名古屋でワイドFMスタート!同時放送コラボで開局したためにテレビのニュースが…

151001

10月1日付中日新聞

AMラジオの放送がFMでも聞ける

 このブログでは以前から取り上げてきましたが、AMラジオの放送をFMでも聞けるようにする「FM補完中継局(愛称:ワイドFM)」の本放送が10月1日から名古屋でスタートしました。新聞のラジオ欄にも、それぞれFMの周波数が掲載されるように。

 電波の送信所は、愛知県瀬戸市の三国山に設置され、東海ラジオは92.9MHz、CBCラジオは93.7MHzで、それぞれ出力7kWにて放送を開始しました。AMラジオの電波は遠くまで届く一方で、音質が良くなく、雑音や電子機器に弱い、津波で送信所が浸水する可能性があるというデメリットがあります。

 そこで、AMラジオ局の番組を、電波の飛びはそれほどではないものの、高音質で雑音や電子機器に強く、送信所を山の上に設置できる「FMでも」聞けるようにするのがこの制度です。

 ところが…。

[広告]

電波の飛びはすごい

 FMの電波はAMに比べると飛ばない…と言っても、今回、東海ラジオとCBCラジオのワイドFMの送信所が置かれた三国山は、標高701メートル。そこに高さ51メートルのタワーを設置しての放送となります。

 既存の名古屋のFM局(@FM、ZIP-FM、RadioNEO)は、標高65メートルのところに建てられた高さ162メートルのタワーから放送しています。仮にてっぺんだとすると標高227メートルですが、実際にはもう少し低い位置からの電波発射となっています。

 そう考えると、標高701メートルの山に高さ51メートルのタワーからの電波というのは、もはやバケモノです。@FMとZIP-FMの出力は10kW、東海ラジオとCBCラジオの出力は7kWということで、3kWの差はありますが、FMは出力よりも標高です。スカイツリーどころじゃない750メートルと200メートルを比べたら、3kWの差なんて軽く吹き飛ばす標高差です。

 これが認められたのには事情があり、@FMとZIP-FMは「愛知県のみ」をカバーすることを許された放送局であるのに対し、東海ラジオとCBCラジオは「愛知・三重・岐阜の東海3県」をカバーできる放送局だからです。

ワイドFMはコラボでスタート

 東海ラジオとCBCラジオのワイドFMは、8月17日の試験電波発射以来、ずっと既にAMの放送と同じ内容を流してきましたが、10月1日午前9時に正式スタート。

 それぞれ9時から番組がスタートする、東海ラジオの「かにタク言ったもん勝ち」とCBCラジオの「聞けば聞くほど」がコラボ。「聞けば!言ったもん勝ち!!」として、2局・4波同時生放送が実施されました。

 かつて12年前、災害の企画で同時放送したことがある両番組、そのときは、互いの音声を乗り入れさせる形で、東海ラジオの蟹江アナ(当時)が「小高さんは局アナじゃないでしょ」と言って、CBCの小高アナが「私、局アナなんです!」なんてやりとりで笑いを誘ったなんてことがあったのですが…。

出演者も相互乗り入れ

 何と今回は、東海ラジオのスタジオに「かにタク」のタクマさんと「聞けば」の小高アナ。CBCラジオのスタジオに「聞けば」のつボイノリオさんと「かにタク」の蟹江さんという、出演者も相互乗り入れ。

 同時放送を終えたあとは、蟹江さんはCBCから東海に戻る、小高さんは東海からCBCに戻る、その様子をそれぞれに生中継し、それもまた道中でクロスするという、趣向の凝ったものとなっていました。

 そしてこのコラボ企画によって、テレビのニュースがおかしなことに。

 「ワイドFMスタート・AMラジオがFMでも聞ける」は、お昼のローカルテレビニュースでも取り上げられました。その際の映像は、FM開局となった9時の瞬間を流したものですから…。

 東海テレビの「FNNスピーク」は東海ラジオのスタジオを映し、そこにはタクマさんと、CBCの小高アナ。CBCテレビの「JNNニュース」はCBCラジオを映し、そこにはつボイノリオさんと東海ラジオの蟹江さんという画に…。

 そう。東海テレビにCBCの小高アナが映り、CBCテレビに東海ラジオの蟹江さんが映るという逆転現象が。

 普段は斜向かいだとか、C局だとかT局だとか言い合ってますけど、実際は仲が良い…なのか、そんな壁をとっぱらってラジオを盛り上げないといけない時代になったのか…。

 この東海ラジオとCBCラジオによるワイドFMのスタートにより、東海3県においてFMラジオで聞けない民放ラジオは、ぎふチャンだけとなりました。

コメントはこちらから

Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました