テラスウォーク一宮オープン「新生ユニーの新たな取り組みを集約した旗艦店」とは一体何なのか?

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先週の金曜日、一宮市に新しいショッピングセンターがオープンしました。「テラスウォーク一宮」です。この「○○ウォーク」という名の付けられたものは、我らが地元・ユニーの運営するショッピングモールで、ひとつだけウォークという名がついていないところもありますが、ユニーのショッピングモールは全国に9つあります。

そのうちこの地方には、大垣市の「アクアウォーク」、名古屋空港の「エアポートウォーク」、稲沢市の「リーフウォーク」、緑区の「ヒルズウォーク」と、既に4つあるわけですが、今回オープンした「テラスウォーク」について、運営会社であるユニーは「新生ユニーの新たな取り組みを集約した旗艦店」という位置づけをしています。一体何が「新生ユニー」なのかを、考察してみます。

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1.消えた「ユニー」

現在は会社名としてだけ残っている「ユニー」ですが、かつてはその名をつけたショッピングセンターが各地にあり、名古屋っ子は幼い頃から「ハレの日はユニー」という楽しい記憶が刷りこまれてきました。しかし、この地方にもイオンの巨大で新しいショッピングセンターが次々と誕生し、ユニーは「アピタ」という業態で対抗するものの、「ユニー」店舗の昭和の頃から変わらぬロゴと店の雰囲気は、いつしか社にとって足枷のように感じられていたのかもしれません。

かつて、ユニーは2009(H21)年まで、下記の様な業態で構成されていました。

○○ウォーク…巨大ショッピングモール
アピタ…80年代以降に誕生した駐車場完備のテナントもある大型総合スーパー
ユニー…70年代に合併して誕生した都市型と郊外型の両方があるテナントもある大型総合スーパー
ラフーズコア…食品に特化した高級イメージもある食品スーパー
ユーストア…子会社ユーストアが運営していた食品スーパー

これが、大きく集約されるのです。

アピタはアピタとして残されるのですが、子会社であるユーストアとユニーが合併したことをきっかけに、ユニー、ラフーズコア、ユーストアの全てを「ピアゴ」としたのです。これが、今思えばユニーのブランドイメージを大きく左右する出来事となったのです。

2.大型総合スーパーと食品スーパーが馴染みの無い同じ名前に

ここでポイントになるのは2点。「ユニー」というお店が無くなってしまったことと、かつてはアピタと同じ立ち位置であり、古いというだけで、テナントもある大型総合スーパーであったユニーのほとんどが、食品スーパーでしかないユーストアと同じ「ピアゴ」という名前にされてしまったことです。

もともと、高年齢層はアピタよりもユニーを好んでいたことから、「ユニー」の名が消えてしまったことに戸惑いを覚えただけでなく、幼い頃からユニーに親しんできた名古屋っ子にとっても、ユニーの名が消えて、ピアゴになってしまったインパクトは大きく、ユニーの最大のアドバンテージであった「地元だからこその愛着」に大きな影を落とすことになってしまうのです。

さらに、かつてのユニーはアピタ寄りの店舗構成にもかかわらず、ユーストアと統一されてピアゴになってしまったことで、ショッピングセンターからスーパーへと、印象が格下げされてしまったのです。

3.一宮店への特別な思い

今回、「テラスウォーク一宮」がオープンした場所にはかつて、「サンテラス一宮」という名の「ユニー一宮店」がありました。このお店は、屋上看板にゾウのイラストが描かれていたことから「ゾウさんユニー」の愛称で親しまれてきました。オープンしたのは1975(S50)年。その年は、複数あった企業が合併し、ユニー株式会社が誕生した年、しかも、このサンテラス一宮は「日本初の郊外型大型ショッピングセンター」でもあったのです。

そのため、ユニーの名称が廃止された際にも、このユニー一宮店はピアゴにならず、アピタ一宮店として残されたのです。そしてそのユニー一宮店が今回「新生ユニーの新たな取り組みを集約した旗艦店」として生まれ変わったというのですから、その意味は今後のユニーにとって大きな方向性を指し示すものとなるわけです。

4.テラスウォーク一宮から感じたこと

テラスウォーク一宮に行ってみますと、実は「拍子抜け」します。エアポートウォークや、リーフウォークを知っていると、「え?これでウォーク?」と思わず声が出てしまうかもしれません。でも逆に、そこが狙いなのでしょう。

要はこのテラスウォーク、幼い頃に見たあの「ユニー」の現代版なのです。

イオンの進出によって、ユニーは翻弄されました。あちらはとにかく大型の新しいショッピングセンターを次々と開店させ、ユニーは対抗店舗としてアピタを強化、さらにはショッピングモールのウォークを開発し、大きく、大きくで張り合ってきました。

そこで、ごっそり抜けてしまったのでしょう。「ユニー」の魅力であったはずの、身近でありながらも品揃えのいい、使い勝手のいいショッピングセンターという発想が。

かつてのユニー店舗を、ユーストアと同じ業態に押し込み、独自の業態名も持たせず、さらにはピアゴという馴染みの無い名前にして、ユニーという歴史と伝統と思い入れのある名称も消してしまった。

それによってその、巨大ではないけれども、そこそこの大きさで使い勝手のいいショッピングセンターという、ユニーの最大の魅力であり、親しみであったものをあえて全て消し去ってしまった…。

その復活が、この「新生ユニー」である「テラスウォーク一宮」なのだと、私は理解しました。

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まず「テラスウォーク」という名前、かつて「サンテラス○○」というユニー店舗を知る世代には、ピンと来るものがあるでしょう。そしてこの、テラスウォークのイメージキャラクターはピンクのゾウ、しかもあの、サンテラス一宮にいたぞうさんユニーのゾウさんの孫娘という設定でなのです。

そう、つまりこれ、ユニーが、帰ってきたんです。それが「新生ユニーの新たな取り組みを集約した旗艦店」である「テラスウォーク一宮」なのですね。イオンに張り合うのではなく、ユニーはユニーの魅力で戦う。

私たちにとって、幼い頃の楽しい買物の記憶の場が常にユニーであるように、次の世代の名古屋っ子の、心の琴線に触れるショッピングセンターであり続けてくれることを、これからの新生ユニーに期待します。

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この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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