追加料金は10円!満員の立ち乗り市バスが高速道路を走る・名古屋市営高速1系統でワープ

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高速1 森の里団地行き

市バスの高速バス

 名古屋市外に住む、私のような生まれが名古屋の「名古屋っ子」にとって、名古屋市内の何がうらやましいかといえば「市バス」です。

 どこで乗ってもどこで降りても、料金は210円。一日乗車券やドニチエコきっぷを使うことで、名古屋市とその周辺の市バスが通っているところであればさらにお値打ちに行けてしまいます。

 では、市バスで最も運行距離が長い路線はどれか?なんと、市バスが高速道路に乗って高速バスになってしまう系統があるんですね。乗ってきました。

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栄と森の里団地を結ぶ「高速1」

 高速道路を走る、市バスで最も運行距離が長い系統とは「高速1」。中区の栄と緑区の森の里団地を結んでいます。所要時間は時間帯によって左右されますが、どの時間帯でも1時間を超えます。

 今回は上前津から乗ってみます。高速道路料金が「10円」追加となり、運賃は220円。高速区間を利用しない場合は予め乗車の際にその旨を申告しないと、自動的に220円を支払うシステムとなっています。

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 中心部の栄からやってきたバスは上前津を出発すると、地下鉄鶴舞線の上を走る大須通を通って鶴舞公園へ。そして空港線を南下します。

 いくつかバス停に停車をして、右手に2003(H15)年10月にフィールとエイデンを核テナントとしてオープンした「シャンピアポート」が見えてくると、聞こえてくるアナウンスは…。

 「次は有松町口無池」

 何でしょう、この違和感。高辻で市バスに乗っているのに、次が有松?そうなんです。バスは名古屋高速3号大高線へ、高辻インターから乗ります。

いつもは運転しながら見る景色が…

 この日は土曜日の午後ということもあり、立ち乗り客が動けないほど満員。その状態で高速道路へと入っていきます。

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 車窓には大高線からの風景が。大抵は運転しながら横目に見る景色です。市バスから名古屋高速沿道の景色を見られる特別感があります。特にこの日は吹雪いていて「いつもと違う感」がありました。

 以前、福岡タワーから福岡都市高速を経由する西鉄バスに乗ったことがあり、その時は窓の外に湾岸工業地帯が広がっていたことを思い出しました。

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 西鉄バスでは座席に座っていたこともあり、今回の立ち乗りで吊り革を持ちながらの、市バスで名古屋高速はなかなか刺激的でした。

降車ボタンを押すタイミングを量る乗客

 高辻インターから名古屋高速大高線に乗った市バス。しばらくは誰も降車ボタンを押さず、有松町口無池では誰も降りないのかな?と思いきや、高速を降りる大高インター間際で押されました。

 確かに、シャンピアポートあたりで降車ボタンを押したら、いくらアナウンスで「次は有松町口無池」と言われても、実はもう一つバス停があって昭和区で降ろされてしまうような錯覚に陥ってしまいますよね。(陥りません)。

 高速を降りると、いつの間にか名古屋市外に出てしまっていた市バスは、国道23号の共和インターを越えて再び名古屋市内へ。有松町口無池からはさっきまでのワープ感が嘘のように、細かくバス停を刻む本来の市バスに戻ります。

 桶狭間を通って国道1号へ、左京山から緑区役所へと、ぐるっとまわって大高緑地をまわるように森の里団地へ。上前津で乗車した際にはまだ夕方の感じもしていなかったのに、森の里団地で降りたら夜でした。

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 さすがに森の里団地まで来てしまいますと、JR南大高駅を利用した方が近い感じになってしまいますが、名古屋の中心部と緑区南部を直結するこの路線のワープ感は面白みがあります。

 ただ、この長距離で高速に乗るにもかかわらず、高速運賃はわずか10円プラス。名古屋高速の大型車料金は1,540円ですから、154人乗らないと!?

 路線バスは「満員だなあ」と感じるのが60人程度ですから…154人…。うーん。

 ということで、立ち乗りが頻発する人気路線でも、どうやっても赤字になってしまうそうで、だからと言って乗って貢献という構造にはなっていないのがつらいところ。

 名古屋の中心部と桶狭間を結び、高速道路を経由することで車窓からいろんな名古屋を楽しめる、ディープな名古屋を感じたい!という名古屋観光を求めてらっしゃる方にはオススメの路線です。

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