荒木集成館での書家の先生の収集品展で驚き

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天白区にある荒木集成館に行ってきました。ここは、その名の通り荒木さんという方が、集めたものを展示しているミニ博物館で、名古屋市内を中心に、この地方各地で見つかった出土品が数多く展示されていて、旧石器時代から縄文、弥生時代から鎌倉時代まで、

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様々な遺物を目の当たりにでき、名古屋に脈々と続く人の営みを、実際に目で見て感じることができます。元々中学校の先生だった荒木さんが、生徒の拾った土器のかけらをきっかけに研究を始め、博物館を建ててしまうほどに収集を成されたとのことで、人生とは、何をきっかけに変わるか、わかりませんね。

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それらが展示されている2階の常設展示とは別に、1階ではさまざまな展示発表が行われています。今は、名古屋を中心に幅広く活躍されていらっしゃる、書家の一ノ瀬芳翠先生による、「文房四宝 書家の机まわり~一ノ瀬芳翠収集品~」が開催されていまして、そちらも楽しみに、じっくり拝見させていただきました。

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文房四宝とは「筆・紙・墨・硯」まずは硯。この荒木集成館の所蔵品である、東山3号窯から出土した円面硯にはじまり、時代を下るにしたがってまさに芸術品。そして墨。墨自体の装飾のあざやかさに見とれるとともに、何で墨を溶かすのかによって、そのつや、濃淡、文字の印象が変わるという先生のお話はとても興味深かったです。

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続いて紙ですが、びっくりしたのは、鳴海絞。鳴海といえば日本武尊から松尾芭蕉まで、ゆかりの歌がたくさん残されていますよね。私もかつてその足跡を辿って歩いたことがありますが、それらの歌が鳴海絞に味わい深く書かれ、今の鳴海と歴史上の鳴海に思いを馳せることができます。また、オイルショックの時代に確保されたという書道用の紙も展示されていて、時間を経て紙は品質が変わっていくというお話も勉強になりました。

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最後は筆。これは大迫力ですね。こういった筆で実際に文字が書かれるところを、ぜひ拝見したいと思いました。一ノ瀬芳翠先生の書道パフォーマンスは、以前からテレビや新聞のニュースで拝見したことがありまして、存知上げてはいたのですが、今回、実際お会いしてお話をお伺いさせていただいて、驚いたのはそのお話の面白さ。パフォーマンスを取り入れていらっしゃるとはいえ、書家の先生ということで、最初は緊張していたのですが、本当に楽しかったです。

ただその一方で、書とパフォーマンスにかける思い、そして、今のネット全盛、一億総クリエイター時代、表現者として本当に必要なものとは何か。短い時間ではありましたが、心に響く言葉もたくさんありました。

ぜひまた改めて、パフォーマンスも拝見したいですし、お話をお伺いできるといいなと思いました。

今回お邪魔しました、荒木集成館での「文房四宝 書家の机まわり~一ノ瀬芳翠収集品~」は、8月4日までです。荒木集成館は金・土・日曜日の、午前10時から午後5時まで開館しています。(最終入館は午後4時30分まで)

一ノ瀬芳翠公式サイト

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