愛知に続き岐阜の地域FMコミュニティラジオも…すべてネットでどこでも聴けるように

全世界に配信するローカルラジオ

　日本のラジオ局がインターネットで聞ける…それもすっかり、当たり前になった感がありますが、まだまだ全ての局がというわけではありません。一昨年の愛知県に続いて、今月、岐阜県内にあるローカルラジオ局が全局聞けるようになりました。

　都道府県単位で広いエリアをカバーする民放ラジオ局やNHKのインターネット配信は、エリア限定だったり国内限定だったりするのですが、一方で、市町村単位の狭いエリアをカバーする地域ラジオ局は、インターネット配信ではエリア無制限・全世界に配信されており、逆転現象を起こしています。

　そんななか、東海3県のうち愛知と岐阜の地域ラジオが全局、全世界で聞けるようになりました。

　コミュニティFMという地域ラジオは現在、愛知10局、三重4局、岐阜4局と、東海3県には合計18局あります。

　愛知県内の10局は、一昨年の2014(H26)年6月23日、すべての局が出揃い配信されています。

　一方の岐阜県はこの8月1日、高山市のHits FMが開始したことで、全局出揃いました。

・FMわっち（岐阜市 78.5MHz）
・FM PiPi（多治見市 76.3MHz）
・Hits FM（高山市 76.5MHz）

　これら3局は、JCBAインターネットサイマルラジオにて配信。

・FMらら（可児市・美濃加茂市・御嵩町 76.8MHz）

　FMららは独自アプリおよびFM++によって配信となります。

　今回、8月1日より正式に配信開始となったHits FM（飛騨高山テレ・エフエム）は、開局が1997(H9)年7月19日と、開局19年を迎えた老舗地域ラジオ局。岐阜県では初めての民間FMラジオ局で、県域のFM GIFUよりも早く、高山市では圧倒的な浸透度を誇っています。

　また、高山市は合併によって広大な面積となっており、その広さは香川県や大阪府よりも広く、東京都にも匹敵する大きさです。それをカバーしなければならないため、本局のほかに中継局を6局も設置。それでも、電波の出力に制限のある地域ラジオ局は、全域をカバーすることができませんでした。

　しかし、ネット配信が始まったことで、高山市内はもちろん、全世界のパソコン・スマートフォン、タブレットで聞けるようになったというわけです。

　19年にわたって、地域に支え続けられている地域ラジオ局。その内容も然ることながら、NHK高山の2階にあるという立地も興味深いです。

　東海3県には、18の地域ラジオ局がありますが、これで愛知と岐阜は全局、三重は4局中3局がネット配信を行なっていることになり、残るは…。

　三重県名張市の「なばステ」のみとなりました。なばステは、自社制作番組のおしゃべりだけの配信は行なっているものの、放送自体の配信は行なっていません。

　東海3県、18局中17局が全世界で聞けるようになりました。それぞれに地域のカラーも違いますが、放送局自体のカラーも全然違うので、ある種、民放よりも局によるカラーの違いはすごいかもしれません。

　そしてこの、18局という局数も、今後増えるのか、減るのか…。