ラジオはデジタル化をやめてFM化?

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写真:名古屋のFMラジオ送信所

テレビがデジタル化したように、ラジオがデジタル化の検討をしていることを、ご存知でしょうか?ただ、ラジオの場合はテレビと違い、防災の観点からも、デジタル化されたあともアナログ放送を続けるということは決まっていましたが、実はそのデジタル化について、こんな記事が報じられました。

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【読売新聞】ラジオのデジタル化、全国規模での実施困難

まだ、何かがはっきりと決まったわけではありませんが、この動きには正直驚きました。

地上デジタルラジオの計画は、V-Lowという周波数帯を使うもので、かつてのテレビの地上アナログ放送の1~3ch、90~108MHzでの実施が計画されています。そのデジタル化について、民放の足並みが乱れてきているというのです。

記事によりますと、地上デジタルラジオ放送を開始するには、総額1,200億円もの設備投資が必要な上に、地デジのテレビへの買い替えを促したように、新しい「デジタルラジオ」を普及させる必要があり、やる意味があるのか?ということです。

そもそも、なぜラジオをデジタル化したいのか。都市化はもちろんのこと、パソコンやスマートフォンなど、AMラジオにノイズを発生する機器が増えに増え、いまや、AMラジオは、とても聞きにくい存在になってしまいました。、

その聞きにくさを解消するための、デジタル化、だったわけですが、果たして、今さら、新しいデジタルラジオをどれだけの人が買ってくれるというのか。ラジオの現状に興味がある人だったら、その答えはすぐに思い浮かぶと思います。

そこで、東京を含めて一部のAM局が言い出したのが、「聞きにくさを解消するためだけなら、デジタル化じゃなくて、普通にFM局になりたい」というもの。90~108MHzという周波数帯は、FMラジオのすぐ上の周波数であり、国外では、この周波数でFMラジオが放送されている国も多いのです。

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写真:NHK名古屋AM送信所

FMももちろん、高層ビルによる電波のひずみは発生するという点はありますが、基本的には、パソコンやスマートフォンなど、電子機器からの影響は少ないですし、都市雑音とも無縁です。しかも、FM局になるだけなら、新しいラジオを買ってもらう必要もありません。

デジタル全盛のこの時代に、デジタルをやめてアナログにしようというのは勇気のいることかもしれません。でも、消費者の動向を考えたら…ということでしょうね。

今はまだ、そういうことを言っている局もある、という状況ですが、果たして。

しかし、AMラジオには、夜間は遠くまで電波が飛ぶという特性があったわけですが、FMになると、それは無くなっちゃいますね。それ以前に、いつまでAMラジオ局と広告代理店は、地域の縄張りを守り続けることができるのでしょうか。既に既存のFMラジオ局は、有料・無料の差はあれど、民放FMもコミュニティFMも、インターネットではどの局も全国エリアになっています。

ラジオのインターネット配信も含めて、じわじわと今後、AMラジオ局を取り巻く環境は、変わっていくでしょうね。いや、変わらないと無くなるおそれも、本当に出てきた、そんな時代なのでしょう。

CBCラジオは、朝鮮半島からの電波の影響で、夜間はとても聞きにくく、かつて、FM波を検討したという話もあります。しかし、実現できませんでした。ようやく時代が追いついた?CBCや東海ラジオ、ぎふチャンラジオをFMで聞く時代が来るのでしょうか。

まあマニアの自分は昔、CBCも東海ラジオも、FMの中継回線で聞いていましたけどね。

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ラジオでMP3。そういう時代でもありますね。

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コメント

  1. ネモッチ より:

    今月中旬にスマートフォンをソフトバンクのiPhoneからauのandroid端末に変更しました。
    つまりLISMO WAVEで全国に民放FM局が聴けるようになりました。iPhoneへの機種変をあと2ヶ月待っていれば、2年も待つことは無かったんですが・・・
    平日の朝は(金曜はNACK5)、どのテレビもラジオもしっくり来なかったんですが、すっかりFM802に固定されました。
    NHKのらじるらじるもこの春から大阪・名古屋・仙台の各放送局の放送が全国配信されるようですからね。
    FMラジオ化が先か、全国配信が先か。もう何度この件でコメントしたかなあ・・・。

  2. J-STAR より:

    確かにアナログ時代のテレビ音声が聞けるラジオは世の中に沢山出回ってますから、
    それを生かしてFMでサイマル放送したほうが
    安上がりという考えも、わからない訳ではないですよね。
    お隣の韓国では、AMサイマル放送を「標準FM」、それ以外のFM放送は「音楽FM」と言って区別しており、殆どのAM局がサイマル放送をしています。
    そのようになるのでしょうか?

