晩ご飯を作ろうと思って、冷蔵庫を開けたところ、目に入ったのが「ラーマ」。いつかは、惜しげもなくバターをトーストにぬりたくる生活を夢見てはいるのですが、現実はマーガリンです。
そこで、せめて、
「バターの風味」と大きく書かれたマーガリン「ラーマ」を愛用しているのですが、ふと、ラーマと聞いて、思い出したフレーズが、「ラーマ奥さまインタビュー」です。東京・名古屋・大阪と、あらゆるところに出没して、主婦にラーマのたっぷりついたパンを試食させ、
「なめらかですね」
「思ったより塩辛くない」
「他と全然違う」
などと、ラーマの感想を言わせ、それを流すというもの。
流れていたのは、昭和50年代でしょうか。これって「昭和のステマ」だよね?と書こうと思ったのですが、そもそもが「CM」なので、「ステ」ではなく「マ」でした。当時の商品名は「ラーマゴールデンソフト」その名前以上に、インタビュアーの押阪忍さんの声がソフトだったことを思い出します。「かるーいおいしさのラーマゴールデンソフト」
昔って、こういうタイプのCM結構ありましたよね。
「ブラウン・モーニングリポート」
「チャレンジジョイ!」
「エメロン・日本縦断ふりむき娘」
なんてのも思い出されます。
このラーマ奥さまインタビューは、次第にエスカレートし、「ラーマ」と書かれた専用のバスが登場したり、挙句の果てには「ラーマ」ロゴ入りのヘリコプターで押阪さんが登場するなど、過剰演出ぶりが笑えるほどとなり、お笑い番組でパロディCMが作られるほどに。
そして、ラーマが新しくなった際には、かつて奥さまインタビューでインタビューした奥さまを探し、新しくなったものを食べさせて、どう変わったのかを問いただすなど、ストーカーぶりまで発揮。
当時、ラーマは日本リーバ(当時)が製造していたのですが、ユニリーバに社名を変更したあと、ラーマブランドはJ-オイルミルズに譲渡され、現在はJ-オイルミルズからラーマは発売されています。
この経緯は一見、ユニリーバがラーマブランドを捨てて、それをJ-オイルミルズが拾ったかのように見えますが、もともと、日本リーバというのは、ユニリーバと豊年製油の合弁会社「豊年リーバ」が社名を変更したもので、その製油部門がラーマを製造していたわけです。
日本リーバから豊年は撤退。ユニリーバは単独でユニリーバとなり、豊年製油はホーネンコーポレーションとなり、味の素製油などと合併しJ-オイルミルズへ。つまり、ラーマは、ユニリーバから豊年に帰ってきたというわけです。
でもきっと、あの奥さまインタビューのCMセンスは、「チャレンジジョイ!」にも似通ってるし、J-オイルミルズが奥さまインタビューをやることは無いだろうな…。と、オチを付けようと思ったら、
ジョイはユニリーバじゃなくてP&Gだったでござる。
コメント
そう言えば、現在のJオイルの前身企業のひとつ・味の素(製油)でもかつて「マリーナ」というマーガリンが売り出されていましたね。実はこの商品、後に何と日本リーバに販売権が移ったそうです。
日本リーバから豊年の資本が撤収するより前にマリーナも製造中止となったとのことで、味の素としては、いわばラーマブランドでのマーガリン市場再参入という形と言えるでしょう。
>うみがめさま コメントありがとうございます
あくまでもこの記事は、
「ラーマ」を振り返るという視点で書きましたので、
マリーナについては特に触れるつもりはありませんでした。
今でも、ラーマにはユニリーバロゴが入っていますね。