ココストア
ファミマとサークルKサンクスが一緒になるという構図
名古屋に激震が走った、ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングス経営統合へ…というニュース。地元の中日新聞では毎日動向が報じられ、消費者だけでなく、この地方の流通、卸売、製造メーカーにどのような影響があるのか、そのメリットと懸念の両方が続々と見通されていきました。
ただ、アピタ・ピアゴといったユニーのスーパー業態について報じているのは名古屋メディアばかりで、全国区視点ではやはり、コンビニエンスストア3位の「ファミリーマート」と、4位の「サークルKサンクス」が一緒になって2位になり、セブンに対抗するという構図なわけです。
ファミリーマートと、サークルKとサンクスが一緒になったら、新コンビニ名はどうなるのだろう…、そんなことが全国区メディアで報じられる中で不穏な動きが。
ココストアも持っていくのか…
朝日新聞が、ローソンとココストアの買収に向けて交渉していると報じると、ほぼ時を同じくして日刊スポーツが、ファミリーマートがココストアの買収を検討していると報じ、そこには、既にローソンは条件が折り合わなかったと書かれており、ファミリーマートがココストア「も」一緒にするということがわかりました。
ココストアも、サークルKサンクスと同様に、名古屋を中心としたこの地方を地盤とするコンビニです。しかも、諸説ありますが、日本初のコンビニとして愛知県春日井市に誕生したと自称しており、その店舗には今は記念碑が建てられているほどです。
もともと、酒の盛田が中心となって、酒販店をコンビニに転換する形ではじめたものであり、他のコンビニチェーンに比べると、営業時間も短く地味であった一方で、店内調理などオリジナリティ色も濃く、独特な立ち位置のコンビニとして存在していただけに、これには驚きました。
もしこれが実現すれば、名古屋を地盤とする2つのコンビニチェーンが同時にファミリーマートと一緒になることとなります。
かつてあったココストアの優位性
ある世代以上の方であれば、「あ、ココストアに行けば売ってるわ」と思いたったことがあるのではないでしょうか。
かつて、お酒の販売にはかなりの制約がありました。特に2001(H13)年までは距離基準があり、既存酒店から一定の距離内には、新たにお酒の販売店を出すことができませんでした。そのため、新規のコンビニチェーンではお酒を扱うことができず、大手のコンビニにはビールなどお酒は一切置かれていませんでした。
ところが、「ココストア」は、もともと街の酒屋さんがコンビニに転換したものですから、お酒がメイン商品。唯一の「お酒のあるコンビニ」という立ち位置は、たとえ営業時間が24時間でなくとも、他のコンビニに対して優位だったのです。
しかし、規制緩和の流れはとめられず、距離基準も人口基準も廃止され、免許制は維持されているものの、どのコンビニでもお酒は販売できるようになり、「よそにはないお酒のあるコンビニ・ココストア」という立ち位置は消滅してしまうのです。
ファミリーマートの狙いを想像してみる
ファミリーマートは、サークルKサンクスをもつユニーと統合協議をするタイミングで、ココストアも買収をするという意向をほぼ表明しているわけです。これは何を意味するのでしょうか。中日新聞や他のメディアに小さく書いてあった、ここが引っかかります。
「ファミリーマート側はファミリーマートを維持したい」
「現時点で一番店舗の多いブランド名に統一すれば、看板などを直す経費が浮く」
最初に書きましたが、ファミマとユニーの統合という形だけだと、統合によって新ブランドのコンビニを…という考えになりますが、そこに、ココストアの買収を一緒にすることで、相対的に主導権がファミマになる…それを狙ったのではないでしょうか。
ファミマ側にしてみれば、サークルKサンクスと統合ではなく、ファミマがサークルK、サンクス、ココストアを吸収する形にしたい…。そんな思惑が、このタイミングでのココストア買収にある気がしてなりません。
まだまだ、実際の交渉はこれからになるようですが、新コンビニのブランドがもし「ファミリーマート」のまま、だったら、ああ、そういうことだったんだな、やっぱり、と思うことでしょう。
かつて、コジコジがアニメ化された際、名古屋はCMが全部ココストアで、ココストア1社提供でしたね。
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