ここ3年間で5つの支店を廃止した中京銀行が方針を一転。西三河地区と名古屋駅などに新規出店を検討していることがわかりました。
名古屋市に本店を置く第二地方銀行の中京銀行は現在、名古屋市内に40、市外の愛知県内に29、三重県内に18、奈良県に5、他東京、大阪、静岡に各1店舗という構成になっており、どちらかというと名古屋から西にネットワークが広がっています。名古屋の東側、トヨタの関連会社が集積する西三河地区には豊田、岡崎、刈谷、知立のわずか4店舗しかなく、また名古屋駅前は今後開発計画が目白押しであり、名古屋に本店を置く金融機関としては看板を掲げたいのも頷けます。
出店が実現すると、1992(H4)年12月に設置した高蔵寺支店以来13年ぶりとなります。
しかし、西三河地区が手薄になっているとは言っても金融機関が空白なわけではなく、岡崎信金、碧海信金といった全国トップクラスの預金量を誇る有力信金がしっかり押さえている信金王国です。いかに信金王国かということを、金融機関の規模を示す預金量で単純に比較してみます。碧海信金は中京銀行と同程度、岡崎信金に至っては中京銀行よりも1兆円も多い預金を獲得しています。
中京銀行はUFJグループで、以前から東海銀行の子分というイメージの強い銀行です。今後そのイメージを払拭し、どこまで独自色を出せるかが中京銀行の課題と言えそうです。新規出店をしても、他銀行から顧客を奪わなければ業績は上がりませんからね。
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