「開運!なんでも鑑定団」元は他局の企画・系列局さえ同時ネットせず期待されていない番組だった

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出張!なんでも鑑定団inなごや(2009.10)

テレ東の人気長寿番組だけど…

 今、何かと話題のテレビ東京「開運!なんでも鑑定団」。1994(H6)年春にスタートした番組で、最盛期の1996(H8)年には視聴率20%超えを連発し、同じ時間に放送されていた、フジテレビの顔だった人気長寿番組「なるほど!ザ・ワールド」を終了に追い込み、「下克上」と当時のテレビ雑誌では話題になりました。

 テレビ東京の52年の歴史のなかで、視聴率が20%を超えたレギュラーのバラエティ番組※は、この「開運!なんでも鑑定団」と「TVチャンピオン」しかありません。
※ドラマ、映画、単発スペシャル枠、アニメを除く

 そんな快挙となった「鑑定団」なのですが、もともとは他局の企画の流用だったということは、ある年齢以上のテレビ好きの方ならご存知でしょう。さらに、番組開始当初はテレ東系列内でも全く期待されておらず、系列局さえ同時ネットしない番組だったこと、他局の模倣番組PRが当時の司会者の前で行われて微妙な空気が流れたことは、今では語られることはありません。

 あらためて今、テレ東における鑑定団という想定外の人気番組の成立について振り返ってみます。

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他局の企画だった「家宝鑑定ショー」

 1990(H2)年春から4年間にわたって、日本テレビ系列の深夜に放送された「EXテレビ」という帯の深夜のワイド番組があります。この番組は、かつての「11PM」の流れを受けつつも、曜日ごとに全く違ったコンセプトとなっており、火曜と木曜が大阪・よみうりテレビ制作でした。

 上岡龍太郎さんと島田紳助さんによる火曜は、単発の実験企画として様々なものを放送していました。そのなかで、鑑定団のもとになった「家宝鑑定ショー」をはじめ「抱かれてみたいグランプリ」「クイズここまで出てるのにィ~」など、人気企画となり複数回放送されたものがいくかありました。

 「EXテレビ」火曜の最終回は「全国のTV関係者に送る この企画レギュラーでやりませんか!?」と銘打ち、それまで放送された企画について、司会者に上岡龍太郎さんか島田紳助さんを起用することを条件に、他局に新番組として提案するプレゼンスタイルになっていました。

 「家宝鑑定ショー」については「高額もくろむ家宝所有者 冷酷無情な鑑定師 くりひろげられる人間模様 悲喜こもごも 視聴者参加番組の決定版」という“セールス”が行われました。

 そのEXテレビ火曜日の最終回が1994(H6)年3月29日。それからわずか3週間後の4月19日、テレビ東京で島田紳助さんと石坂浩二さんの司会による「開運!なんでも鑑定団」がスタートするのです。

期待されていなかった鑑定団

 筋は通しているとはいえ、他局の番組企画の流用であり、その最終回での「プレゼン」からわずか3週間後の新番組。テレビ東京系列内でも「鑑定団」への期待は低く、また、系列局ですら放送する体制が整わないなかでのスタートでした。

 「開運!なんでも鑑定団」が放送されることになった火曜21時。この時間は今もそうですが、テレビ東京は関東ローカル番組枠となっており、系列局でさえも「希望する局のみが番組を購入して」放送する時間帯です。

 名古屋のテレビ東京系列局であるテレビ愛知は、そんな「鑑定団」に火曜21時枠を割くことができませんでした。系列ではない岐阜放送が、1週間遅れの火曜20時というゴールデンタイムで放送した一方で、テレビ愛知は木曜深夜にスタート。関東での視聴率の良さから、しばらくして日曜正午に「昇格」させるものの、東京と同じ火曜21時枠での「同時ネット」になるのは1996(H8)年春。2年もの間、鑑定団を「冷遇」していたのです。

 何度か、名古屋圏での「出張!なんでも鑑定団」の観覧に行ったことがありますが、決まって語られるのが「名古屋の鑑定団の視聴率の高さ」。東京に比べて名古屋は視聴率が高く、全国の中でも最高水準だとか。テレビ愛知にとってこの鑑定団の人気は、全くの想定外だったのでしょう。

鑑定ブームで一触即発

 鑑定団がスタートした1年後。鑑定ブーム、アンティークブームが巻き起こります。社会現象ともなり、日本テレビの「スーパーテレビ情報最前線」でブームが特集された際には、火付け役としてテレビ東京の「鑑定団」が紹介され、番組の映像がかなり長い尺で使われました。すると1995(H7)春、TBSテレビで「世界お宝ハンティング 勝負は目利き」という番組が始まります。

 この番組は、芸能人ペア2組にそれぞれ100万円が与えられ、そのお金で外国にて「お宝」を買い付け。スタジオで鑑定総額を競うというものでした。「勝負は目利き」は雪印グループ1社提供で放送され、テレビ東京でなおかつ関東ローカルセールスの「鑑定団」とは、比べ物にならないほどの潤沢な予算を感じさせるものでした。

 視聴者の「家宝」を鑑定する鑑定団と、芸能人がゲームとして買い付けた「お宝」を鑑定する勝負は目利きは、コンセプトとしては全く異なるものではありますが、鑑定額の高い低いを楽しむという点では模倣ともいえるでしょう。

 TBSテレビといえば、番組改編期に放送される「オールスター感謝祭」があります。感謝祭では、その時スタートする新番組のPRが行われるのが恒例です。と言いますか、それが目的の番組です。

 1995(H7)年春に放送された「オールスター感謝祭’95」では、この「世界お宝ハンティング勝負は目利き」のPRも行われました。そう、当時オールスター感謝祭の司会を担当していた鑑定団の島田紳助さんの前で。

 紳助さんの「この番組は“なんでも鑑定”するんですか?」「へえ。“なんでも鑑定”するそうですー」という、一切目の笑っていない作り笑顔が最高にシビれました。

あれから20年

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番組収録が行われている テレビ東京天王洲スタジオ

 テレビ東京において「開運!なんでも鑑定団」は、もともとは期待されていない番組だったうえに、他局の企画の流用であり、いまだに関東ローカル枠での放送となっているという事情…。

 テレビ東京には局の顔として、バナナのキャラクター「ナナナ」がおり、どの番組でも、番組の最後にクレジットされる「製作 TV TOKYO」というロゴの横には、必ずナナナが登場します。かつてはその位置に「7チャンパンダ」がいました。しかし、「なんでも鑑定団」には一貫して、そういったテレビ東京のキャラクターが表示されません。

 そういったことを考えると、「開運!なんでも鑑定団」という番組は、テレビ東京の開局以来の大看板でありながらも、どこか局内で治外法権的な存在であり続けているような気がするのです。ここ最近の鑑定団を巡るあれこれも、そのあたりが影響しているのではないかと勝手に思ってしまうのです。

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コメント

  1. チャン より:

    昨年末に放送された『鑑定団2時間半スペシャル』。
    そう言えばこの時、珍しくテレビ東京系列で夜10時台がネットセールスされましたね。
    (筆頭スポンサー・東建コーポレーション他各社)

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