中日新聞のラジオ・テレビ欄に載らなかったInterFM NAGOYA

140416

中日新聞ラジオ欄・愛知版(4月1日)

InterFMが開局して半月、掲載される気配なし

何気なく目にする新聞のラジオ・テレビ欄。名古屋で放送に興味のある人なら知っているでしょうが、この4月1日に、東京のInterFMの名古屋局、InterFM NAGOYAが開局しました。

しかし…中日新聞のラジオ欄には掲載される気配がありません。また、予算面からPR活動もほとんど行われておらず、これでは、一般の人がInterFMの存在を知る機会は皆無といえます。なぜ、ラジオ欄に掲載されないのでしょう?そもそも、中日新聞のラジオ・テレビ欄とは、どういう存在なのでしょうか。

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まず大前提ですが、中日新聞のラジオ・テレビ欄は、「この地方にあるラジオ・テレビの番組を平等に紹介するページ」ではありません。「中日新聞系列のラジオ・テレビを紹介するページで、それだけだとさすがに露骨だから他のメディアも一応掲載するページ」です。

なぜそんなことが言えるのかというと、愛知・三重・岐阜のテレビ欄を見比べれば、
それはすぐにわかります。地上波のテレビ局のみの話をしますが、

中日新聞の愛知版は、左から、「NHK総合(3)、NHKEテレ(2)、CBCテレビ(5)、東海テレビ(1)、テレビ愛知(10)、メ~テレ(6)、中京テレビ(4)」となっています。さて、これは何の順番でしょうか。どう見ても、チャンネル順ではありませんよね。

これはNHK→中日新聞系列のテレビ局を開局順に→他の資本のテレビ局
という順番になっているのです。中日新聞系列のテレビ局とは、CBCテレビ、東海テレビ、テレビ愛知です。

左にNHK、右に他の資本のテレビ局を配置することによって、中日新聞系列のテレビ局が中央にドーンとくるように配列されています。

つづいて、中日新聞の三重版は、左から、「NHK総合(3)、NHKEテレ(2)、CBCテレビ(5)、東海テレビ(1)、三重テレビ(7)、メ~テレ(6)、中京テレビ(4)」となっています。

テレビ愛知のところが三重テレビに入れ替わっています。テレビ愛知は、愛知県だけをエリアとするテレビ局なので三重県版ではどかされ、そこに、中日新聞系列の三重テレビが入れられており、構図としては愛知版と全く同じになっています。

問題は、中日新聞の岐阜版です。左から、「NHK総合(3)、NHKEテレ(2)、CBCテレビ(5)、東海テレビ(1)、メ~テレ(6)、中京テレビ(4)、テレビ愛知(10)」なのです。あれ?テレビ愛知は、愛知県だけをエリアとするテレビ局のはず。なのになぜ?そして、ぎふチャン(8)は?

実は、ぎふチャンは下部にまるで他県のテレビ局かのように、小さく小さく掲載されているのみ。ぎふチャンは岐阜新聞系列。本来のエリアであるにもかかわらず、ライバル社傘下のぎふチャンを小さく追いやるために、本来はエリアではないテレビ愛知を大きく掲載しているのです。

このことから、中日新聞のテレビ欄というのは、あくまでも、中日新聞の系列メディア紹介であることがわかります。

一方のラジオ欄です。ラジオ欄も、愛知・三重・岐阜でそれぞれ異なるレイアウトとなっており、かつて愛知版では、現在のぎふチャン・岐阜放送ラジオについては、昭和50年代に入るまで非掲載で貫きました。

ところが、静岡県に中日新聞系列のFM静岡が開局すると、東三河では聞けるために、それを愛知版に掲載することになったのですが、静岡を掲載するのに岐阜は掲載しないのは、さすがに問題になると思ったのか、昭和50年代後半になると、愛知版のラジオ欄に、岐阜放送ラジオとFM静岡を掲載するように。ところが、FM静岡がハーフサイズであるのに対し、岐阜放送ラジオは極小サイズ、

しかも当時、名古屋では岐阜放送ラジオは混信のために、「夕方まで」しか聞けない局であったにもかかわらず、「夕方から」の番組しか掲載しないという、露骨なまでの徹底した、中日新聞系列メディアの掲載最優先方針を貫いたのです。

その後、FM三重やZIP-FMの開局などによるFMの多局化で、さすがにFM静岡は掲載されなくなり、2000(H12)年にRADIO-i(愛知国際放送)が開局すると、RADIO-iは中日新聞資本であったことから、FM AICHIやZIP-FMと同じくフルサイズで掲載されるように。

岐阜放送ラジオについても一応改善され、サイズは極小のままでしたが、丸一日の番組が掲載されるようになりました。とは言え、たった9行に全番組が書かれているわけですから、内容なんかさっぱりです。ところがここで、想定外のことが起きるのです。

RADIO-iが2010(H22)年9月末で閉局。ポッカリとフルサイズが1つ空いてしまったのです。そこでようやく中日新聞は、かつての岐阜放送ラジオ・ぎふチャンをハーフサイズに昇格。ラジオNIKKEIもハーフサイズにすることで、RADIO-iの穴を埋めたのです。

他にも、中日新聞夕刊のテレビ欄でも、愛知版は長年、三重テレビをフルサイズで掲載し、岐阜放送テレビに関しては一切存在を無視。完全地デジ化された2011(H23)年7月にようやく、三重テレビをハーフサイズにし、ぎふチャンテレビもハーフサイズで掲載するようになったりですとか、

