名古屋には２つのＡＭラジオ放送局がある。私が学生の頃、２局は夜のワイド番組で競い合っていた。今回は夜9:00からのワイド番組についてである。
ＣＢＣラジオ(1053KHz)。常に優位に戦いを進め、人気番組であった。「小堀勝啓のわ！ワイド～とにかく今夜はパラダイス～」21:00から深夜0:40までの長いワイド番組。当時のラジオ雑誌によると東海地方にとどまらず、全国広い地域で人気があった。その後の「富田和音株式会社」も同じくアナウンサーＤＪによる番組だったにもかかわらず、大人気であった。
東海ラジオ(1332KHz)。「宮地佑紀生のここがＳＦ一丁目」からの「ポップロックスーパーベスト１０」「大内ひろのしんの今夜もやっぱりFunkyパジャマ」「ぴーぴージャカジャカンズ」「ぷるぷるマジックモンスター」次から次へと新しい番組をぶつけている印象がある
私の家は名古屋市の隣にもかかわらず、ＣＢＣラジオの入りが悪い。ＣＢＣ1053KHzはご存知の方も多いと思いますが、北朝鮮が韓国向けに地下放送を行い、なおかつ韓国が妨害をかけていた。しかも隣の周波数には北京放送（中国）が出ている。それもあって学生時代、夜は東海ラジオを聞くことが多かった。東海ラジオのローカル夜ワイド、末期は吉本興業のタレントなどを起用するなど頑張っていたのだが…。
ところで名古屋には不思議な事情がある。有名な話だが、東京・ニッポン放送の元祖深夜放送「オールナイトニッポン」(AM1:00-3:00)をライバル・TBS系列(JRN)のＣＢＣラジオがネットしているのだ。
ニッポン放送が「オールナイトニッポン」を全国ネット化しようとした際、当然名古屋は系列である東海ラジオにネットを打診した。当時東海ラジオには「ミッドナイト東海」(AM1:00)という大人気番組があった。笑福亭鶴瓶さんも有名だが、つボイノリオさん、森本レオさんはこの番組がデビューである。したがってあっさり東海ラジオには断られた。
そこで、ニッポン放送は系列ではないがＣＢＣにお願いする。ニッポン放送とＣＢＣ東京支社を回線で結び、ＣＢＣは東京から名古屋まで自社回線でネットするという、異例の形で「オールナイトニッポン」はＣＢＣラジオで放送されているのだ。現在も。
さて話は戻るが、ニッポン放送、オールナイトニッポンは長年１部(AM1:00-3:00)２部(AM3:00-5:00)という構成だったが、数年前、22:00-0:00という新しい枠を設けた。この時間帯は全国のラジオ局がローカルでワイド番組を作っている事が多い時間で、東京もそうだった。しかしバブルが弾け、各局の番組制作力が落ちている事情とも重なり、ニッポン放送はこの22:00-0:00を新たなネット番組として「オールナイトニッポンスーパー」をスタートした。
迷走していた東海ラジオはあっさりこの話に乗っかった。
したがって現在は
22:00- 0:00「オールナイトニッポンスーパー」東海ラジオ
1:00- 3:00「オールナイトニッポン.com」ＣＢＣラジオ
という状況になっている。
ところがさらに悲惨な事が起きた。ＣＢＣラジオは夜10時から、東京・ＴＢＳの夜ワイド「アクセス」をネット開始したのだ。
いま名古屋のＡＭ局にローカルの夜ワイドは無い。ほかの地方をみても、かつてほとんどの放送局がローカルだったこの時間にローカル番組を流しているのは東北放送・岐阜放送・山陽放送・四国放送・高知放送・RKB毎日放送・熊本放送数えるほどになってしまった。（大阪の３局毎日放送・朝日放送・ラジオ大阪やRFは別格としてね）
ＡＭラジオというのは、テレビと違い朝から夕方までローカルで番組を制作している。それに比べ比較的スポンサーの獲得しにくい、夜ワイドというのはネックだったのだろうか。地方の特色あるラジオ番組が少なくなっていくのは非常に残念である。しかしこの様な意見ばかりではないらしく、地方でもアナウンサーや地元タレントの喋りよりも東京の番組が聞きたいというリスナーがいるのも確かだ。
そんな東海ラジオにも伝統の”深夜”番組は健在である。
AM1:00「東海ラジオミッドナイトスペシャル」
AM2:00「DON・TSUKI」
この時間。まさか無いとは思うが東海ラジオがＴＢＳと回線を結び、ネットをする日がくるなんてことは…？
しかしそれにしても「オールナイトニッポン」のテーマ曲「ビタースイートサンバ」が東海ラジオで流れた時、時間帯が違うとはいえそれはそれは衝撃でした。
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