radikoのタイムフリーによって失われた岐阜のAMラジオの伝統

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ぎふチャン(岐阜放送)

いつでも聴きなおせるラジオ

 スマホやパソコンで民放ラジオを聴くことができるサービス「radiko(ラジコ)」。以前はラジオ放送をそのままストリーミングで聴けるだけのものでしたが、2016(H28)年10月に革新的な機能が追加されました。「タイムフリー」です。

 タイムフリーとは、過去1週間以内に放送されたラジオ番組を、後からいつでも聴き直せる機能。再生時間や再生回数にまだ制約はあるものの、聴きたい番組をいつでもどこでも聴くことができる、それはラジオ放送の概念を覆すものとなりました。

 ただ、それによって岐阜のラジオが伝統を続けることが難しくなったようで、普通になってしまいました。

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時報スポンサーのCMは時報のあと

 ラジオには時報スポンサーがいます。かつて有名だったところではCBCラジオや文化放送、MBSラジオの「スジャータ」は、すべての時間の時報スポンサーでした。

 そのスポンサーのCMが流れ→「○○が□時をお知らせします」→「ポーン」

 この流れは、スジャータに限らず多くのラジオ局が採用しています。ところが、岐阜は違ったのです。

社名をアナウンスした後にCMだから印象的

 岐阜県を放送エリアとする、ぎふチャンラジオの時報は、数十年という長きにわたって他局とは違う時報CMの方式をとっていました。

 「時報です○○が□時をお知らせします」→「プ・プ・プ・ポーン」→スポンサーCM

 まず、時報であることが宣言され、時には「時報です。お手元の時計をご確認ください」とアナウンスがあり、スポンサー名が紹介されて時報が鳴り、あらためてそのスポンサーのCMが流れるというものでした。

 そのため、聴取者はまず「もう□時」かと、ぐっと注意を引き寄せられたところで、スポンサー名が紹介され、そのあとにCMが流れることで、導入からそのスポンサーを意識する形となっていたのです。

タイムフリーによってブツ切りに

 ところが。radikoのタイムフリーサービスによって、これがブツ切りに。

 タイムフリーは番組ごとに分割されて配信され、聴取者は番組ごとに再生します。そのため、時報の鳴る毎正時が番組と番組の狭間となると、そこで分割されます。

 なので、タイムフリーで再生すると、「○○が□時をお知らせします」というアナウンスと、その時報スポンサーのCMが別の番組に分割されしまうという事態が発生してしまったのです。

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 そのためか、ぎふチャンラジオも他局と同様の時報形式になってしまいました。

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 あと「♪○時になったね」という、時報後に流れることを想定してCMソングを作っていたスポンサーが、時報提供からは降板し、時報のあとしばらくたってからのCM枠にCMを流すようになったりといったことも。

 ラジオが革新的に便利になった一方で、ひっそりと、数十年にわたるぎふチャンラジオの個性がひとつ、姿を消したのでした。

 それでも、エリアフリーサービス(月額378円)を利用すれば、全国どこでもぎふチャンラジオが、過去1週間の番組も含めて聴けるわけですから、その恩恵の方が多いのでしょうけれどもね。

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