昨日ご紹介した、来月開局するBSデジタルの2つの放送局について、どんな番組が放送されるのか見てみましょう。
・BSデジタル11ch「BS11デジタル(日本BS放送)」
BSイレブンデジタルのターゲットは団塊世代中心の30代以上で、大人向けで生放送主体という方針になっています。
なぎら健壱さんや阿川佐和子さんらによる「大人の自由時間」という3時間のトーク番組や、毎日新聞がバックアップするニュース、時事討論番組に、一時期テレビ愛知がやっていたドイツ国営放送のニュースなど。さらには、韓国や中国のドラマやモータースポーツ、音楽、映画、そしてガーデニングにアクティブシニアと、いかにも独立局という編成です。
地上波局に例えるならば、高年齢層向けのTOKYO MXといった感じでしょうか。
また、アニメ番組なども多く配される予定となっていて、ガンダムシリーズを中心に、「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」といった実写ものも。大人とともに親子でも楽しめる編成となっています。
日本BS放送はビックカメラが7割を出資している会社で、1日7時間を自社制作番組で賄う予定となっています。
理想は高いのは良いと思うのですが、キー局系のBSデジタル局ですら、なんとか黒字となっている状況で、果たしてこれらのコンテンツを維持していくことができるのか、TOKYO MXの前例のようになってしまわないかが大変気がかりです。
・BSデジタル12ch「TwellV-トゥエルビ(ワールドハイビジョンチャンネル)」
一方のトゥエルビは対照的。「良質・健全・プレミアム感」をキーワードに、ディズニーや宝塚、MTV※やFOXなどあらゆるところから番組を調達しており、いかにも衛星版独立U局。さらにはKBS京都が制作に携わった番組もあり、実際にU局絡みの番組も流れるという状況になっています。
そして何よりも、トゥエルビがU局っぽく見えるのは、この番組です。
それは、午前5時から7時、午前9時から午後3時、午後10時から深夜2時まで、1日に12時間放送されるテレビショッピング「QVC」です。
1日の放送時間の半分が通販なのです。まさに衛星界の独立U局。
U局を知らない地域の人が見たら、「1日の半分が通販だなんて、そんなの普通のテレビ局なの?」と思うかもしれませんが、それがU局というものです。通販で稼ぐだけ稼いで、そのお金を他の時間の番組制作、調達にまわす。現代のU局の基本です。
さて、これらのチャンネルを見るには、パラボラアンテナとBSデジタルチューナーがあればいいわけですが、ケーブルテレビでBSデジタル放送をご覧の方は、現在BSデジタルが再送信されているからと言って、必ずしもこの2局が再送信されるとは限りません。
ハイビジョンですから容量も大きく、ケーブル伝送の帯域にも限界があるというわけです。ちなみに、トゥエルビは三井物産の100%出資子会社ですので、そのあたりにも、再送信しないケーブルテレビ局がある理由を垣間見ることができます。
ていうか、容量云々なんて言い訳しないで、三井物産が嫌いだからって言っちゃいな。言っちゃいなよ。>某ケーブルテレビ
※MTV=米MTVのことであり三重テレビの番組が流れるわけではありません
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