ビデオテープをデジタル化しながら90年代のCMに思う

140614

スリーエフのビデオテープ

データ化すればほんとすっきり

ビクターのビデオデッキを修理に出しまして、無事、直って戻ってきました。引き続き、ビデオテープのデジタルデータ化作業をすすめておりまして、仕事中、BGM代わりに90年代のビデオテープをかけているのですが、当時のテレビCMって、結構刺激的なんですよね。

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たとえば、ある自動車メーカーの、「今、試乗すると音声カーナビ体験ができます!」というCMで、野球選手が試乗体験を実際にするのですが、助手席に乗った販売員の女性が「試乗車には音声カーナビがついてるんですよ!」と言い、延々と直進の橋を走らされ、

「5キロ以上道なりです」
「5キロ以上道なりです」
「5キロ以上道なりです」

とナビに案内されて、「ねえ、ねえ、これ、便利なの?」というオチで終わるというものがありました。まず、このオチのセリフ、今だったらNGじゃないでしょうか。

カーナビ体験が売りなのに、「ねえ、ねえ、これ、便利なの?」ですからね。しかも、実在のカーナビが映っていますから、カーナビメーカーをdisってることになります。

そもそも、カーナビ体験を兼ねた試乗体験なのに、なんでそんな延々と直進の橋を走らせた?なんて無粋なことを言われかねません。

さらに、このCMには、「※CM上の演出です」なんて文字はないわけです。

でも、このCMを見て、「カーナビdisってるな」なんて発想がもう、今の時代なわけですよね。延々と直進の道を走らされてるから、それがCM上の演出であって、カーナビをdisってるわけではないよ、その説明をしないといけないのが、2010年代な感覚なわけですよ。

となると、そんなまわりくどいこと言わなきゃいけないなら、もうそんなCM作るのやめよう、となるでしょうね。最近のテレビCMは、オレンジ色の携帯キャリアのところなんか特に、あたり障りの無いオチばかりですけど、それって、作家がアレなんじゃなくて、世の中の反映なんだと。

でも、ここで終わってしまっては、あの頃は良かったのただの懐古厨なので、そういった尖った感覚をたくさんのビデオテープから吸収しつつ、今の時代に書く文章にその表現の尖り具合を含ませていきたいと、気持ちを新たに。

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この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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コメント

  1. エル より:

    ビデオと言えば、かつてはVHSテープの事を指していましたが、現在ではDVDやBDといったビデオディスク、VODなどの総称とし用いられているそうです。テレビデオという言葉は聞かなくなりましたね。

  2. トッピー@管理人 より:

    >エルさま コメントありがとうございます

    確かに「ビデオ」の意味合いは変わってきていますね。
    テレビデオ、HDD内蔵テレビなんてまさにそうなんですけど、
    言いませんね。

    ところがなぜか「VTR」という言葉は生き残り続けていますね。
    今でも「それではVTRどうぞ!」って若いタレントさんも言いますよね。

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