栃木と茨城…メディアの充実度の違いは何?

写真

[広告]


前回の日記で、Suicaエリアに行ってきたというお話をしましたが、実は栃木県に行っていたのです。そんな栃木でチラっと見かけて、思わず手にとったのが、「栃木放送」と「とちぎテレビ」が発行しているフリーペーパーです。

とちぎテレビの「とちテレマガジン」には、とちぎテレビとレディオベリー(FM栃木)初の同時生放送なんて記事があって、なかなか面白いことをやっているなぁと感じたのですが、この栃木で一番スゴイと思うことは、とちぎテレビは、日本で一番新しいテレビ局であるということです。

我が国のテレビ局は、基本的に1つの県をカバーするだけ、というのが原則なのですが、日本三大都市圏である、東京・大阪・名古屋にあるテレビ局は、周辺の府県もカバーしており、大規模な広域局となっています。

しかし、周辺県もテレビ局が欲しい!という運動が起き、昭和40年代~50年代にかけて、各地で相次いでいわゆる、「独立U局」というテレビ局が生まれました。名古屋の周辺ですと、三重テレビとぎふチャンです。しかし、全ての府県にできたわけではなく、この栃木県と茨城県だけは、テレビ局が誕生しなかったのです。

そのため、栃木県と茨城県には、AMラジオ局しかないという状況が続きました。栃木県は「CRT栃木放送」、茨城県は「IBS茨城放送」です。この2つの県は、隣同士ずっと足並みがそろっていたのですが、栃木県は平成に入ると大きな動きを見せます。

まず、1994(H6)年にFM栃木(RADIO BERRY)が開局、そして1999(H11)年にとちぎテレビが開局するのです。一方の茨城県にはFM局もテレビ局もできることなく、今もAMラジオの茨城放送があるのみです。

しかも、とちぎテレビは新しいテレビ局でありながら、長年「地元のテレビ」を熱望していた県民の支持を受け、県内限定ですが、二桁の視聴率を記録することもあるそうです。

また、レディオベリーも開局時からセンスがよく、多くの人に受け入れられました。でも、栃木放送にとっては、「県内唯一の放送局」という看板を失うことになり、一時期は、放送設備の更新さえままならない時期もあったそうですが、今は県のバックアップにより何とかなっている…とはいえ、市場規模の大きなエリアのAM局でさえ、いい話は聞きませんから、状況は推して知るべしです。

ちなみに茨城県は、茨城放送がテレビ準備室を設けて、開局申請を行っていましたが、現在は取り下げています。人口200万人の栃木と、300万人の茨城。200万人で3つの放送局。300万人で1つの放送局。その違いは、栃木が茨城に比べて、県民意識が高く、県民が県民のための情報を求めているのかを現している、ということになるのではないでしょうか。

それを裏付けるのが、もうひとつのデータ。新聞のシェアです。茨城県では読売新聞がトップシェアで41.5%であるのに対し、茨城新聞のシェアは11.4%。一方の栃木県は地元の下野新聞がトップで44.2%です。(FACTA2007年7月号より)

似たような環境にある隣同士の県でも、全然違うのですね。栃木県民は栃木県民であることに誇りがあるのに対し、茨城県民は「俺たち首都圏の関東人」という感覚なのでしょうかね…。

コメントはこちらから

Loading Facebook Comments ...

コメント

  1. ロバうま より:

    とちぎテレビは、ともに栃木県出身のU字工事さんのネタで知りました。2008年頃にHPを見たんですが、当時JFL所属だった栃木SCの試合中継が多い事や、写真でも紹介されているとちテレマガジンを県内規模で無料配布していることに驚きました。
    茨城放送は一度だけ茨城に出かけた際、聴いたことがあります。ちょうど上恭ノ介さんがパーソナリティの番組を放送していました。
    FMとテレビの同時生放送といえば、前にFM三重とZTV(津などをエリアとするケーブルTV)も同時生放送をやってました。

  2. >ロバうまさま こんにちは
    私は昔、BCLなんて趣味をやっていた頃に、
    栃木放送と茨城放送のべリカードをもらった記憶があります。
    名古屋の我が家で受信できた時はうれしかったですね。
    5kwのマイナーな局なだけに…。
    FM三重とZTVの同時放送なんてあったんですね。
    かつて、FM三重とZIP-FMの同時放送という、
    よくわからない特番もありましたが…。

  3. tasuya より:

    こんばんわ。
    栃木にいってらしたのですか。さては日光に…?
    メディアに関しては「もうNHK水戸が県域あるし、このご時世だからもう期待するのはやめよ」と思っても、やっぱり関東の中では「置いてけぼり」にされた感がありますし、時にはもどかしく感じます。
    あと、新聞に関してもかつて図書館で読んだことのある下野新聞はページ数が茨城新聞よりも多いのですが、これはシェアに比例しているのですかね…。

  4. >tasuyaさま こんばんは
    今回栃木に訪れたのは、人に会うためでして、
    観光ではなかったのです。
    日光もまた行ってみたいんですけどね、
    以前訪れた際に、荒天で華厳の滝が見られず仕舞いだったので…。
    ですよね…。
    かつては茨城と栃木とワンセットだったのに、
    栃木は急激にメディア事情が変わりましたものね。
    県人意識の違いが大きいのでしょうね。

  5. 茨城には県域のテレビ局がありませんが、
    ケンミンの皆さんはそのことをどのように
    思っておられるのでしょうか・・・?
    ナイトスクープも絶対に茨城では見られませんからねぇ・・・。
    ポケモンが見られない兵庫県とは訳がちがいますから・・・。

  6. >とくながたかのりさま こんばんは
    元も子も無い言い方になってしまいますが、
    端的に言いますと、茨城県民が必要だと思わないから、
    いつまでたっても出来ないのでしょうね…。
    それだけ栃木は県民意識が高くて、
    茨城は低いということなのだと思います。

タイトルとURLをコピーしました