テレビ東京が久々の大胆差別化戦略

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テレビ東京といえば、昔から「他局との差別化」を掲げ、実践して生き抜いてきた存在であります。その差別化は、番組内容も然ることながら、編成にもよく現れていました。しかし最近は、

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何か大きな事件、事故、災害が発生しても、テレビ東京だけは通常放送という差別化だけがクローズアップされ、テレビ東京だけの編成の特徴というものが、前面に出ることは少なくなりました。

かつては、他のキー局が夕方は6時台にしかニュースをやっていなかった時代に、テレビ東京だけは5時台にニュースを組むことで、高視聴率を記録したり、多くの局が主婦向けワイドを午後2時~4時に組んでいた時代に、テレビ東京だけは4時台に組むといったことをしていました。

その編成は今もその名残はある一方で、他の局も追随する形になり、特に目新しい編成、差別化とはいえなくなってしまいました。ところがこの春、テレビ東京は大きな決断をしました。

ゴールデンタイムの番組を、午後6時30分スタートとすることにしたのです。現在、午後6時30分からは、ローカルセールスで「ピラメキーノ」という子ども向け番組が放送されていますが、これを、春からは5分番組として朝に回し、月曜から土曜まで、ゴールデンタイムの番組を、午後6時30分スタートとするのです。

月曜「(新)YOUは何しに日本へ?」
火曜「ペット大行進!ど~ぶつくん」
金曜「お金がなくても幸せライフ がんばれプアーズ!」
土曜「土曜スペシャル」

これらが午後6時30分スタートとなり、月曜、火曜、金曜はそれぞれ1時間半番組に、土曜スペシャルは2時間半番組となります。また、水曜と木曜もそれぞれ、午後6時30分から1時間半のアニメ枠となりそうです。これは、久々の「他局との差別化」発揮ですね。どのような効果が出るでしょうか。

ただ…。テレビ東京には、「土曜スペシャル」と「日曜ビッグバラエティ」という2つのスペシャル番組がありまして、もともと、日曜ビッグバラエティは「日曜ビッグスペシャル」でした。これ、何がビッグだったのかといいますと、2時間の土曜スペシャルに対し、日曜は3時間だったことから、「日曜ビッグ」だったんですよね。

それが2時間に短縮になったにもかかわらず、タイトルはそのまま、改題時もビッグを引き継いだ、という状態なのです。しかしこれで、土曜スペシャルが2時間半になるのに対し、日曜「ビッグ」の方が2時間という逆転現象が起きますね…。そんな矛盾に気づくのはてれとまにあだけでしょうけど。

あと気になるのは、テレビ愛知は土曜午後6時半がローカル枠ですよね。土曜スペシャル、毎回飛び乗りでしょうか。それとも、福岡のTVQ九州放送みたいに、土曜は午後6時半から9時まで、全編ローカル番組にしてしまうとか…は、さすがにないかな。

ドンジャラ ピラメキーノ

5分番組になるって、どうなのよそれ…。

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コメント

  1. チャン より:

    テレビ大阪でもPM6:30から30分のローカル旅番組が放送されているので、4月の改編でどうなるのでしょうか?
    テレビ大阪では単発でローカル旅番組や「たかじんNOマネー GOLD」、プロ野球阪神戦に差し替えていますが、今週末の3月23日のPM6:59~8:54に「たかじんNOマネー GOLD」が放送されます。Wikipediaによるとテレビ大阪以外にテレビ北海道と和歌山でも同時ネットされるらしいですよ。
    TVQ九州放送では毎週土曜日PM6:30~8:00に「土曜の夜はおとなテレビ!」、PM8:00から「きらり九州めぐり逢い」が放送されていますよ。(Wikipediaに掲載されています。

  2. >チャンさま コメントありがとうございます
    たかじんNOマネーGOLDは、
    いつもテレビ愛知でも放送されますね。
    これ、たまっていたNOマネーを、
    テレビ愛知が土曜のこの時間に放送したところ、
    高視聴率だったことから、
    本家のテレビ大阪が企画するようになったそうですね。
    TVQについては番組表で確認しました。
    wikipediaはあてにしないほうがいいですよ。
    誰でも嘘でも書けますから、
    特に放送関係の項目がデタラメがよく書かれています。

  3. ジューデンスバル より:

    ここで大胆差別化を図っても,他局に追随されてしまうのではないでしょうか。
    最近の民放テレビは視聴者を引き留めるためなのか,2~ 4時間の長時間番組を編成する傾向にあるので,他局もニュース枠を切り上げて,“ゴールデンタイム”を前倒しする可能性はあると思います。実現すれば「5時間特番」なんてのも,いともたやすくやってしまうのではないでしょうか。
    プロ野球球団のある地方なら,ホームゲーム生中継の差し替えには好都合ですね。
    ところでテレビ東京系は午後 5時半から水曜日には特撮とアニメ,木曜日はアニメが2本あるので,6時半からの枠とつながれば 2時間半になり,「スイユウ・モクユウ キッズタイム」にでもなっちゃうのでしょうか???
    こっちのほうこそ「他局との差別化」にはなっていると思うのですが。

