テレビ東京らしさが評価されはじめた今、その次は?

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テレビ東京ホールディングスから、第4期の中間配当と中間報告書が送られてきました。新キャラクターがバナナに決まったこともあってか、表紙も一面の黄色。テレビ東京のコーポレートカラーは、現在のロゴになる一つ前の世代「12テレビ東京」からずっと、「青と赤」でしたが、なんだか黄色に変わってしまったのかと思うほど、そのイメージを押し出している感じがあります。

そのバナナの名前ですが、いよいよ23日(月・祝)に発表になるみたいです。

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さて、少し前までは、数字への言い訳が多かった報告書ですが、とにかく今回の中間報告書は明るい。「ゴールデンタイム、プライムタイムで視聴率は上昇基調」とあり、2013年度上半期平均視聴率は、ゴールデンで6.9%、プライムが6.5%と、前年同期を上回り、「YOUは何しに日本へ?」「世界ナゼそこに?日本人」「モヤモヤさまぁ~ず2」「出没!アド街ック天国」「ガイアの夜明け」「主治医が見つかる診療所」が、着実に視聴率を上げていることが誇らしく書かれていました。

ちょっと外国ネタに頼りすぎて、成田空港にテレ東は常駐してるんじゃないか?と思えるくらいですが、今のニーズに合致してるということなのでしょう。外国に住む日本人ネタは、朝日放送にもTBSにもパクられるほどの企画ですからね。

ただ今回、この中間報告書で面白かったのは、開局50周年を迎えたテレビ東京は、「テレビ東京らしさ」を原点にこれからも、というコンセプトになっており、社長挨拶でもそのことに触れられているのですが、

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そもそもの「テレビ東京らしさとは何ぞや」について、モヤさまの伊藤Pをはじめ、コンテンツビジネス部部長、編成部副参事の3人による座談会が掲載されていて興味深かったです。視聴者が魅力として感じている「テレ東らしさ」と、製作側が思う「テレ東らしさ」が違ってはいけないし、視聴者が皆、同じ感情を抱いているわけではないと。

しかも、テレ東らしさを追及することは、「NHK」「民放」「テレ東」という3つの区分けになるほどの個性化になるわけで、それは好きな人は好きでしょうけれども、大衆受けするかといえばそうではないわけで、強みでもあり弱点でもあると。

しかし安心したのは、テレ東はあくまでもテレ東らしさで勝ちたいのであり、他局の模倣や、大衆迎合で勝っても意味がないという思い、テレ東があるから、今でもテレビっ子でいられるという部分は自分も大きいです。座談会のタイトルにあった、「違う景色を目指す」「勝ちに行く」ズバリそれは、最下位ではないところに、テレ東がテレ東らしさで行く、ということですよね。こういう発言が出るのも、先ほどの数字ですよね。

2013年度上半期のゴールデン平均が6.9%、さらに、10月に入ってからは8週間の平均が7.3%、第8週に至っては8.5%と、まさに上昇基調。上半期ゴールデン平均については、TBSが9.9%、フジテレビが10.4%ですので、まだまだ射程距離とは言いがたいですが、ひょっとするとひょっとして「違う景色」「勝ちに行く!」が実現する日がやってくるかもしれないというわけです。

しかし、このテレ東らしさ、はポイントで、だからといって数字だけのために何かを犠牲にするわけではない、この足枷をつけたままあえてというところが、さらに、テレ東ファンとしてはくすぐられるわけです。「生まれた時は教育テレビ」という同じ境遇にあったテレビ朝日が、かつての「テレビ朝日らしさ」を捨てたことで快進撃となったのを横目に、それを模倣せずに、テレ東らしさで最下位を脱出する…その姿、見たいですね。

でも、あくまでもテレビ東京が戦えるのは、ゴールデンやプライムだけですからね。全日視聴率では、絶対に他局とは勝負になりません。なぜなら、通販とか、数字は絶対にとれないけど儲かる、という番組の時間の割合が他のキー局とは全然違いますからね。そのあたりがまた、昼は好きな仕事で働くも薄給で、それだけでは生活できず、夜は水商売で働く…みたいな感じもして、テレ東がんばれと言いたくなるわけです。

座談会に、感情移入こそが「テレビ東京らしさ」という番組づくりのひとつだと書いてあり、私もそう思うわけですが、知れば知るほど、テレビ東京という放送局自体にも感情移入してしまう、そこなんだろうなあ。

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コメント

  1. チャン より:

    日曜劇場「半沢直樹」が驚異的な視聴率を稼いだ一方で、この秋に始まった木曜ドラマが別の意味で驚異的な視聴率の為に打ち切りになったTBS、全盛期の成功体験から抜け出せなくて過去に放送されたドラマのリメイクばかりしているフジテレビと迷走していますね。
    テレビ東京にはこれからもブレる事なくテレビ東京らしくあって欲しいですね。

  2. トッピー より:

    >チャンさま コメントありがとうございます

    テレビ東京は番組にかけるコストが
    他局との比ではありませんから、他局のようになることは
    無いといいますか、できないでしょうけれども、
    その「テレビ東京らしさ」の追求が、どこに向かうか、
    そこですね。

  3. チャン より:

    TOPPYさん、すいません。
    私のブログでこの記事を一部引用させていただきました。
    (テレビ東京の平均視聴率についてです。)
    申し訳ございません。

  4. トッピー より:

    >チャンさま コメントありがとうございます

    ここに書いた数字は、社長が記者会見にて発表したものです。

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