合併特例法によって市町村の合併が進んでいます。名古屋市の周辺にはミニ自治体とも揶揄されるほど町や村が密集していて、もちろんこれらも法定合併協議会を設置し合併模索しているのですが、問題になるのが新市名です。
海部郡の佐屋町・佐織町・八開村・立田村が2005(H17)年に合併して誕生する新市の名は「愛西市(あいさいし)」愛知県の西部にある市というのがその名の由来ですが、実際はこういう名にするしか収拾がつかないような状態だということがわかります。
つまり、合併特例法によって合併するだけであって、古来これら4町村に繋がりがあったわけでもなく、しっくりくる地名が無いわけです。また中にどれが一つ、例えば佐屋市にするほど統制力がある自治体も無いのです。となるとこういったいわば抽象的な市名にするしかありません。
さて、名古屋市の北部に師勝町と西春町という町があるのですが、この2つの町は法定合併協議会を設けています。合併の期日は2006(H18)年3月20日としています。そこで問題になったのが新市名です。候補は6つ挙がりました。
「尾張市」「尾張中央市」「濃尾市」
尾張とは愛知県西部の旧国名、濃尾は名古屋・岐阜・三重に広がる濃尾平野の濃尾。う~ん。どれも師勝・西春だからという感じはしません。そしてあと3つはそう、名古屋中心思想がもろに出た形となりました。それは、
「北名古屋市」「名古屋北市」「西名古屋市」です。
北名古屋と名古屋北はわかるのですが、西名古屋はおかしいです。場所的にどう考えても師勝・西春は名古屋の北です。
結局2日の会合にて、法定協議会の委員による投票で「北名古屋市」に決定しました。それにしても合併の枠組みとは一体何なのか、地名とは何なのかを考えさせられました。将来的には名古屋市との合併も視野に入れているのでしょうけれど、これによって「南名古屋市」「東名古屋市」「新名古屋市」「超名古屋市」といった自治体が乱立するのではと危惧しております。
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