静岡県天竜市に本社を置く天竜浜名湖鉄道が、株主総会で2004(H16)年度の営業報告を行いました。昨年度の輸送人員は前期比4.2%減の約181万4千人。旅客収入は4.5%の減少で4億1,921万円となり、純損益は5,013万円の赤字となりました。
遠州天竜船下り事業も、浜名湖花博の開催によって乗船者数が前年度比40.9%増となったものの黒字化とはならず、さらに通学定期利用者の落ち込みも大きく経営は厳しさを増しています。今期はさらに経営の合理化と営業力の強化を図ります。
一方、JR高山線の猪谷駅と奥飛騨温泉郷を結び、岐阜県飛騨市を走る神岡鉄道は廃線を決めました。三井金属の子会社である神岡鉱業がこれまで神岡鉄道の貨物輸送を利用してきましたが、2004(H16)年10月にトラック輸送に切り替えたことにより、神岡鉄道は収入の8割近くを失いました。
神岡鉄道については、東京の旅行会社や、フランスのコネックス社が経営委譲を飛騨市に申し入れたものの交渉は立ち消え状態になっています。そんななかでの廃線の決定。取締役会は存続の可能性を検討することは妨げないとの方針を示していますが、現状のまま交渉が進まなければ、2006(H18)年いっぱいで廃線となります。
日本の第3セクター路線として2番目に開通した神岡鉄道。このままですと、21年で幕を降ろすことになります。ちなみに資本構成は岐阜県が19.6%、飛騨市が15.6%、富山県が5.9%、高山市が4.0%、富山市が3.9%、そして筆頭株主は三井金属鉱山が51.0%です。完全に三井金属鉱山に振り回されていますね。でも無い袖は振れぬ、それが民間企業です。
でも、官だからといって無い袖を振られまくるのも困り者ですが。
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