東京スカイツリー(東京・墨田区)
AMラジオ局がFMでも放送をスタート
音質は悪いものの、遠くまで電波が届くAMラジオ放送。わが国の放送はAMラジオからスタートしており、最も歴史の長い放送です。ラジオは災害時に威力を発揮するため、社会的役割も大きいのですが、AMラジオは雑音に弱く、近年はパソコンや携帯電話の普及によって聞きづらくなるばかりでした。
そこで、AMラジオ局がFMでも放送する「FM補完中継局(愛称:ワイドFM)」がスタート。既に秋田、茨城、富山、山口、愛媛、鹿児島ではスタートしており、民放AMラジオ局の放送がFMでも聞けるようになっています。
それがいよいよ、名古屋では10月1日に正式スタート、東京では10月5日から試験電波が発射されることが明らかになりました。
ワイドFMとV-Lowマルチメディア放送の試験開始
関東地区では、TBSラジオと文化放送、ニッポン放送による「ワイドFM」の試験電波と、「V-Lowマルチメディア放送」の試験電波が発射されることが発表されました。
まず、V-Lowマルチメディア放送ですが、これは「V-Highマルチメディア放送」の地方ブロック版です。V-Highマルチメディア放送というのは「スマホ向け放送局・NOTTV」に当たります。NOTTVは全国同一番組ですが、地方ブロック単位のNOTTVみたいなもの、ですね。かなり簡単に言いますと…。
そのV-Lowマルチメディア放送の試験電波と、ワイドFMの試験電波が東京では10月5日から発射されます。
【追記】ワイドFMの試験電波が、微弱ながら9月26日に発射されているとの情報あり。
スケジュールも発表
試験電波の発射はスケジュールも発表になっていまして、10月5日(月)の朝10時からまずは弱い出力で発射され、7日(水)午後2時から第2段階に、9日(金)午後2時から第3段階、そして19日(月)午前10時から第4段階と出力があげられていくようです。
TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送に予備免許が交付されたのは昨年9月3日ですから、予備免許の交付から試験電波の発射まで、1年以上の月日が経過したことになります。
どのような内容で試験電波が発射されるかはわかりませんが、
- TBSラジオ 90.5MHz
- 文化放送 91.6MHz
- ニッポン放送 93.0MHz
それぞれ最終的には出力7kWでの東京スカイツリーでの放送開始に向けて、試験がはじまります。本放送開始は12月を予定しているとのことです。
名古屋は10月1日から正式スタート
三国山FM放送所(愛知・瀬戸市)
名古屋は、東京・名古屋・大阪の三大都市圏の先陣を切って試験電波の発射を続けてきました。
東海ラジオとCBCラジオによるワイドFMの試験電波は8月17日の午前10時に開始。当初からAMラジオの放送をそのまま試験電波でも流す形の試験が行われ、次第に出力をアップ。
そして25日、東海総合通通信局より本免許が交付されました。
- 東海ラジオ 92.9MHz
- CBCラジオ 93.7MHz
それぞれ出力7kWで、愛知県瀬戸市の三国山から、10月1日朝9時に本放送開始となります。
聞けるのは、90MHzよりも上の周波数が聞けるラジオでのみとなり、対応カーラジオ・カーナビが普及するまでにはまだまだ時間がかかるとは思いますが、あくまでもこれは「FM補完中継局」であり、補完という位置づけなので、AMラジオでもこれまでどおり引き続き聞くことができます。
特にCBCラジオは、夜間になると海外からの電波が混信し、名古屋市内でもAMラジオでは聞けない地域が多く、何十年も前から、FMでの放送も希望してきたとのことですから、念願かなってということになりますね。
また、東海ラジオは2012(H24)年5月13日でAMステレオ放送をやめてしまいましたが、ワイドFMはステレオなので、「ステレオ放送の復活」ということにもなります。
10月1日からは正式に、東海ラジオとCBCラジオが「FMでも」聞けるということになります。これにあわせて東海ラジオは平日夜に大型音楽番組、ローカルの深夜放送も復活させます。
一方、10月1日にはこれまで「InterFM NAGOYA」として放送されていた79.5MHzの放送が、「Radio NEO」として新規開局という格好になります。名古屋のラジオが大きく変わる10月1日になりそうですね。
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