三重県の北勢地域でコミュニティFMに新たな2つの動きが

140312

いなべ公園から見たいなべ市中心部

菰野といなべがそれぞれ別の手法でFMをわが街に

市町村を単位として、地域に密着したラジオ放送を行う「コミュニティFM」この地方では、愛知県に10局、岐阜県には4局、そして三重県では3局が放送を行っていますが、三重県の北勢地域で2つの大きな動きがありました。どちらも「わが街にFMを」ということには違いないのですが、その手法は正反対なものでした。

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菰野町の場合は「中継局」

菰野町は、四日市市の北西に位置し、一般的には御在所岳や湯の山温泉と、観光のイメージが強い地域ですが、宅地も多く、人口は4万人と、三重県内では最も人口の多い町となっており、人口で比べると、鳥羽市や尾鷲市、熊野市の倍の規模となっています。

その菰野町で、エフエムよっかいち(FM PORTWAVE)の「菰野中継局」が6日、菰野町役場に開局したとのことです。

菰野町では、防災行政無線のデジタル化を迫られていたのですが、それをやめ、緊急割込放送設備を整備し、災害時は菰野町がFMよっかいちに割込んで放送を行い、町内の全戸に配布する防災ラジオによって、自動的にFMよっかいちの電波を受信することで、情報が各家庭に届き、防災行政無線の代わりをするというものです。

でも、FMよっかいちって、四日市市のためのFM局だよね?菰野町が割り込んじゃっていいの?と思いますよね。

実は、四日市市も以前は、災害時の緊急告知ラジオ局として、FMよっかいちを活用することにしていたのですが、市内に受信困難地域があるとして、また、中継局の設置も財政上難しいとして、その災害時緊急告知ラジオ局を、FMよっかいちから、県域局の三重エフエム放送(レディオキューブ・FM三重)に、変更すると、四日市市は昨年9月、決定したのです。そう、四日市市に切られてしまったんですね。FMよっかいち。

ちなみに、その、財政上設置が難しいと、四日市市が判断した中継局が、なぜ菰野町にはできたのか。それは、菰野町が約2億円を負担して、このシステムを整備したからなんです。なぜ菰野町は2億円が出せたのか。

それは、防災行政無線のデジタル化の試算、約20億円に比べたら全然安い!ということで、菰野町とFMよっかいちの思惑が一致したわけですね。

いなべ市は新規開局

一方、菰野町の真北にあるのが、いなべ市です。いなべ市は人口4万5千人強ということで、市ではありますが、人口規模では菰野町とそれほど変わりません。

以前から、いなべ市はコミュニティFMの設備について、市が予算を組んで発注しているという情報がありまして、それが、今年度中に完成するはずなので、もう開局では?と思ったら、動きがありました。

FMいなべ(仮)、今月はじめ、パーソナリティと技術スタッフの募集がありまして、なんと、オーディション会場は三重と都内の2ヶ所。東京から人材を発掘しようということでしょうか。「時給1,000円~」という条件で、いなべ市に引っ越してまで!という方がどれだけいるかわかりませんが…。

今月いっぱい局の愛称を募集してるようですし、開局は近そうですね。

ちなみに、市の資料によると、送信所はいなべ市藤原文化センター、周波数は83.0MHz、出力20Wということで、予備免許も出ていない段階で、この情報が出ているのは、珍しいことです。

83.0MHzですか。以前、FMいちのみやが、一宮を逆に読んで、83.1MHzを希望して却下されたなんて噂を聞きましたが、一宮で83.1はダメだけど、いなべで83.0はいいんだ。なんか、いろんな思惑を勝手に想像してしまいます。

※追記:実際には86.1MHzになりました

北勢市民会館にあります、NPO法人・いなべ市文化交流協会が、FMいなべ開局準備委員会となっている…ということは、局の設備は公設で、運営はNPOって感じでしょうか。
もしそうなら、この地方では初となる、NPOによる運営のコミュニティFM局となりますね。

3月1日に新生「エフエム岐阜」が放送を開始し、4月1日には「InterFM NAGOYA」が開局、FMよっかいち菰野中継局に、FMいなべと、この春はこの地方のFM電波に新たな波がいろいろやってきますね。

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