「笑って生きて」を見て

昨日、テレビ愛知とテレビ東京で放送された、認知症をテーマにした番組を見ました。「笑って生きて」です。

認知症となり、体も不自由となってきた瑞浪市に住む90歳のおばあちゃんが、瀬戸市の老人ホームに入所する姿を追ったドキュメンタリー番組でした。そのホームを経営するのは、30歳の加藤さん。かつては大規模な老人ホームに勤めていたのですが、認知症のお年寄りが「笑顔」で過ごせる理想のホームを作りたいと独立し、今は4つの施設を経営されています。

番組を見た感想ですが、実にテレビ愛知らしい番組でした。

認知症という重いテーマを扱っているにもかかわらず、決して深刻な雰囲気を漂わせることなく、また、ウェットでもセンセーショナルでもなく、現実をそのままスケッチすることで、言葉ではなく、映像で、問題提起をうまく表現していました。

番組の締めくくりも、あえて「わかりません」と結ぶことで、押し付けではなく、視聴者自身に、そのことについて考える機会を与えてくれる形となっていました。直面する問題や数字を淡々と紹介した後で、認知症のお年寄りが見せる、心底嬉しそうな表情。

それだけで、何が今問題なのか、何を考えなければならないのか、伝わってきました。

視聴率競争をあえて度外視した作り。それでいて、公共放送にはないほんわかした雰囲気。テレビ愛知と言いますと、少し前に残念なことがありましたが、こういった、当たり前のように身近に存在している問題なのだけれども、普段はなかなか目の届かない、大きなテレビ局ではなかなか拾い上げられないことを、切り取って、視聴者に届けてくれる、そんなドキュメンタリーを、昔からよく作ってくれていると思います。

これからも期待しています。

欲を言えば、こういった特番だけではなくて、かつての「マイユウ」や、昔の「5時ですテレビ愛知ニュース」のように、夕方のニュースが30分あって、日々の特集でこういうスケッチがあると、いいのですけどね。

この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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