ポッカサッポロ名古屋囲い込み大作戦

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4日付の中日新聞に、新会社への合併をアピールする全面広告が掲載されていました。タイトルは、「ふるさとナゴヤとともに。」さらに、
「もう1度、名古屋に生まれる幸せ。」というキャッチコピーも。その広告は…。

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ポッカコーポレーションとサッポロ飲料などが、この1月1日に合併した「ポッカサッポロフード&ビバレッジ」のものでした。

ポッカと言えば、生粋の名古屋企業。1989(H元)年に名古屋で開催された世界デザイン博覧会では、ポッカライナーが印象的でしたね。そんなポッカはMBOによる上場廃止を2005(H17)年に行い、2009(H21)年にはサッポロホールディングスと資本業務提携。

そしてこの1月1日、サッポロホールディングスの完全子会社として既に設立されていた「ポッカサッポロフード&ビバレッジ」に、ポッカコーポレーション、サッポロ飲料、北海道ポッカが吸収合併され、ポッカは「ポッカサッポロ」に生まれ変わったというわけです。

「ポッカ」が「ポッカサッポロ」になるということが、名古屋っ子にどのような印象をもたれるか、ポッカは危惧していたのではないでしょうか。

これまで、東海銀行や松坂屋、エイデン、ユニーなど、名古屋を代表する、名古屋っ子の誇りでもあった地元ブランドが、ここ最近、どんどん名古屋から奪われているイメージがあり、店舗名称を残している松坂屋でさえ、名古屋が「本店」でなくなった衝撃は、少なからず名古屋っ子の心に影を落としています。

「名古屋のポッカ」であったのに、「ポッカサッポロ」となってしまうのは、サッポロが「札幌」という地名であるだけに、「ポッカが北海道に取られてしまった!」という印象になりかねません。

そこでこの、名古屋囲い込み戦略なのでしょう。

合併する前から、ポッカはテレビCMでも、名古屋色をアピールする方向で動いており、「東海地区限定焙煎後24時間以内抽出缶コーヒー」を、愛知県内に工場があるポッカだからできる!とわざわざ明示するなど、
地元色をやたらと出していました。そしてこの全面広告です。

名古屋テレビ塔を中心とした空撮写真に、「もう1度、名古屋に生まれる幸せ。」という言葉で、存続会社が名古屋本社であることをアピール。さらに、「ふるさとナゴヤとともに。」です。

社名の「サッポロ」はあくまでも「サッポロホールディングス」の「サッポロ」であって札幌じゃないよ、ポッカサッポロは名古屋の会社だよ!ポッカサッポロは札幌よりも名古屋だよ!と言わんばかりです。

しかも、検索ワードとして掲載されているのが、新社名の「ポッカサッポロ」ではなく、そのキャッチコピーの「ふるさとナゴヤとともに」で、そのサイトに行くと、こんな文章が。

「ポッカは1957年に名古屋で創業して以来、東海エリアに3つの工場を展開してきました。ポッカサッポロにとっては、名古屋のみならず、東海地方全体が大切なふるさとです。この地域の皆さまへの感謝の気持ちを、様々な活動を通して伝えていきます。 」

徹底してるな…。

東京の大学へ進学しても、その多くが地元への就職を希望する名古屋っ子。たとえ、事情があって名古屋を去っていくとしても、ふるさとが名古屋であることを忘れず、精神レベルで名古屋と繋がっているならともかく、名古屋を捨てて出て行くものには、名古屋っ子がどう接するのか、それは、名古屋っ子自身が一番よくわかっていること。

ポッカサッポロのこの名古屋戦略。果たしてこの先、いつまで突き通せるでしょうか。

末路は、三菱東京UFJ銀行パターンか、J.フロントリテイリングパターンか、エディオンパターンか、はたまた、サークルKサンクスのようなことになってしまったり?。今後のポッカ、いや、ポッカサッポロの広告戦略には注目し続けていきたいと思います。

それにしても「ポッカサッポロ」って長いよね。「ポッポロ」にでもすればよかったのに。「名古屋のポッポロ」まあそんなことしたら、名古屋っ子は全員そっぽ向いちゃうだろうけど。

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やっぱり名古屋っ子は、缶コーヒーといえば、ポッカ。あったか~いの自販機を初めて設置したのも、ポッカ。

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コメント

  1. SPICA より:

    サッポロ飲料へのコメント
    東京のくせにサッポロを名乗るな(怒)

  2. チャン より:

    あけましておめでとうございます。
    元々、缶コーヒーといえばポッカとかダイドードリンコやUCCのようにコーヒーメーカーが強かったのですが、今ではジョージア(コカ・コーラ)のように飲料メーカーや、キリンやアサヒ、サントリーのようなビール・洋酒メーカーがトップシェアを争っていますね。ビール系のメーカーとしては正直サッポロが影が薄いので、ポッカを傘下にして、シェア拡大に努めるのかなと思います。
    さて、話は変わりますが、今年の1月1日からMBSラジオ(関西地区)の時報CMがスジャータからサークルKサンクスに変わりました。そういえば名古屋ではCBCラジオがスジャータの時報CMでしたね。CBCでもサークルKサンクスに変わったのですか?
    (このブログの記事の中にサークルKサンクスが出ていたので…)

  3. >SPICAさま コメントありがとうございます
    本文中にありますとおり、
    サッポロ飲料という会社は昨年末をもって消滅しましたので
    怒る相手がもう存在しませんね。
    >チャンさま コメントありがとうございます
    本年もよろしくお願いいたします。
    確かに、コーヒーメーカー主導ではもうないですものね。
    自販機に関しては、名古屋にいるとポッカをやたらと見かけるので、
    全国の実態はわかりませんが、サッポロに救済を求めるということは
    そういうことなのだろうな…とは思っています。
    ポッカサッポロがどのような戦略をとるのか注目しています。
    スジャータはラジオ時報CM自体から撤退したみたいですね。
    名古屋・CBCもサークルKサンクスの時報に変わっております。

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