FM COCOLOと802が事業統合-これであの局が伝説に

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写真:FM COCOLO・関西インターメディア送信所(大阪・東大阪市)

【朝日新聞】「COCOLO」FM802が継承へ 民放初の複数波に
【日本経済新聞】FMココロ、FM802に事業譲渡 ラジオ再編、本格化も

年末が近くなると、年越しを前に、企業の統合や再編といった話題が出てくるものですが、放送業界にまたひとつ、動きがありました。

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大阪府を中心として近畿をカバーする外国語FM局、FM COCOLO(関西インターメディア)が会社としては清算、消滅することになったのです。

会社としては清算されるものの、放送電波だけは、大阪府だけを放送エリアとする同業のFM局FM802に譲渡され、FM802は、大阪府だけをカバーする「80.2MHz」の電波と、大阪・兵庫・京都・奈良をカバーする「76.5MHz」の電波の、2つをもつFM放送局となるのです。

現在も、ラジオNIKKEIが第1放送と第2放送を持っていますが、これは短波という特殊な電波の放送であるためで、短波をのぞき、ひとつの民放局が2つの電波をもつことは史上初となります。

昨年、RADIO-i(愛知国際放送)が同様に清算され、放送局が消滅してしまったのは記憶に新しいところ。それを受けてか、今年6月に改正放送法が施工されたことで、この1つの放送局が2つの電波を持つことが可能になったのです。つまりこれからは、放送局が傾いても、電波をそのほかの局に譲渡することが可能になったわけで、RADIO-iのように、完全消滅することは無くなると思われます。

ということは、民間放送局が跡形もなく消滅…という事態は、後にも先にも、RADIO-iだけになりそうですね。RADIO-iはこれで伝説になった…。なんて。これは、斜陽だと叫ばれるラジオだからでしょうか?それとも、放送メディアが抱える問題でしょうか?

そうではない気がします。これから日本は、人口が減少していく国家です。人が減っていくのに、内需が伸びるということはありません。つまりこれからは、ラジオ・テレビに限らず、映画館も飲食店も小売店も、内需に関する企業は全て整理・統合されていくのが当たり前なわけで、放送という観点だけで見るならば、どことどこが手を組んで、提携したり統合するのか、それを楽しみにするしかないですね。

子どもが増えて、日本の人口が増加に転じない限り、新しい放送局なんて登場するわけがないのですからね。

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