テレビ愛知が夕方にスラムダンクの再放送を開始・あの伝説の「マンガのくに」再来か?

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テレビ愛知(名古屋・中区)

名古屋では未放送のアニメを放送

 テレビ愛知には、月曜から木曜の夕方5時30分に「トワイライト☆アニメ」という番組枠があります。今年の4月1日から設けられたもので、ローカル編成となっています。テレビ東京系列は、午後5時13分から6時まではローカルセールスとなっており、系列各局は自由に編成ができる時間帯です。

 そんな、トワイライト☆アニメで4月から放送されたのが「黒子のバスケ」

 第1期から第3期までを一挙放送しました。黒子のバスケは、2012年春、2013年秋、2015年はじめにそれぞれ本放送されていますが、名古屋では地上波の放送がありませんでした。

 そのため、テレビ愛知では「初放送」「新番組」という扱いにて放送され、8月10日に放送を終えました、そして、続いて始まったのがまさかの…。

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20年前のアニメを再放送

 8月11日から、このトワイライト☆アニメの時間にスタートしたのが「スラムダンク」です。

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 バスケアニメからバスケアニメへのリレーですが、ここ数年で放送されたばかりの黒子のバスケと違って、スラムダンクは、もう20年も前のアニメです。もちろん、ハイビジョン制作ではなく画角も4:3。両端には黒いサイドバーが。

 スラムダンクは、テレビ朝日制作のアニメでしたから、もちろん系列の名古屋テレビ(現:メ~テレ)で放送されました。ただ、こちらもテレビ局が違いますので、テレビ愛知では「[新]スラムダンク」となります。

 夕方の5時30分に昔のアニメの再放送。かつてはどの地方のどのテレビ局にもよくあった編成ですが、少子化によってあまり見かけなくなったので返って新鮮です。

 しかもテレビ愛知は、このスラムダンクの放送に当たって、告知CMを大量投下。この「再放送」に勝負をかけている感があります。

かつて大人気だった「マンガのくに」

 テレビ愛知にはかつて、ドル箱だったアニメの再放送枠がありました。開局した1983(S58)年9月1日から1996(H8)年3月29日まで放送された「マンガのくに」です。

「マンガのくに」は、午後6時30分から6時57分までの枠で、当時は他局はどこもニュース番組。テレビ愛知だけがアニメを流しているという状況で、しかも、作品の選び方も絶妙で、他局のアニメの再放送にもかかわらず、視聴率20%を獲得し、中日新聞の視聴率ランキングに登場したこともありました。

 当時の大人が懐かしがる作品も多く、この時代に子どもだった名古屋の団塊ジュニア世代は「まんがのくにとともに育った」と言っても過言ではありません。しかも、生まれる少し前の作品も多く、名古屋のアニメ好き団塊ジュニアは、なぜか昭和40年代のアニメも知っているという状況を作り出しました。

テーマソングはほとんどカット

 ただ、ドル箱だったことと、当初は57分枠だったこともあり、次回予告どころか、オープニングもエンディングも流さずに全ての時間をCMに充て、流れるのは本編だけ、たまにオープニングかエンディングの片方だけは流すという酷い放送形態ではありましたが、それでも当時の子どもたちにはありがたい存在でした。

 マンガのくにと一緒に放送されていた「ちびっこ展」が終了し、1991(H3)年に放送枠は30分化されるのですが、増えたのはCMだけで相変わらずオープニングやエンディングはカットされることが多く、アイキャッチとアイキャッチの間のCMが4~5分なんてこともありました。

 今、手元に残っているビデオテープを見ると、1992(H4)年に放送された「宇宙船サジタリウス」は当初、オープニングもエンディングもカット。終盤になってエンディングだけが放送されたという形。また、1994(H6)年に放送された「ミスター味っ子」は、エンディングはブルーバックに主要スタッフがテロップで表示されて30秒で終わりといった、まあ、とにかく、CMを詰め込めるだけ詰め込んでいました。

 それだけ、スポンサーがついていたということですね。

マンガのくにの移動・消滅

 テレビ愛知が「マンガのくに」を始めた当時は、テレビ東京も同様にこの時間に「マンガのくに」という枠を設定していた(放送作品は全く別)のですが、次第にテレビ東京は制作力をつけ、1989(H元)年の秋から、新作アニメを放送するようになります。

 しかし、テレビ愛知はそれに追随することなく「マンガのくに」を継続します。

 そのため、テレビ東京が午後6時30分に放送する新作アニメ5本は、火曜19時、火曜19時半、土曜19時、木曜朝7時台、金曜朝7時台に振り分けられることになります。

 5本のうち3本はゴールデンタイム、2本が朝です。朝になった場合、左上に時刻(連続時報)が表示されてしまうため、当時のアニメファンは、自分の見たい、録画したいアニメがゴールデンの3本になるか、朝の2本になるかで戦々恐々としていました。

 前評判がいいとゴールデン、前評判がイマイチだと朝ということで、当時、テレビ東京では水曜午後6時30分に放送された「新世紀エヴァンゲリオン」も、テレビ愛知では木曜朝7時35分の放送でした

 時代の波には逆らえず「マンガのくに」は、エヴァが放送されたのと同じ年、1996(H8)年の春に終了します。

 しかし、アニメの再放送は無くなったわけではなく、午後3時に「マンガのひろば」として継続されたのですが、思うような結果は出せなかったのか、ひっそりと終了。それ以降、平日の帯でのアニメ再放送枠はテレビ愛知から消えました。

マンガのくに復活となるか

 それが今「トワイライト☆アニメ」として、颯爽と復活したのです。しかも、20年も前のアニメを放送するという英断。さすがに今は、オープニングやエンディングを潰してCMを流すほどにスポンサーはついていないようです。

 まあ、視聴率20%を獲るということもないでしょうしね…。

 ただ、このトワイライト☆アニメが、今の名古屋のアニメ好きな子どもたちにとって、選択肢となり得るのは大きいですよね。

 東京のように、昔のアニメもたくさん再放送するTOKYO MXのような独立局は名古屋にありませんので、MXには到底及びませんが、平日夕方に昔のアニメが再放送されているという状況自体を、懐かしく思います。

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