PAOPAOの肉まん(松坂屋名古屋店)
福岡発の肉まんとして名古屋でも知られていますが…
福岡県に本社を置く、食肉事業を幅広く展開している明治屋産業。北は北海道から南は九州まで精肉、デリカ、レストランと幅広く展開しており、社名は知らなくとも、明治屋産業の味には全国各地で触れられるわけですが…。
そんな明治屋産業が展開するデリカ事業のなかで人気の点心専門店「PAOPAO(パオパオ)」
愛知県では松坂屋名古屋店、ジェイアール名古屋髙島屋、金山駅、新東名高速の岡崎SA、さらに三重県の近鉄百貨店四日市店とあちこちでいただけるわけなのですが…。
なんと、このPAOPAO。福岡三越の店舗を除くと、この近鉄百貨店四日市店がもっとも西にある店舗だというのです。どういうことなのでしょう。
九州発の経済番組を見ていて…
福岡県にあるテレビ東京系列局の「TVQ(テレキュー)」が制作・放送している「ぐっ!ジョブ~九州ゲンキ主義経済~」という番組があります。この番組は、地上波では福岡エリアのみでの放送なのですが、衛星でも配信されていまして、1ヶ月ほど遅れてはいますが、無料で全国にて見ることができます。
私はずっと、名古屋に特化した文章を書くライターとして活動してきましたので、長年名古屋を中心に世の中を見てきました。そこから視野を広げてもせいぜい東名阪…という視点しかもっていなかった、これまでの人生を反省し、実は1年前くらいからこの番組を毎週見続けてきました。
いまだ訪れたことの無い、東名阪からは距離のある福岡。それでいてアジアの中心都市であり、九州というブロック経済を支える街であり、人の集まる街。そんな福岡の眼で作られたローカル経済番組とはどんなものか。
そういった興味から見始めた「ぐっ!ジョブ」なのですが、意外にもこの地方と接点のある企業も多く、福岡の企業から見た名古屋という情報もあり、これまで気づかなかった名古屋の特徴にはっとしたことが多々あります。そのひとつがこのPAOPAOの肉まんです。
東海が西の限界という肉まん
その「ぐっ!ジョブ」で、昨年末に取りあげられていたのがその「明治屋産業」です。特集の中心は、明治屋産業が展開する「週末限定肉のびっくり市・安くてうまい肉のヒミツ」という話題だったのですが、気になったのは、明治屋産業が展開する点心専門店「PAOPAO」です。
「ああ、松坂屋の地下に入ってるよね、肉まんおいしいよね、PAOPAO」と思いながら見ていたら、番組で知った驚きの事実。
・PAOPAOは福岡では受け入れられなかった
・イチがバチかで関東に出てみたら大ウケ
・福岡三越の店舗を除いては三重県から東にしか店舗が無い
なんと、福岡を発祥としている肉まんなのに、福岡では受け入れられなかったというのです。PAOPAOの店舗網を見てみますと、福岡三越を除いては、宮城1、埼玉4、千葉4、東京16、神奈川11、長野1、静岡3、愛知4、三重1と、見事に東日本にしかないのです。
肉まんといいますと関西のイメージもありますが、四日市が西の限界。四日市から福岡の間には1店舗もないのです。
こんなことってあるんですね。福岡で開発された肉まんなのに、味が受け入れられたのは東日本だけ。
この事情を知って、PAOPAOの肉まんがどんな味なのか、あらためて気になって食べてみました。
肉まんと粗挽き黒豚まん
まずはオーソドックスな「肉まん」から。さすが、お肉やさんの肉まんだけあって、あんがとってもジューシー。マイルドな口当たりです。からしがよく合いますね。まんじゅう生地の甘みがさらにお肉のおいしさを引き立てます。
いや、これのどこが、福岡では受け入れられなかったのか…わかりません。
そして「粗挽き黒豚まん」。こちらはまず食感がしっかり。お肉もそうですが、筍のシャキシャキ感がたまりませんね。肉まんのジューシー・ほんわかさとはまた違った、シャープな印象を受けます。そしてやっぱり、お肉のうまみが最高。
どちらも、まさにデパ地下グルメという味わいですし、これはまた松坂屋に行ったときには買おう!って思えるのだけど。
でも、そう思うのは味覚が東日本ってことなのでしょうかね。
名古屋そして四日市が「肉まん東日本テイストの限界」。それを福岡の企業と福岡の番組で知る。面白いです。
TVQの「ぐっ!ジョブ~九州ゲンキ主義経済~」は、歌謡ポップスチャンネルで月曜25:30~(無料)、日経CNBCでも土曜22時、日曜17時に放送されています。
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