てりかけや(愛知・瀬戸市)
てりかけと付け合わせで泣かせにきます
ここ最近、名古屋のテレビ番組でよく取りあげられている瀬戸市の「てりかけや」。瀬戸市で小学生時代を過ごした人なら、その懐かしい味に思わず涙する…と、ネットでも評判になっているのを見かけました。
自分も、小学生時代は瀬戸市で過ごしていますので懐かしいはずなのですが、「てりかけ」という名前自体の記憶がそれほど強くは残っていなくて、どんなものだろう?と訪れてみて…ああ、これは、やられた。
さらに、てりかけそのものだけでなく、付け合わせでも懐かしさで泣かせに来るとは、予想外でした。
これは…小さいおかずだ!
やってきました瀬戸市の「てりかけや」。場所は瀬戸街道の尾張旭と瀬戸の境目あたりです。かつて友人と一緒に自転車で、店の奥まで無数の在庫が積み上げられた東三郷交差点の古本屋さんに行き、丸美瀬戸燃料の向かいにあったゲーセンに立ち寄るという、土曜の午後を過ごしていた中学生時代を思い出し、既に立地の時点で懐かしさに襲われます。
店先の看板には「瀬戸の人気給食メニュー」「瀬戸のソウルフードてりかけ」といった文字が躍ります。
写真を見ると、ああ、これ!そうそう「小さいおかず」だ。そう。給食でもメインディッシュではなく、小さいおかずの方にありました、ありました。
小さいおかずメニューなのでメインにはならないということで、こちらのお店でも「てりかけ単品」とは別に、ご飯メニューとして「てりかけ丼」がありまして、どちらもテイクアウトできます。
この味!何十年ぶりに食べただろう!
てりかけには「揚げたて」と「給食風」がありまして、どう違うのかと聞きましたところ、給食風は揚げてから30分ほど経過したものだそうで、さめているものの、味がしっかり染み込んでしっとり。一方で揚げたてはカラっとしていますが、そこまで味が染み込んでいないのだそうです。
そうですよね。給食は揚げたてではありませんでしたから、懐かしの味となればやはり「給食風」です。瀬戸市育ちの私は迷わず「給食風」、妻は瀬戸市育ちではありませんので「揚げたて」を、それぞれ「てりかけ丼」でいただきました。
丼には卵と鶏のそぼろがしっかりと敷き詰められていまして、こちらもさすが瀬戸ですね。しっかりとした味付けになっています。そしていよいよ、てりかけです。
食べるまで、てりかけというメニューの名も、写真を見ても味の記憶もおぼろげだったのですが…。もうね。口にした瞬間、何十年という時間が戻ったといいますか、「こ…これだ…!」ですね。鶏肉のうまみと甘い餡のからみが絶妙。
当時の給食の情景を思い出しますし、これが給食メニューのなかで、ズバ抜けておいしかったことも思い出しました。
さらに追い討ちをかける「ポテト」
てりかけやでは、そんなてりかけに付け合せとして「ラスポテト」が置かれています。ラスポテトって何だろう?と思ったら…。
「かつてユニー瀬戸店の4階フードコートで売られていたフライドポテトです」
「現在では愛知県内でも10ヶ所ほどでしか食べられません」
これもピンと来なかったのですが、ユニー瀬戸店のフードコートといえば、自分のお小遣いで、初めて友達と外で買い食いをした場所ですし、知らないはずないんですよ。なので買ってみました。
これ、ラスポテトって言うんですね!めちゃくちゃ懐かしいです。ユニー瀬戸店にも確かにありましたし、かつては高速道路のサービスエリアやお祭りでも、フライドポテトといえばこれだった!これだった!
ラスポテトは、かつては売店などで売られるフライドポテトの主流で、粉末じゃがいもを水で溶き、成型して揚げるというもの。昔は冷凍輸送がコスト高だったのでこちらが主流だったのですが、今では冷凍の輸送も簡単になり、冷凍ポテトの方が「揚げるだけ」で現場がラクと立場が逆転。すっかりその座を奪われてしまったとのこと。
これは、瀬戸市の人だけではなく、ある年齢以上の人にはたまらない味ですよ。妻にとって「てりかけ」は新鮮なウマさだった一方で、このラスポテトには「懐かしすぎる!」「確かにユニーのフードコートの味だ!」と涙を流していました。
瀬戸市民にとっては、てりかけの懐かしさに、ユニー瀬戸店のポテトでさらに懐かしさで追い討ちをかける「てりかけや」。また行きます。
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