番組としては独占できず…報道のネットワークとして誕生したJNN

前回のあらすじ。

1956(S31)年郵政省が発表した「第1次チャンネルプラン」により、大都市には複数の民放テレビが、地方には1局ずつ民放テレビが開局しました。当時東京は2局。日本テレビとラジオ東京テレビ(KRT・現TBS)によってネットワーク争奪戦が勃発しました。

地方局はKRT寄りの放送局も多かったのですが、日本テレビの巨人、プロレスも捨てがたい…ここからが今回のお話。

ラジオ東京テレビ(KRT)の野望はNHKに対抗し得るテレビネットワーク

どうしたら地方局に日本テレビへの浮気をさせず、完全なKRT系列にすることができるか…前述の通り1958(S33)年に5社

ラジオ東京テレビ
北海道放送
中部日本放送
大阪テレビ(現:朝日放送)
RKB毎日放送

によって「テレビニュースに関するネットワーク協定」が結ばれていたのですが、あらためて1959(S34)年8月1日、日本で初めての全国ネットワークが誕生しました。

正式に「JNNニュース協定」が締結されたのです。この時16社が加盟しました。この時点で民放テレビ局が開局していた地域が21エリア。

16/21

そのうち16エリアをカバーしていたのですから、この時はテレビ局が開局していたほとんどの地域にKRT系列局が誕生したのです。当初5社により協定が結ばれた時からなのですが、JNNは、地方局に「浮気」をさせないために、「JNNニュース協定」を排他協定にしたのです。

排他協定とは…

JNN系列局はニュース素材をJNNにのみ提供することとし、他系列局に素材を提供してはいけない。というものであります。

つまりJNN系列局は、他の東京キー局やその系列局とニュースのやりとりをしてはいけない。というものです。こうしたことで、地方のJNN系列局は、自然とKRT単独ネット局となっていったわけです。

この他にも、その後、「JNN」と名前が付くニュース番組は、全て同時にネットしなくてはならない。といった内容も盛り込まれました。JNNに加盟するという事は、KRTに対し、他のキー局への浮気はしません。と約束するものだったのです。

当初郵政省はネットワーク化に難色を示していたので、これについては批判の的になったりしてきたのですが、結果として排他協定であったために系列局の結束を生み、強固なニュースネットワークが形成されていったのだと思います。

これに対し日本テレビは…日本テレビは開局当初から自前のネットワーク回線を計画し、それにより全国を結ぼうとしたのですが…ネットワーク回線は電々公社(現在のNTT)の独占事業となってしまいました。

また、高い標高に自前の送信タワーを建設する計画があり、東京タワー完成後も本社からの送信を続け、「映りの悪い4チャンネル」と悪評がたったり…

KRTが続々と系列局を誕生させるのは、かなりくやしかったのではないでしょうか。だって日本テレビは日本で最初の民放テレビ局なんですから。

その日本テレビのニュースネットワークもJNNに遅れること約7年、1966(S41)年にNNN協議を発足するのですがそれについてはまたの機会に…

こうしてJNN(Japan News Network)は日本で最初のニュースネットワークとして、強固なニュースネットワークとして、地位を築いていきます。

1960(S35)10月28日、ラジオ東京は東京放送(TBS)に。TBS系列。JNNの総力を結集した報道力は他の追随を許さず。民放テレビの雄として、確固たる地位を得るのです。

またJNN各局はJNNに加盟していることで、ニュースの取材を積極的に行い、TBSを通じて、全国に配信しなければならないという使命感に燃えていったのでした。そして民放が複数化されてからも、JNN各局は地域で1番最初に開局した局が多く、地域で一番報道に強い局へと自然に向かっていったのです。

私事ですが、私の親は当時からJNNのニュースに相当の信頼を寄せていました。特にローカルニュースについてです。それはなぜかといいますと…

私が幼い頃、夕方は必ず
18:00「CBCニュースワイド」👉18:30「JNNニュースコープ」
という流れでニュースを見ていました。

地元の話で恐縮ですが、名古屋で初めて18時台に30分のローカルニュースを放送したのは、JNN加盟局である、CBC(中部日本放送)でした。1974(S49)年10月1日「CBCニュースワイド」がスタートしました。

この当時の新聞を紐解いて見ますと…その1年後1975(S50)年東海地方他局の夕方のローカルニュース体制は、

東海テレビ(フジ系)18:50「ニュースポスト」(5分)
名古屋放送(NET系)17:50「ニュース」(10分)
中京テレビ(日本TV系)18:50「ニュース」(5分)
三重テレビ(独立局)18:15「三重テレビニュース」(10分)
岐阜放送(独立局)18:50「ニュース」(6分)

とまあ、ローカルニュースは長くても10分でした。そして何とNHKまでもが…

NHK名古屋19:23「ローカルニュース」(7分)

という有様でした。この時代に30分にも及ぶローカルニュースを放送していた「CBCニュースワイド」は圧倒的な支持を得、名古屋の夕方の顔となったのでありました。この時代、ローカルワイドニュースはまだ草分け的存在でした。

ただ、日本初のローカルワイドニュースは「RABニュースレーダー」(青森放送・日本テレビ系列)です。

1975(S50)年にすでにローカルニュースを放送していたJNN各局、SBS(静岡)、RSK(岡山)、KUTV(高知)、そしてCBCなどに続く形で、TBSが18:00~18:30に関東ローカルニュース番組「テレポート・TBS6」をスタート。

JNN系列のこの時間には、各局がローカルワイドニュースを編成するようになったのです。この年には2月に北海道放送が4月にRKB毎日放送が30分のニュースをスタート。

JNN各局に「テレポート」「ニュースワイド」といったローカルニュースワイド番組が次々と誕生しました。こうして、まだNHKが地域ニュースに力を入れていなかったのを背景にして、全国のニュースからローカルニュースまで、ニュースを見るならJNN系列というイメージが全国各地で定着していったのです。

今でこそ、1985(S60)10月7日にスタートした「ニュースステーション」のおかげで、報道はテレビ朝日というイメージが強い若者も多いと思いますが、私にとっては今でも「イザという時、やっぱり報道はJNN」なのです。

この記事を書いた人

TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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