中日新聞と岐阜新聞がタッグを組む時代到来か

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写真:20日(日)付岐阜新聞1面
「中日VS岐日」

この激しい闘いは、これまで数々の伝説を遺し、それは、岐阜の市民生活にまで、影響を与えるものとなっていました。

「岐日」とは旧岐阜日日新聞、現在の岐阜新聞です。中日新聞VS岐阜新聞。そのなかで、もっとも象徴的なものは、岐阜市と大垣市で、毎年夏に開かれている花火大会です。

これについては、

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トッピーネットにて、

「意地がぶつかり合い火花を散らす岐阜の花火」

この記事で紹介しましたとおり、岐阜新聞がもともと、8月第1土曜に長良川河畔で花火大会を開催していたところに、7月最終土曜に同じ場所で、中日新聞が同規模の花火大会を開催するようになり、

さらにその同日に、岐阜新聞は大垣市で花火大会を開催するという状態が、半世紀にわたって繰り広げられています。

新聞社同士の対立によって、この地方最大規模の花火大会が、2週連続で岐阜市で開催されるという構図。

しかも、中日新聞の花火の日は、岐阜新聞サイドでは、この日の花火は大垣「だけ」ということになっているため、岐阜放送のラジオの交通情報でも、中日花火大会に関することは一切報じられません。

このような関係から、岐阜新聞とその傘下にある岐阜放送(ぎふチャン)と、中日新聞系放送局(東海テレビ・東海ラジオ・CBCなど)は、現場はともかく、上の方では長年対立関係にあり、また、両新聞社の綱引きによって、岐阜エフエム放送(Radio80)は、近県に比べて開局がズレ込み、わが国の民間放送(地上波)のなかで、最後の開局となっています。

ちなみに、読売新聞のサイトに掲載されています、日本ABC協会による2011(H23)年下半期のデータによりますと、岐阜県における新聞の世帯普及率は、中日新聞が52.95%、岐阜新聞が23.55%です。

しかし、この数字には、岐阜県には名古屋のベッドタウンも多く、また一方で、岐阜意識の薄い飛騨地方の影響もあり、岐阜市に限ると、中日と岐阜新聞はほぼ拮抗という話を、広告代理店の方から聞いたことがあります。

そんな岐阜市で、昨年から開催されるようになったのが、「高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン大会」です。この大会は、岐阜陸上競技協会、岐阜県、岐阜市、(財)岐阜県イベント・スポーツ振興事業団、そして中日新聞社からなる主催団体、「高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン実行委員会」が主催するもので、

さらに、岐阜市出身の高橋尚子さんは、中日新聞社の客員であり、まさに、中日新聞色のとても濃い大会といえます。第1回の開催となった、2011(H23)年。この大会の模様は、当日夜に、中日新聞系の放送局で、愛知・三重・岐阜の東海3県をカバーする「CBCテレビ」で録画放送され、

後日、BS-TBSでも放送されましたが、岐阜の放送局であるぎふチャンテレビでは、中継されることはありませんでした。

中日新聞の色の濃い大会を、岐阜新聞グループが中継するわけが無い、それは当たり前のことだったのです。

ところがです。

2回目の開催となった、今年の「第2回高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン大会」について、当日、中日新聞岐阜版では、スポーツ面と26面で取り上げただけの一方で、なんと、岐阜新聞が1面で取り上たのです。

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さらに、そのもようを、ぎふチャンテレビが生中継。したがって、今回のぎふ清流ハーフマラソン大会は、ぎふチャンテレビが生中継、

CBCテレビとBS-TBSが録画放送という、これまででは考えられないような放送形態となったのです。なぜなら、今回、この大会の後援に、岐阜新聞と岐阜放送が名を連ねたのです。主催の一角に中日新聞がいる大会に、後援として岐阜新聞・岐阜放送が入っている。これには驚きです。

ところが。

岐阜新聞では、ぎふチャンテレビでの生中継だけが紹介されており、

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中日新聞には、CBCテレビによる録画中継の広告だけが出ているという、

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微妙な温度差はちゃんとありました。しかも、岐阜新聞の記事では、主催団体には一切触れられておらず、「岐阜新聞・岐阜放送後援」の文字のみ。

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そして、ぎふチャンテレビの生放送と、CBCテレビの録画放送、放送内容は全くの別物。

ぎふチャンテレビの生放送には、「制作協力CBC」のロゴ。

一方、CBCテレビの録画放送には、「制作協力SBC、ぎふチャン、rkb」のロゴ。(SBCはCBCと同じ系列の長野の放送局、rkbは同じく福岡)

互いに協力しつつも、生放送と録画放送は何もかもが全く違うということから、効率よりも面子、そんな印象を受けました。

それでも、中日新聞の客員である高橋尚子さんが、ぎふチャンの番組に出演するということ自体に、雪どけを感じずにはいられませんでした。

かつて、両新聞社の対立する意地によって、岐阜市と同じように、花火大会がシーズン2回開催されていた関市では、広告収入などの面から、中日新聞と岐阜新聞の両方が加わった実行委員会形式で、花火大会は一本化されたという流れもあります。

昨年、岐阜市の2つの花火大会は、震災の影響もあり、両方が足並みをそろえて「中止」を発表しました。

岐阜市で夏に2回、この地方最大の花火大会が連続で開催されるという、新聞社同士の対立による恩恵は、そのうち無くなってしまうかも、しれませんね。

それにしても、中日新聞側も、このハーフマラソン大会については、主催を実行委員会形式にして、「中日新聞」という名を表には出さず、テレビ中継の画面にも、中日新聞の文字は見られないなど、岐阜新聞への配慮があったように感じられました。

一方で、十六銀行と岐阜新聞・岐阜放送が音頭をとって作った、金の織田信長像も、わざと映らないようにカメラワークをしていたような気もします。完全な雪どけには、程遠いですけど、完全な雪どけとなったとき、それは何を意味するのか…。

高橋尚子さんもそうかもしれませんが、ドラゴンズの監督・コーチ・選手などにも、岐阜戦略の力が働いてるとか働いていないとか…。

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コメント

  1. あざとし より:

    最初にタッグを組んだのは、多治見のFM PiPiだと思います。
    そして、Radio80、FMわっちと続いてきたんですね。
    いや、最初はテレビ愛知だったのかも。
    タッグとまではいえないかもしれませんが。

  2. >あざとしさま コメントありがとうございます
    出資に関しては前例がいくつもありますが、
    同じイベントを共催し、なおかつ、
    両紙がそれを同時に報じたことを持って今回はタッグと表現しております。

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