なぜトムとジェリーの声は違うのか?名古屋の再放送文化と日本語版の変遷

名古屋人なら語れる「トムとジェリー」

名古屋出身の同世代の人と、昔見たテレビの話で、たいてい話が合うのが、この「トムとジェリー」である。

名古屋では、70年代から90年にかけて、何度放送されたのか、わからないくらい再放送されていたので、たいていの人は見た記憶があるのである。

そこで、「懐かしい~」という話になるのだが、

トムとジェリーは、作られた年代によって、内容や絵柄が違うのである。

ここで、いろんな食い違いが出てくる。

食い違う記憶の数々

先日も、同じ名古屋在住の、同い年の友人と、「トムとジェリー」談義をしていたのだが、いろいろな意見が出てきた。

「トムとジェリーが仲良いヤツってあったよね。」
「何年か前、CBCテレビで午前中やってなかった?その仲良いヤツ」
「金曜だけ、新しい絵のヤツだったよね。」
「トムとジェリーって、名古屋テレビだったけ?中京テレビだったっけ?」
「今、東海テレビでやってるヤツって声違うよね。」
「真ん中の話って、一体なんだったの?」
「トムって『イャオ!』って叫んでたよね。」
「え?トムってサザエさんのカツオの声じゃなかった?」
「次回予告って『それでは時間までご覧いだきましょう』って次の回のヤツを半分くらい流してたよな。」

などなど…。

トムとジェリーのバージョン違い

そこで、これを機に、「トムとジェリー」について、いろいろと調べてみた。もちろん、出ているDVDも購入して、分析してみた。

トムとジェリーのいろいろなバージョン。

最古のトムとジェリー(黄金期)

トムとジェリーには、作られた時代によって、いくつかバージョンがあるようだ。

まず、一番私の記憶にある、ハチャメチャで面白い「トムとジェリー」は、1940~1958年に制作された、ウィリアム・ハナ氏、ジョセフ・バーベラ氏という、2人によって作られたものである。

この2人は、のちに独立し、「チキチキマシン猛レース」などを製作している。

日本での放送と過激な内容

日本では、TBS系列で1964(S39)年に放送されたのが最初である。

この頃のは過激で、

トムはジェリーにノコギリで切断されるわ、
トムはギロチンで首を切断されるわ、

といった調子に加え、お手伝いさんが黒人で、一時期イロイロと問題となったりしたが、現在ではそのままDVD化されている。

なぜ「声が違う」のか

ただ、日本語版の声が違うのだ。

当時のテレビ版キャスト

当時のテレビ放送のビデオを見ると…

  • トム:八代駿さん
  • ジェリー:藤田淑子さん
  • ナレーター:谷幹一さん

現在のDVD版キャスト

現在DVDで発売されているものは、

  • トム:肝付兼太さん、ダン小路さん
  • ジェリー:堀絢子さん、チマさん

となっています。

決してそれが悪いと言っているわけじゃないんです。

小さな頃よく見た「トムとジェリー」をもう一度見たい。そこなんです。

声が変わった理由を考察

では、なぜ声が変わってしまったのか?

当時、「トムとジェリー」はアメリカ・MGMが制作し、日本での版権は「トランスグローバル」という会社が持っていました。

昔の日本語版はこの会社が制作したもの。

その後、アメリカで権利がワーナーに移り、日本での権利も移行。

これは推測ですが、

・権利ごと買うより作り直した方が安い
・旧日本語版に問題があった

といった理由で、新しいキャストで日本語版を制作し直したと思われます。

放送できない表現の問題

昔のテレビ放送版を見ると、

現在では放送禁止・自粛対象となる言葉が含まれている。

そのために作り直された可能性が高いが、

なぜキャストまで変えたのかは不明。

主題歌の記憶と違和感

この「トムとジェリー」がTBSで放送された当時、日本語で作られた歌があの歌です。

その後の放送やDVDにも歌は入っているのですが、映像が違っています。

「♪トムとジェリ~、仲良くケンカしな。」

DVDに収録されてないということは、この映像もトランスグローバル社制作と思われます。

歌詞を改めて考えると…

しかし、今、聞きなおすと、すごい歌ですね。

「仲良くケンカしな」と言っておきながら、

「ネズミだって生き物さ。」
「ネコだって生き物さ。」

生き物ということを頭に置いてケンカしろってこと?

逆に言えば、死なない程度に、でも過激にやれということか?

確かに最後の絵、2人とも包帯巻いてるなぁ。

まとめ:記憶の中のトムとジェリー

やはり「トムとジェリー」は、

放送時期・バージョン・声優によって、まったく違う作品のように感じられる。

だからこそ、会話が食い違い、逆に盛り上がるのかもしれません。

「トムとジェリー」の話はもうちょっと続きます

この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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