愛知北エフエム放送(愛知・犬山市)
全番組の放送終了することに
愛知県犬山市にあり、扶桑町と大口町を含め、愛知県北部をカバーする地域ラジオ局「愛知北エフエム放送」は8月1日、全番組の放送を完全に終了すると発表しました。
ホームページに記載されると同時に、放送でも告知が行なわれ、この局は局からのお知らせ枠にもスポンサーがついているため、番組の放送を終了する告知、インフォメーションにスポンサーがついているという状態になっています。
この春から、土日の番組制作が大幅縮小となっており、局の公式サイトにある番組表の担当者欄に「Coming Soon」の文字が見られるようになるなど、不穏な空気を感じていたところ、この発表となりました。開局10周年を迎えたところでの放送終了の告知という流れは、かつてどこかであったような気がします。
愛知北エフエム放送とは
愛知北エフエム放送は、2006(H18)年7月7日に開局。開局当時に取材をさせていただいていますが、当初は「まちの放送室」という愛称で、あえて純民間で、地元住民や地元企業が気軽に参加できる放送局、FMやAMといった概念を越えた放送局という立ち位置での開局でした。
完全な純民間ということで、近隣の地域ラジオ局に見られる行政情報番組などは見かけず、バラエティに富んだ放送内容となっていました。犬山の城下町にオープンスタジオを構えていたこともあり、他マスコミでも取り上げられることも多く、テレビ東京の番組などでも登場していた記憶があります。
3年前に大転換
そんな愛知北エフエム放送が大きく転換を図るのが、2013(H25)年のことです。それまでの「まちの放送室」という愛称から、「United North」に改称。愛称を変えただけでなく、番組内容もガラッと一新。
翌年には、インターネットを通して全世界に配信されるようになり、それを意識した番組編成に。
どういったものかといいますと、全国どこに住んでいる人が聞いても耐えうるクオリティの音楽とトークを目指しているという姿勢が感じられるものとなりました。内容も生活の知恵からトレンド、芸能ニュースまで幅広く扱っており、それは逆に一方で、地域情報は皆無ということでもありました。
行政からの支援も無いなかで、模索して出したものが、全国での聴取に耐えられる内容にすることで、全国からのスポンサー獲得を目指した…だったのでしょう。
開局10周年をもって放送終了
地域ラジオがどう生きていくのか、これはいまだに正解が語られることの無い業界です。その地域においてラジオ局がどのような立ち位置にあって、地域が何を求めているのか、地域からどうお金をいただくのか、それはまさに千差万別。「これをやればいい」はありません。逆に、それがあるならどの局もそれをやるでしょう。
そんななか、愛知北エフエム放送が目指したのは、インターネット配信の最大の活用だったように見受けられます。
しかし、この9月20日をもって番組の放送を完全終了。会社は存続する方針とのことですが、同様に、かつて番組の放送を終了し、会社のみ存続した隣接地域の「かにかも放送」は結局、免許不更新で廃局となりました。
また、地域ラジオ局ではありませんが、名古屋市にあった愛知国際放送(RADIO-i)も、思えば開局10周年を迎えて、閉局となったことを思い出しました。
行政はなぜ頑なに手を差し伸べないのか。
ここの社名とともに、いろんな単語を並べて検索していただくと、放送内容だけの問題ではないのかなという気もします。検索結果先の真偽につきましては全く関知しませんので、各自でご判断いただければと思います。
※11月1日にそれまでとはまた別の新たな体制にで放送を再開しています
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