朝鮮中央テレビが、正午から特別放送を行うと予告し、その内容が金正日総書記の死去だとわかると、NHK総合テレビのお昼のニュースはもちろんのこと、TBSテレビ(CBC)とテレビ朝日(メ~テレ)は特番体制に、日本テレビ(中京)とフジテレビ(東海)も速報を挿入、一方のテレビ東京(テレビ愛知)が、通常通りなのは想定内だったのですが、
三重テレビにチャンネルを変えたら…なんと!
「BREAKING NEWS」として、朝鮮中央テレビの映像を流しているではありませんか。あの、何があっても動じない、三重県で地震があってもいつもどおりの三重テレビが速報対応だなんて一体…。
実は三重テレビ、サブチャンネルでは毎日夕方に流しているのですが、週に一度だけ、月曜正午にイギリスからの「BBCニュースデイ」をメインチャンネルで放送しているのです。
メインチャンネルでは、週に一度、たった30分編成しているだけの「BBCニュース」その時間に、この速報がバッチリはまったのです。なんという運のよさ。三重テレビの強運ぶりに驚愕です。
さて、一方の、テレビ東京なのですが、いつものように即時対応はしなかったものの、この局が得意とする、「経済」への影響が大きいニュースであったためか、夜10時からの「未来世紀ジパング」を急遽生放送に変更。夕刊のテレビ欄では、「池上彰・緊急生放送!”金正日総書記死去”」と差し変わっていました。
テレビ東京は報道特別番組を組まない、ということが、インターネット上では広く知れ渡っていますが、それはかつて、他局と同じように特番を乱発して、報道の予算を使い果たしてしまった過去があるからなんですよね。
時は1995(H7)年、オウム真理教の関連ニュースが世の中を席巻し、各局がゴールデンタイムに特番を組み高視聴率。テレビ東京もその流れに追随し、夕方のニュース番組「TXNニュースTHIS EVENING」を連日拡大し、さらには、火曜ゴールデンワイドなど、2時間の旅・グルメワイドを、オウムの特番に差し替えと、今のテレビ東京からは信じられないほどの、報道特番攻勢を仕掛けたのです。
その結果。取材経費が膨れ上がり、4~6月の3ヶ月でTXNニュース基金が1,600万円を超える赤字を計上。10月末にはその赤字が7,500万円にまで達する事態に。結局、系列各局で5,000万円を負担という結果に…。テレビ東京が報道特番に積極的にならないのは、無い袖を振ってしまったオウムの時と同じ轍を踏みたくないからなのでしょうね。
テレビ東京は他とは違う。これからも、その立ち位置は変わらないで欲しい。ていうか、変わったらただのショボいキー局になっちゃうよね。
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