通販とテレビ・三重テレビのサブチャン作戦大成功!

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写真:ジャパネットたかたテレビショッピング

昨日の記事に続きまして、海外滞在中の新聞をチェックしていまして、当ブログが昨年6月に指摘したことが的を射ていたことが明らかになりましたので、ご紹介したいと思います。その記事とは、16日付の中日新聞朝刊に掲載されていました、「『通販』頼み・独立局悩む」という特集で、放送時間に占める、テレビ局各局の通販番組の比率について

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言及したものでした。記事をまとめます。

・60年ぶりに抜本的に見直された改正放送法が昨年3月施行
・テレビ局に6種別の放送時間公表を義務付け
・『教養』『教育』『報道』『娯楽』『その他』と『通販』

→かつては、通販番組について、商品の情報を提供する番組で、ついでに申し込みをできるように案内してるだけということで、CMではないという言い逃れをしていたこともありましたが、それはできなくなったというわけですね。

・通販番組は業者が番組を作るので制作費ゼロで収益に
・地デジ化の設備投資がかさんだ小規模局ほど影響が大きい
・独立局の編成担当「本当は増やしたくないが減らせば死活問題」
・消費者団体など「公共の電波を使って金もうけするのか」

→もうけないと潰れるというのが、日本の民間放送の仕組みですから、仕方ないですよね。かつて、理想論で作った儲けを度外視した教育を主眼としたテレビ局を事実上潰したのも、視聴者であり消費者なのですから。

・テレビ通販は1970年フジテレビが帯番組のコーナーとして開始
→東京ホームジョッキーですね。のちの「リビング4」そして現在の「レディス4」(テレビ東京)ですね。

・新BS局には「広告放送は全体の3割以下」という基準
・既存の民放には放送時間の公表義務のみ
・公表はまず2011年7~9月分から始まった
・今後も半年ごとに「毎月第3週目の放送時間」を公表

→これからは、毎月第3週だけ通販が減る、それだけのことになりませんかね。そして、具体的に各局の通販の割合が掲載されていました。

「総放送時間に占める通販番組の比率」
<中京広域>
CBC:5.4% 東海テレビ:2.6% メ~テレ:1.5% 中京:3.5%
<近畿広域>
MBS:5.3% 関西テレビ:3.6% ABC:5.8% 読売テレビ:4.9%
いわゆる、広域局はどこも1割以内。さすがです。
<静岡県>
SBS:6.3% テレビ静岡:3.7% あさひ:9.3% だいいち:8.4%
<長野県>
SBC:10.8% 長野放送:6.0% 長野朝日:9.9% TV信州:13.0%
静岡よりも長野の方が多い、これは経済力に比例してる感じでしょうか。
<愛知県域局および独立局>
テレビ愛知:13.3%
ぎふチャン:51.0%
三重テレビ:26.9%
びわ湖放送:39.8%
テレビ和歌山:44.5%

ぎふチャン、思わず二度見してしまう数字ですよね。通販が過半数になっています。開き直って「ぎふショッピングテレビ」にでもした方がいいですね。ぎふチャンは、アドツープラドとCJプライムショッピング、会社ぐるみで通販会社との関係もありますし、もう通販のおまけで普通の番組もやるよ的な、そんな感じですね。

そして問題の三重テレビです。三重テレビは普段、平日は、1日あたり12時間ほど通販番組を放送しています。12時間も通販を放送してるのに「26.9%」。この数字のからくりこそ、当ブログが昨年6月に指摘したことなのです。

「三重テレビがマルチ編成スタート!」(2011.6.25)

三重テレビは、昨年7月1日から、デジタル放送の機能のひとつである「マルチチャンネル放送」をスタートしています。マルチチャンネルとは、映像の画質はハイビジョンでなくなるものの、一つのテレビ局が複数の番組を同時に放送するサービスのことです。

三重テレビは平日、朝4時50分の放送開始から午後5時半まで、12時間40分間「第2チャンネル(072ch)」の放送を行っています。第2チャンネルでは、ニュース、市況、天気、災害対策といった情報番組だけが放送されています。つまり、三重テレビの「総放送時間」は、平日は22時間30分+12時間40分=35時間10分あるのです。

ですから、メインチャンネル(071ch)で通販を12時間放送しても、32%にしかならないわけなんですね。実際には、ハイビジョンで放送する長時間の県議会中継など、通販の割合を薄める材料が他にもあるため、ぎふチャンと同じように、日常は通販番組を12時間も放送しているにもかかわらず、この、脅威の「26.9%」という、行政指導の「3割以下」をらくらくクリアする数字を、三重テレビはたたき出すことができているというわけです。

その、マルチチャンネル放送をスタートしたのが昨年7月
通販番組の放送割合を公表しなくてはならなくなったのも昨年7月

これこそ、今の社長になって、優等生になった三重テレビのやり方です。つまり、三重テレビにとって第2チャンネル(072ch)とは、通販の放送時間をカモフラージュするためのものであり、そこで収益を上げようという考えにはなっていないようで、事実、第2チャンネルでスポンサーのCMが流れるのを見ることはほとんどありません。

祝日には、権利の切れたような白黒映画を流すことも。通販を薄めるために、採算度外視で好きな番組を流している、それが三重テレビ第2チャンネル(072ch)であると。ああ、だからチャンネルナンバーがオ…(以下自粛

通販―「不況知らず」の業界研究 (新潮新書)

この新聞記事にも参考資料としても掲載されていましたね。著者の石光勝さんは、日本で初めて通販の「番組」を「深夜」に流した方で、今のビジネスモデルを形にした方ですね。

日本で初めてテレビ通販を導入した、東京ホームジョッキーのちのレディス4の高崎一郎さんと、このテレコンワールドの石光勝さんこそ、日本のテレビ番組を通販一色にした功労者であるといえますね。

それが、視聴者にとって良いことであったかどうかはわかりませんが。

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コメント

  1. チャン より:

    この1月からサンテレビでも、平日のAM7時半から8時までの30分間に限り、古いアニメと通販のマルチ編成が始まっています。
    地デジ化での設備投資がかさんで、背に腹はかえられないというところでしょうか?

  2. >チャンさま こんばんは
    サンテレビのマルチ編成は、1日30分なんですよね。
    実際にそれがどのような効果があるのかは微妙ですが、
    ひょっとしたら、将来は三重テレビやTOKYO MXのような形にするための布石かもしれませんね。

  3. katsu より:

    ぶっちゃけた話、
    管理人様は今の三重テレビは嫌いなのですか?

  4. >katsuさま コメントありがとうございます。
    嫌いなわけがありません!
    嫌いなテレビ局の夕方ワイドを、
    録画してまで毎日チェックするようなマゾではありません。
    好きなものを皮肉るのを生業としておりますので、
    何卒ご理解いただきたいと思います。

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