オークローンマーケティングとプライム。外国の商品を販売する通販会社としてこの2社はしのぎを削っていますが、両方とも名古屋市内に本社を構えています。しかもオークローンは中区丸の内、プライムは東区代官町と程近いところにあります。
通販で主力となるのがテレビショッピングです。これまではオークローン・プライムともに、系列に属さない独立UHFテレビ局を中心に地上波テレビ局各局や、BSデジタル放送の放送枠を買い取って通販番組を流していました。
プライムは更なる成長を目指し、この夏媒体戦略を強化しました。他社ではジャパネットたかたが実施していましたが、8月からプライムもCSのスカイパーフェクTVで専用チャンネルをスタートしました。ここまでは他社の後追いだったのですが、プライムは8月30日、次の展開を発表しました。
それは、京都市に本社を置く経営再建中の京都放送(KBS京都)への資本参加でした。同日、プライムはKBS京都の発行済み株式の2.5%を取得しました。今後は通販番組の共同制作などを行っていく予定とのことです。
今、地上波テレビ局はデジタル化によって数十億円の多大な費用負担を迫られています。さらにしばらくの間はアナログ・デジタル両方の放送を行わないとならないため、運用費用もかなりかかります。特に系列に属さない独立UHF局にとっては設備投資費用の工面だけでも大変なのにもかかわらず、独立UHF局のある地域は大手局が早い時期にデジタル放送をスタートさせていることから早急なデジタル化を迫られています。
KBS京都も来年4月のデジタル放送スタートを予定していますが、この会社は過去イトマン事件に関与していたことから経営が悪化し、ずっと再建中です。その環境でありながらデジタル化をしなければならないということで、こういう展開になったと思われます。
今まではスポンサーとして通販会社に助けられていた独立UHF局ですが、資本参加という形でこれからさらに密接になっていくのかもしれません。さらに通販番組の比率が増えるのかもですね…。
(メルマガ第42号より)
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