレビが、開局から47年間やったことのない「お昼のニュース」を、たった1週間とはいえ、このサミットの大変な時期にやっているのは、特筆に値しますし、そこに「AGF」が1社提供でついていて、営業的にもちゃんと収益になっているわけですね。

 しかも、サミットに浮かれた内容ではなくて、サミットで影響を受ける県民の生活に重点を置き、どういった不便なことが生じるのか、通勤や通学で何に気をつけたらいいのかといった、県民に向けた細かな生活情報をまとめて伝えているのがさすが三重テレビです。

 三重県警の職員全体の半数がサミットに駆り出されてしまったため、交番や駐在所は警察官不在となり、警察OBがボランティアで着任。「約10年前に引退した警察官が、初任地交番で50年ぶりの勤務」といったレポートは、地元ならでは、三重テレビならではの着眼点です。

 逆にこの1週間、夕方の津放送局からの県域ローカルニュースを中止して、全面名古屋からの放送に切り替えているNHKとは対照的です。

普段から全国を意識した地元こだわり番組を制作をしている

 三重テレビは普段から、県民に向けた情報発信だけではなく、県外に三重県の魅力を伝える大きな役割を果たしています。

 地元向けには、毎日夕方に1時間20分にわたる地元ニュース&情報ゾーンを設け、純粋な地元情報をこれでもかと伝えています。特に報道面でも、番組として数々の賞を受賞しているほか、報道活動自体でギャラクシー賞を受賞している程です。

 一方で県外向けには、1年間を通したシリーズで毎年、10本の地元歴史ドキュメンタリーを制作し全国のテレビ局で放送したり、毎週三重県の観光情報を中心とした番組を制作し、こちらも全国各地でレギュラー放送されているなど、三重の歴史・文化・観光を全国に常に発信し続けています。

 キー局の系列に属さない独立局だからこその自由な発想で、県・地域の魅力を継続的に全国に発信し続ける。ここまでやっている県域テレビ局は全国に数えるほどしかないでしょう。

 そんな三重テレビですから、外国メディアがわんさかとやってくる伊勢志摩サミットでは、三重の魅力を全世界に発信するという、身の丈に合わなさそうなこともやってしまうのです。

外国メディアに向けた番組配信

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 25日の中日新聞には、いかにも三重テレビらしいフォント、デザイン、レイアウトの新聞広告も出ていますが、三重テレビはこの伊勢志摩サミットで様々な角度で情報を発信。

 スマートフォンで三重テレビの放送の一部を同時配信することで、外国メディアの人々にも見てもらおうと、こんなことをやっています。

BBCワールドニュースを特別に放送

 25日(水)から27日(金)は、午前7時と午前11時からそれぞれ30分間、「BBCワールドニュース」を放送。BBCといってもびわ湖放送ではありません。イギリスのです。

三重テレビニュースウィズを英語で全世界配信

 同じくその3日間は、夕方5時40分から放送される「三重テレビニュースウィズ」を、なんと英語にて全世界にライブ配信するというのです。わずか3日間とはいえ、三重テレビのニュースが2ヶ国語になって、さらにインターネットで世界で見られるのです。

過去のサミット関連のニュースや名所の紹介も全世界配信

 さらに、海外メディア向けスマートフォンサイトでは、過去のサミット関連のニュースや、三重県の魅力あふれる映像を英語で配信。

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 「MTV NEWS」というかっこいいオープニング映像も。いやこれが本当にかっこよくて、やればできるんですね。ということは、普段のいろいろなセンスは、三重県民のセンスにわざと迎合して、先の中日新聞の広告もそうですが、三重テレビ「らしさ」を意図的にかもし出しているわけなんですね。

 ちなみに、「MTV」という略称は、外国のあちらよりも先に、三重テレビが使用しています。

県民向けの特別番組も豊富に

 三重県民向けの特別編成ももちろん充実。サミットが開催される2日間は夕方ワイド「とってもワクドキ!」を志摩市サテライトスタジオから伊勢志摩サミットスペシャルとして放送。

 26日(木)は85分枠に拡大、27日(金)は75分枠で。

 そしてサミット開催地の、地域の人々の舞台裏を追った特別番組も31日(火)に放送。

 「輝きの先に~伊勢志摩サミットふるさとの海に生きる~」
 5月31日(火)20:00~20:55

 他のテレビ局に比べて、規模も小さく人員も少ない三重テレビ。サミットが終わった後はしばらく局自体が燃え尽き症候群になってしまうのではないかと思えるほどの気合の入りようを、この伊勢志摩サミットでは楽しみたいですね。

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 しかし、先述のとおり、23日(月)から1週間、サミットで大変だからか理由はわかりませんが、NHKが夕方の三重県域ニュース「ほっとイブニングみえ」を丸一週間休んで、名古屋に丸投げというのはいただけないですね。まさに、サミット期間中の三重県民の生活への影響を知る頼みの綱は三重テレビだけですね。データ放送でも生活情報を配信しています。

 やればできる三重テレビの、できる部分だけが表に出続ける伊勢志摩サミット。サミット期間中は、「できる三重テレビ体感ウィーク」です。

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