テレビ東京がInterFM株を売却・映像に特化ねえ…

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東京と横浜を中心に、東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県と、広い範囲を放送対象とする、外国語FM放送局「InterFM(インターエフエム)」ことFMインターウェーブ。そのInterFMが売却されることとなりました。

わが国では、一部の例外を除いて、原則的に県域FM局はどこもその名のとおり1県単位での放送で、特例として広範囲をカバーしているFM局にもかかわらず、売却されてしまうInterFM。かつて、そんなInterFMと同様のFM局が、名古屋にもあったことを思い出しつつ、

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InterFMがどうなるのか、見てみましょう。

InterFM(東京76.1MHz/横浜76.5MHz)は、ニフコを筆頭株主として、1996(H8)年4月に開局。先に開局し、

大阪府・兵庫県・京都府・奈良県をエリアとしていた、「FM COCOLO(関西インターメディア)76.5MHz」と、福岡県・佐賀県をエリアとしていた、「LOVE FM(九州国際エフエム)76.1MHz」、そして、愛知県と静岡県をエリアとしていた、「RADIO-i(愛知国際放送)79.5MHz」、これらの局とMegaNET(メガロポリスレディオネットワーク)を組み、わずか4局で広くのエリアをカバーできる、効率の良いラジオネットワークを形成しました。

特徴は何と言ってもエリアが広いこと。

東京のTOKYO FMやJ-WAVEの放送対象区域は東京都だけ、
大阪のFM OSAKAやFM802の放送対象区域は大阪府だけ、
名古屋のFM AICHI、ZIP-FMの放送対象区域は愛知県だけ、
福岡のFM FUKUOKA、cross fmの放送対象区域は福岡県だけ、

それに比べ、InterFM、FM COCOLO、LOVE FM、RADIO-iの放送対象区域は広く、優遇されていました。それはなぜか。このMegaNETを形成した4局は、外国語FM放送局として免許を与えられたからなのです。しかし、エリアが広いことよりも、「外国語放送局」という足かせは想像以上で、結局、

InterFMは、テレビ東京に買収され、テレビ東京の100%子会社に、

FM COCOLOは、ライバル会社のFM802に放送免許を譲渡、会社は清算へ、

LOVE FMは、特別清算され、放送事業をコミュニティFMの天神FMに継承、

そしてRADIO-iは放送停止、廃局、消滅となりました。

このように、外国語放送局は、エリアが広いアドバンテージがあったにもかかわらず、惨憺たる状況となったのです。そのなかで、テレビ東京の子会社である「テレビ東京ブロードバンド」に買収され、その後、テレビ東京の子会社となり、現在はテレビ東京天王洲スタジオ7階に、本社とスタジオを置くInterFMは、唯一、開局時からの法人の状態を保っています。

しかし、当初、モバイルコンテンツを会社の主軸として、FMラジオとの融合を目指していたテレビ東京ブロードバンドはこのInterFMを生かしきることなく手放し、結局、テレビ東京の子会社となったInterFMを、テレビ東京はもてあましてしまったようで、この度、売却を発表しました。

【日経BP】テレビ東京がInterFM株を譲渡、グループの提供コンテンツを映像に特化へ

記事によりますと、InterFM株のうち90%を木下グループの「キノシタ・マネージメント」に売却、10%株主としてテレビ東京は今後も残り、

【木下グループ】エフエムインターウェーブ株式会社の株式譲受に関する契約締結のお知らせ

テレビ東京の引き続きの協力関係のもと、企業理念である「文化の創造」の一環として、良質な音楽を提供していくとのことです。木下グループの購入理由はわかるのですが、テレビ東京の売却理由を見ますと…

・2014(H26)年の開局50周年を迎えるにあたり「映像」に特化したい
・それはテレビ東京グループのさらなる成長のため

意訳すると、テレビ東京グループが成長するためには、ラジオ事業は邪魔であり、切りたかった、開局50周年はキレイな状態で迎えたかった、ということになりますね。

2015(H27)年には、テレビ東京は新本社へ移転することを発表したばかり、テレビ東京ブロードバンドがInterFMを取得した時には、マルチメディアとラジオの新しい形、今後の展開はどうなるのか…と期待される声もあったものの、テレビ東京自体がInterFMを引き受けた時点で、テレ東がラジオ持ってどうするの…と囁かれるようになり、結果、こうなったわけですね。

テレビ東京のさらに親会社である、日経グループ全体としては、ラジオNIKKEIというラジオメディアもありますしね。InterFMを引き受けた木下グループ、取得目的が本当に、「『文化の創造』の一環として、良質な音楽を提供していく」であれば、それこそ、目先の収益にとわわれない、理想的なFM局として存続できることとなります。

かつて、理想だけを追い続けて、息絶えたRADIO-iのようにはなることないように、理想のラジオでご飯が食べられるビジネスモデルが作られることを、期待したいですね。

そういえば。テレビ東京からInterFMに移っていた方たち、梅津(元)アナウンサーとかはどうなるんでしょうかね。そして、テレビ東京天王洲スタジオにある、InterFMのスタジオと本社は…。そのために出資1割残してるのかな。

あの局が息絶えたときの、現場はこんな感じだった…という本。実際の、親会社の意向とかは、いまだわからずじまい。

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コメント

  1. Kenji より:

    外国語FM放送局という区分があったのですね。InterFMが今まで通り継続することを祈るのみです。。。

  2. >Kenjiさま コメントありがとうございます
    テレビ東京の完全子会社で無くなったことで、
    他のテレビ局とのコラボも始まるようで、
    そういう意味では、自由度は高まるかもしれませんね。

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