さて、前回「25年前」というお話をしましたが、今回も当時のお話です。私が生まれて初めて生で有名人を見たのが、ちょうどその頃でした。
幼稚園児の頃だっただと思うのですが、記憶が曖昧なので、ひょっとしたら小学生になっていたかもしれません。確か、親父に野球場へと連れて行かれました。その頃は、まだ何がなんだかわからなかったのですが、ナゴヤ球場ではなかったので、プロ野球を見に来たのではないということくらいはわかっていました。
そこで野球をしていたのは、上岡龍太郎さんでした。他にも有名人はいたようなのですが、私には上岡さんの印象が強く、「あ、カンピューターの人だ。」と思ったことを強く憶えています。いや、その当時の記憶ではなく、後から思い起こして刷り込んだのかもしれません。
私は当時から名古屋のとなり、愛知県の片田舎に住んでいたのに加え、コンサートや芝居などを見に行くという家庭でもなかったものですから、有名人や芸能人を生で見るという機会はほとんどありませんでした。
当時から私はテレビっ子だったため、テレビに出ている人に対しては妙なカリスマ性を抱いていたようで、親の話だと「CBCニュースワイド」を見ながら、「今日は岸のおじさんだ。」とか「○曜日は日比のおじさんだ。」などとキャスターに対しても妙な親近感を持っていた子どもだったようです。
ですので、上岡さんを生で見たということが、私にとってかなりの衝撃だったらしく、しばらくはテレビで上岡さんの姿を見るたびに、「この前野球やっとったのを見たなぁ。」と何度も感慨深く思っていましたし、さらに強い親近感を持っていたようで、上岡さんの番組をよく見るようになりました。
「花の新婚!カンピューター作戦」は、東海テレビで関西と同じ日曜昼に放送されていた時期もありましたが、のちに三重テレビでは結構夜遅くに放送されていたので、祝日前でもないと見ることができなかったのですが、そういう日は親と一緒に見ていたのを憶えていますし、
もう少し後の時代では「上岡龍太郎にはダマされないぞ」「EXテレビ」ですとか、笑福亭鶴瓶さんと一緒にやってらっしゃった「パペポTV」、そして「探偵!ナイトスクープ」と、上岡さんの番組をよく見るようになり、そのトークに惹かれるようになりました。思えば、生で見たというあの出来事がきっかけだったわけです。
最近になって、「そういえば何で上岡さんがこんな名古屋で野球をしていたのだろう?」という疑問を持ち、親父に聞いてみたのですが、親父は「そんな野球なんか見に行ったか?」などと言うので、「行ったはずだ。」と言うとしばらく考え込んでこう言いました。
「それ、ばつぐんジョッキーのときだわ。」
ばつぐんジョッキーとは、1968(S43)年11月から1986(S61)10月までCBCラジオで放送されていた昼間の帯番組で、上岡龍太郎さんや板東英二さんが曜日ごとに担当されていた番組です。連れて行かれたのは、その番組のリスナーとパーソナリティとの野球大会だったというのです。あの頃親父はサラリーマンだったので、営業車でラジオをよく聞いていたらしいのです。
「あの時は、板東英二や島田紳助もおったんじゃないかな。」
そうだったんだ…。しかし、そんな豪華メンバーだったのに、上岡さんの印象しかないということは、当時から自分の中で、上岡さんに惹かれるものがあったのかもしれない…。幼稚園児でしたけどね。
CBCラジオは昔から、昼間の番組に関西のパーソナリティを呼んでいたのですね。今では「ツー快お昼ドキッ!」を北野誠さんや立原啓裕さんが担当されていますけど、これは昔からの流れだったんですね。お二人とも「探偵!ナイトスクープ」に出演されていますし、上岡さんと接点がありますね。でも当時は、関西から喋りに来ているパーソナリティが、名古屋でリスナーと野球をするなんてことをやっていたのですね。結構意外です。
ところで、今では車に乗ればいつでもNHKの親父が、当時CBCラジオを聞いていて、そのリスナー集会みたいなものに子ども(私)を連れて行っていたなんて、想像もつきませんでした。そして二十数年経った今、私は営業車でラジオを聴き、そのイベントに行くようになりました。
やっぱりこれは血なんだな、カエルの親はやっぱカエルなのだということを、この話を聞いて実感したのでした。ただ、CBCと東海ラジオという大きな隔たりがそこにありますが…。
でも、親父は「ミッドナイト東海」は良く聞いていたらしい。森本レオ氏が好きだったそうで…まさか親父とラジオの話ができるとは…。
一度、親や身近な人に「昔どんなラジオ聞いとった?」と聞いてみてはどうでしょう。意外に面白い話を聞くことができるかもしれませんよ。
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