東海テレビの番組をテレ朝がネタとして取り上げたことで感じた「フジネットワーク」の今と昔

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ヤッパくん(東海テレビ)

「怒り新党」の新・3大○○調査会

 少し前のことになりますが、先月21日にテレビ朝日系列で放送された「マツコ&有吉の怒り新党」で、東海テレビの生ワイド番組のワンコーナーが紹介されました。

 この番組には「新・3大○○調査会」というコーナーがあり、ある特定の分野について、その分野のエキスパートがトップ3を決定し、それを政見放送風のテロップとナレーションで紹介するものです。

 このコーナーではテレビ番組が紹介されることも多く、普段から、系列や時代を問わず、過去のアニメやドラマ、情報番組から「新・3大○○」として名・迷シーンをピックアップし、マツコ・デラックスさんと有吉弘行さんがコメントで盛り上げます。

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紹介されたのは「旅人照英」

 今回紹介されたのは、「新・3大『旅人 照英』での突然入る涙スイッチ」。

 名古屋・東海テレビでかつて放送されていた情報番組「ぷれサタ!」のワンコーナーであった「旅人 照英」のなかで、照英さんが見せた号泣シーンが特集されたのです。

 近所の子どもたちのためにと揚げられたコロッケを食べて号泣、銭湯のマッサージ機に座りながら祖父を思い出して号泣、ひきずりと呼ばれるこの地方名物の鶏のすき焼きを食べて号泣と、照英さんの人柄がよく表れたシーンを抽出。

 有吉さんに何を言われようと、マツコさんはその様子に絶賛していたのでした。

 インターネット上では、照英さんのコラ画像は根強い人気があり、これまで名古屋だけが素材が豊富と噂されていたことが、この番組によって、実際に証明されるということにもなりました。

現在もコーナーは名前を変えて続いている

「旅人 照英」のコーナーは当時から東海地方では人気が高く、「町の人に書いてもらった伝言板を頼りに照英が旅した珍道中。人との触れあいあり、グルメあり、城や大木あり(!?)。そして照英の往くところ笑顔が溢れる!東海地方でしか見られない、旅番組の書籍化」という売り文句で2012(H24)年には書籍化を果たし、厳選した4本を収録したDVDとセットで発売されました。

「ぷれサタ!」は2013(H25)年春に終了。ところが、人気の高かったこのコーナーだけは継続となりました。それまでは、駅を訪れて、駅にあらかじめ設置しておいたコーナー用の伝言板の情報をもとに街歩きをしていた「旅人 照英」のコーナー。それが、東海地方に眠る町のお宝を発掘する「お宝 照英」のコーナーに模様替えし、日曜昼の「スタイルプラス」のなかで今も放送されています。

かつてこういう手法が得意がだったのって…

 ここで、皆様に一番訴えたいのは、東海テレビはフジテレビ系列だということです。

 名古屋でこの「怒り新党」を放送しているのはメ~テレ(名古屋テレビ)。コーナー名が変わっているとはいえ、メ~テレにとっては、事実上他局の名物コーナーを面白おかしく紹介されたようなもので、他局の番宣をキー局にやられてしまったわけですから、苦笑閉口といったところでしょう。

 ここで一つ確実にいえることは、フジテレビは一体何をしているのだろう…ということです。

 かつてフジテレビは、FNS(フジネットワーク)系列の一体感を全面に押し出し、系列局各地の名物番組や、名物映像をピックアップするのが得意で、フジテレビ系列各局の多彩さというものを感じられる特別番組を、面白おかしく料理して、火曜ワイドスペシャルでよく放送していたものです。

 最近、そういうのって見かけませんよね。せっかくフジテレビ系列の地方局が名物コンテンツを作っていても、フジは見向きもせず、系列でないテレビ朝日が全国向けに面白おかしく料理して取り上げるとは、皮肉なものです。

 今回の現象をどう見るか。テレビ朝日が、他系列の地方局の名物コーナーまで拾い上げるリサーチ力を持っていると見るか、東海側の誰かが、自らのキー局にため息をつきながらテレビ朝日を選んで売り込んだと見るか。

この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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