桃花台新交通 ピーチライナーの今後のあり方について意見交換

地下鉄名城線環状線化、あおなみ線・リニモ開通と愛・地球博に向けて新しい公共交通が整備されるなかで…という話題です。

名古屋市の北にある小牧市。名古屋のベッドタウンとして、そして工業の街として約14万人の人が暮らしています。そのうちの約3万人は市の東部にある桃花台ニュータウンの住人です。桃花台ニュータウンは1979(S54)年に宅地分譲を開始し、その翌年入居が開始されました。市の中心部からは離れた山間部で、名古屋からの電波が届きにくいために、桃花台ニュータウン専用のテレビ中継タワーも建設されるほどのところで、交通手段はバスのみという状態でのスタートでした。

モノレールによる交通システムを整備する計画は、都市計画の当初からあったのですがそのために桃花台新交通株式会社が設立されたのが、宅地分譲を開始した1979(S54)年。桃花台新交通「ピーチライナー」小牧駅−桃花台東駅間が開通したのはそれから12年後の1991(H3)年のことです。

ピーチライナーは県46%、小牧市・名鉄が各10%出資する第3セクター。当初の想定利用者数1日12,400人に対し、実際の利用者は2割に満たない状況で、累積赤字は約58億円にも上ります。ピーチライナーが小牧駅で接続する名鉄小牧線は名鉄の盲腸線で、名古屋市中心部に接続されておらず、利便性が良くないことがピーチライナーの利用者が少ない原因として挙げられていましたが、名鉄小牧線が名古屋市営地下鉄と2004(H16)年10月に接続されても黒字の目処がたたず、今後のあり方について今月8日、桃花台ニュータウンの住民有志が初めて話し合いの場を設け、市や桃花台新交通の担当者と意見交換をしました。

このピーチライナーについては当初、高蔵寺や名古屋空港への延伸という壮大な計画もあったのですが、空港自体もメインでは無くなりますし、もう今更延伸という話どころか、廃線の危機に直面しています。

この話題を聞いてさっそく心配になったことがあります。昨年10月に開通した、ピーチライナーと同じく第3セクターの「あおなみ線」。名古屋駅と金城ふ頭を結ぶこの路線については、このメルマガでも特集しました。

名古屋市は開業から約1ヶ月後の11月、市民2000人を対象にアンケートを行いました。回答は1005人。結果は「あおなみ線を知っている」が90.3%なのに対し、「利用したことがある」は10.9%と低い数字となりました。

朝夕のラッシュ時でも、それほど混雑していないという話も私は聞いています。あおなみ線の将来がピーチライナーにならないよう、住民で公共交通を支えるという意識が必要だと思いますし、需要を拡大する策を市は検討する必要があるのではないでしょうか。セントレア(中部国際空港)まで延伸となればかなり利用価値が高まると思うんですけれど、それはちょっと無理かな。

この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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