行政に直談判するテレビ「ジカダンパン」と過去の告発番組を比較する

月曜夜9時、テレビ東京この秋の新番組です。なぜか番組宣伝をあまりしないテレビ東京の新番組、どういう番組なのか、まだご存知でない方も多いと思います。

「ジカダンパン」とはどんな番組か

この番組は「世直しバラエティー」と銘打たれ、司会はみのもんたさん、パネラーにテリー伊藤氏、泉谷しげる氏などを迎え、行政に対し不満を持つ視聴者が、番組に相談し、番組が行政の責任者と直談判するというタイトルそのままの番組です。

かつて存在した類似番組「なっとくいかないコーナー」

私は第1回を見たとき、ふと昔同じような番組があったことを思い出しました。それはテレビ朝日のお昼のワイドショー「アフタヌーンショー」のなかで、1978(S53)年4月にスタートした「なっとくいかないコーナー」です。

世の中に納得のいかないことのある視聴者からの依頼を、番組が解決するというもの。この企画は、フリーの放送ジャーナリスト、ばばこういちさんの持ち込み企画だったそうで、ばばさんの著書を紐解いてみることにしました。

当時取り上げられた事例

当時の番組では、役所に対し、企業に対し、学校に対し、近隣に対し、ありとあらゆる納得いかないものを取り上げていたようです。いくつか見て見ましょう。

・家の地下水がマンガンに侵され、マンガン中毒になってしまった一家、安全だと主張する県の衛生局に対し、マンガンの検査を100万もかけて行い、結果をつきつけた。
県が誤りを認め、こちらは補償が実現。

・1978年の静岡ガス爆発事故の静岡ガスへの原因追及、および被害者への補償問題。
⇒これは番組終了後も係争が続き、悲惨な結果となったようです。

全てが解決したわけではないものの、泣き寝入りするしかなかった視聴者が、番組のお陰で救われた事例も多かったようです。

番組を取り巻く圧力と終了の経緯

当時、この番組に対する風当たりは強かったようです。行政から見れば、かなり厄介な存在です。また、地方自治体の問題を取り上げれば、その自治体の資本が入ったローカル局からは放送中止を要請されたり、スポンサー企業の問題を扱えば営業サイドから放送中止を求められたり…。テレビ朝日社内でも、いろいろ議論があったようです。

それでも、放送を断念することは無かったそうです。

そんななか、この「なっとくいかないコーナー」は長く続きましたが、本体番組「アフタヌーンショー」がヤラセ事件で1985(S60)10月に終了。同時にこのコーナーも、7年半で幕を閉じることになりました。

17年ぶりに復活した“直談判型番組”への期待

ばば氏は「この種の番組はいったん潰れてしまったら二度と生まれることがないかも知れない」と語っておられます。また当時は「センセーショナルに扱う姿勢は無く、くそ真面目でデリカシーを忘れぬスタッフばかりだった」とのことです。

そして17年の時を経て、その“二度と生まれないかもしれない番組”が、テレビ東京で復活したわけです。泣き寝入りするしかない社会的弱者のための番組になることを私は望みます。

現在の「ジカダンパン」への違和感

ただ先週、今週と2回見た限りでは、時代の変化なのかもしれませんが、とてもセンセーショナルな取り上げ方で、テロップも多用され、煽っている印象さえあります。「世直しバラエティー」という言葉にも引っかかります。

せっかくいい企画なのですから、茶化すことなく、ジャーナリズムの精神で制作してほしい。本当に期待しています。

みのもんたの“本気度”と最後の懸念

「愛の貧乏脱出大作戦」同様、みのもんたさんの番組に対する思い入れ、ヤル気がひしひしと伝わってきます。一目見て、他の番組での司会ぶりと全く違うことに気づくと思います。

ただひとつ、この企画の元の発案者である、ばばこういちさんに、「これは俺の企画だ、責任者出てこい!」とジカダンパンされないように気をつけてほしいですね??

されどテレビ半世紀

されどテレビ半世紀

この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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