  4. >ジューデンスバルさま コメントありがとうございます
    これ、18時台後半というところが、
    一番のポイントではないでしょうか。
    他の4系列は、
    18時台後半はローカル局の枠となっていて、
    年末年始など、特別な時しかネット枠にはできない時間です。
    テレ東のこれに追随するには、
    ローカルニュースの時間を移動させるなどしなければなりませんが、
    その労力をかけてまでテレ東に追随したくなるほどの成果を、
    テレ東が挙げられるか?ですね。
    その昔、テレ東が成功して、他系列が追随した事例としては、
    17時台のニュースというのがありますが、
    あの頃のテレ東は、17時台のニュースが8%とか
    とってましたからね。
    さて、どうなりますか。

  5. RunRun より:

    テレビ東京は、2011年秋改編で、
    特にゴールデンタイムにおいて、
    「原点回帰」「得意分野集中」の編成方針を掲げ、
    「主治医が見つかる診療所」「水曜ミステリー9」の再登場など、
    個別番組の視聴率で8パーセント以上獲得できるであろう番組を並べましたが、
    私から見れば、テレビ東京は、プライムタイムで、
    「堅実路線」の番組ラインナップ編成を推進して、
    40歳以上の視聴者の囲い込みをめざしてきたのでしょうかね。
    テレビ東京のこの春の改編では、
    ゴールデンタイムの改編率が3割と、
    比較的大きいにもかかわらず、
    ゴールデンタイムのレギュラーバラエティの実質的な新企画がなく、
    週末の定時スペシャル枠や随時放送の特番企画も含め、
    ジャンルやキャスティングなど、全てに手堅い企画を並べて、
    少なくとも5年間は安定するであろうラインナップにするつもりでしょうかね。
    4月編成で、夕方6時30分から8時までの90分枠となる3番組も、
    コアターゲットが40歳以上の番組ばかりで、
    6時台にニュース番組が並ぶ現状に不満を持つ、
    40歳以上の視聴者をキッチリ囲い込みたいのでしょうね。

  6. チャン より:

    今日(3/23)の大阪地区の新聞の折り込みチラシの中に、テレビ大阪が「たかじんNOマネーGOLD」の宣伝チラシが入っていました。
    そのチラシによると、今日3/23の18:59の放送に加えて、4/13からは毎週土曜日18:59より放送との事。
    番組表によるとテレビ北海道や愛知は今日の放送は同時ネットするのですが、4月からのレギュラー放送はどうなるのでしょうか?

  7. >RunRunさま コメントありがとうございます
    そうですね。一時期、若者を取りにいったことも
    ありましたが、古くからのテレ東のご贔屓さんを、
    大切にするという編成になっていますね。
    まずはやはり数字、という意気込みは感じます。
    18時半は他系列はローカルニュースの時間なので、
    追随できないというところも、ポイントだと思います。
    >チャンさま コメントありがとうございます
    情報ありがとうございます。
    関西では「たかじんnoマネー」が土曜の18:59からの
    放送になるんですね。
    テレビ愛知では今までどおり日曜15時の放送との
    ことなので、愛知では同時ネットにはならないようです。
    しかし、折込チラシとはすごいですね。

  8. RunRun より:

    テレビ東京は、10年前後放送してきた、
    「TVチャンピオン」「田舎に泊まろう」などの番組に、
    金属疲労の色が濃くなってきた事から、
    「逆流リサーチャーズ」「料理の怪人」など、
    それに代わる新しい企画のバラエティー番組を多く投入しながら、
    これらの番組は、高くとも6パーセント程度の視聴率にとどまり、
    また、2010年秋からは、月曜夜10時台に、
    現代劇シリーズドラマ枠を発足させながら、
    2~3パーセントという極端な低視聴率が続き、
    企画や編成面での試行錯誤が続いたようです。
    結果、テレビ東京が行き着いた先は、
    「得意分野回帰」の名のもとに、
    「庶民的」「実用的」かつ「手堅い」企画主体の編成に、
    ヨリを戻す事だったのでしょうね。
    テレビ東京のサイトの番組情報ページで
    ゴールデンタイムに放送される、レギュラーや単発の、
    バラエティー番組のメイン司会者やゲスト出演者の名前を眺めていると、
    40歳以上の視聴者にウケがいいタレントをキャスティングする傾向が、
    他の系列の番組よりも強いのではないかと思います。

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