中部日本新聞が中日新聞に改名した際に、中部日本放送(CBC)が「中日放送」にならなかったことへのあてつけとして、数十年に渡って勝手に「CBC中日」と表記し続けたりと、中日新聞のラジオ・テレビ欄にまつわる面白エピソードは枚挙に暇がありません。

若干逸れましたが、中日新聞のラジオ・テレビ欄が、系列ではない放送局にいかに冷たいかが、ご理解いただけたと思います。で、InterFM NAGOYAです。InterFMは株式会社木下ホールディングスの100%完全子会社です。中日新聞とは何の縁もありませんし、東京のラジオ局がそのまま名古屋に進出するという、いわばショバ荒らしです。

中日新聞は、名古屋で8割、愛知県で7割のシェアを誇ります。他の地域で言われる、新聞が落ち目とは無縁の世界です。中日新聞に載らないということは、名古屋では存在しないも同義です。

もし、InterFMが、「開局すれば普通に載せてくれるだろう」と思っていたのなら、それは「偉大なる田舎」「日本一大きな村」である名古屋をご理解いただけていなかった・・・と言わざるを得ませんし、まさに、そういう結果になっていますね。

え?中日新聞はInterFMの開局を知らなかったのじゃないかって?そんなわけはありません。中日新聞は、昨年12月13日の夕刊で、ピーター・バラカン氏の著書を取り上げ「エフエムインターウェーブは名古屋に春、新たなFM局を作る。期待大だ」という記事を掲載しているのです。

4月2日に至っては、InterFM NAGOYAの開局記事を掲載しておいて、それでもラジオ欄はスルーですからね。せめて開局日に「InterFM NAGOYA開局!」って広告を、中日新聞に出しておけば、違ったんじゃないでしょうかね…。

名古屋に進出するにあたって、中日新聞に広告を出さないということは、名古屋における中日新聞の力を軽んじられたと同義…と、みなされたのかもしれませんね。

かつてのFM DANVOから、最近では一宮のi-waveと、コミュニティFM局でさえも、開局日だったりサイマル初日には、中日新聞のラジオ・テレビ欄に広告出してますからね。それが、村のお付き合いというものなのかもしれません…。

追記:ようやく21日から、InterFMNAGOYAも小さく、中日新聞のラジオ欄に載るようになりました。村の仲間入りができたんですね。どういう手を打ったのかはわかりませんが、めでたしめでたし。

あ、私の共著「名古屋あるある」は、出版社の方から中日スポーツに一度、広告出させていただいておりますからね。よろしくお願いいたします。中日新聞さま。

時流の先へ 中部財界ものがたり

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コメント

  1. 一発家談笑 より:

    インターFM名古屋のラジコは聞けるのでしょうか?私のまわりにはラジオよりもラジコで聞いている人が多く、またインターFM名古屋は聞こえないとネット上でみかけます。新聞もさる事ながら、ラジコで聞けないというのは、ただでさえ出力が弱いので、カバー仕切れていないようにおもえるのですが。

  2. アイ・フロッグ より:

    InterFM名古屋の、個人的受信状況です (すべて、愛車のカーステレオを使用) 。
    まず、名古屋市内・守山区吉根 (竜泉寺と志段味の中間) イオンモール守山店の平面駐車場にて。
    FM AICHI・ZIP-FM・NHK名古屋は文句なくSINPO=55555ですが、InterFMは時折ステレオでの復調が断続的となるため、その分をSINPOの「P」=4として、SINPO=55544。
    次に長野県飯田市の、某ホームセンター駐車場にて。
    実は私自身、芝公園から送信されていた頃のJ-WAVEを飯田市内で受信したことがあり、当時の受信状態はSINPO=35353。さすがに信号は弱かったものの、連続してステレオ復調が可能でした。もっともその頃と今回では、愛車そのものが (カーステレオも) 違いますが。
    本題に戻って、飯田で受信できたInterFMは八事からの電波でSINPO=25352。さすがにこれではステレオでの復調は無理でした。さらに、八事からの他の民放2局もやはりSINPO=25352。ステレオでは聴けません。
    一方、東京の民放では、まずTOKYO FMがSINPO=25342 (ステレオ復調不可) 。芝公園の送信設備を一新したとはいえ、やはり絶対的な位置は如何ともしがたいですね。ちなみに、同じく芝公園からのInterFMは全くダメ。業平橋からのJ-WAVEはSINPO=25242 (ステレオ復調不可) 。送信アンテナの地上高が芝公園の最高部よりも高い分、ERPがTOKYO FMと同じなら・・・この辺りは興味深いですね。なお、飯田では82.5MHzのNHK-FMも受信できましたが、復調されるのは八事からの電波でSINPO=24242 (ステレオ復調不可) 。やはり業平橋からの混信を伴っていました。
    よそのブログなどを見る限りでは、InterFM名古屋の電波は三重県の鳥羽市でも入感するようですが、信州飯田におけるInterFMは、やはり名古屋の民放局の一つということになるのでしょうか。

  3. トッピー@管理人 より:

    >一発家談笑さま

    radikoはお金もかかるでしょうし、
    まだ、決断されていないみたいですね。
    もちろん、有料のradikoプレミアムに加入すれば、
    東京のInterFMを名古屋で聴くことも可能ですが…。

    >アイ・フロッグさま

    情報ありがとうございます。
    飯田って名古屋のFMよりもFM三重の方が入ったりしますよね。
    鳥羽での受信もそうですが、
    やぱり送信もしくは受信のどちらかが海というだけで、
    電波環境は格段に違う感じがありますね。

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