  3. >ネモッチさま コメントありがとうございます
    LISMO WAVEを聞かれるようになったのですね!
    公式として、全国全ての民放FM局が聞けるのは
    大きなメリットですし、
    やればできるんじゃん!という気にさせてくれますよね。
    NHKのローカル配信も実は楽しみです。
    ネット配信でもやっぱり、CKのニュース聞きたいですので。
    じわじわとですが、ラジオも動き続けていますよね。
    スローペースではありますが、期待していいと思っています。
    >J-STARさま コメントありがとうございます
    ちらっと耳にした話ですが、
    AMラジオ局にとって、広大な面積の土地と、
    維持費がかかる送信設備は、
    かなりコストとしてアレみたいでして、
    AM局がFMへ移行となれば、サイマルではなくて、
    完全移行しそうな予感もしますが、
    まだ、何も決まってはいませんので、わかりませんね…。

  4. かつてのBCLマニア49歳男 より:

    V-Low政策を見直しへ 総務省が検討会
    http://www.eizoshimbun.com/broadcast/2085/2085bc1.htm
    (所感)
    デジタルラジオ希望局(特にTOKYOFM)は、NOTTV空き帯域(現在20セグメントが未使用)ということでしょうね。
    これは、契約者が伸びないNOTTV救済も含むような気がしますね。

  5. >かつてのBCLマニア49歳男さま コメントありがとうございます
    NOTTVって、あれ、本気じゃないですよね?
    アナログテレビを終わらせた大義名分作りのための、
    カモフラージュでやってるんですよね?
    と、思いたくなる惨状ですから、デジタルラジオが辿る道は…。

  6. ロッシュ より:

    V-Lowは、ぽしゃるかも知れませんね。
    でも、AM局の混信対策でFM局用に90-108MHzを開放することは、大きな誤りです。近隣諸国のFM放送周波数が88-108MHzで丸かぶりなのです。そしてこの周波数帯の伝播特性としてEスポット現象があります。1000km以上先の同一周波数のFM局に潰されて聴取出来なると言う混信現象の一種が多々起ります。このこと全く無視しては、今のAM周波数帯と対して変わりません。
    ラジオ機器の買い替えなく90-108MHzのFM局が聞けるのは、アナログ選局方式のラジオ機器で108MHzまで聴けるタイプとデジタル選局方式の108MHzまで聴けるワイドレシーバータイプのラジオ機器だけです。デジタル選局方式タイプでアナログTV音声1~3chが聴けるものでは、買い替えを余儀なくされてしまいます。この状況を踏まえると結局ほとんど買い替えを余儀なくされてしまうと思います。
    まあ、いずれにしてもラジオ局が通販番組急増で聴取者離れを生んでいることを無視し続ける限り、聴取者離れもさらに進みこの業界の終焉は間近に迫っている、この末路には変わりなさそうですね。
    悲しい限りです。

  7. >ロッシュさま コメントありがとうございます
    実際にどのようになるのかはまだわかりませんが、
    先日、放送局として初めてFM化の希望を表明した
    ニッポン放送は、あくまでもFMとのサイマルを念頭に
    置いているみたいですね。
    Eスポのデメリットもありますが、
    むしろ、海外製のラジオでも90-108MHzは聞けるのであれば、
    外国語放送局をそっちに移行すれば、
    海外からの旅行者も聞けるというのもありますね。
    通販に関しては賛否がわかれるところではありますが、
    ラジオ通販は成約率が高く、返品率が少ない
    優良メディアとしての評価があるので、
    離れている聴取者もいる一方で、
    利用しているたくさんの聴取者がいるからこその現状ではありますね。

  8. 気分はα-station より:

    AMラジオのFM化・・・
    う~ん、複雑ですねぇ。。。
    Eスポシーズンで大陸から飛んでくるラジオを楽しみにしている者にとってはあまり歓迎したくないですが、まあTVよりは占有帯域が狭いので、東海地区のAM3局だけならガマン出来る範囲なのかな?
    しかも対象が90MHz以上なのでメインで聴いているα-stationには影響はなさそうと思います。(Eスポ発生すると完全に潰されますが)
    私も前はよくCBCや東海の60MHz帯中継回線を聴いていました。CBCは局送出側で既にプリエンをかけているらしく、かなりキンキンでしたね。
    また、GBSも144MHzロッドアンテナとSONY PRO70で栄の丸栄近くでも受信出来ました。丁度 岐阜放送名古屋支局のある場所付近です。AMは夜間、和歌山放送との混信が激しい場所なので、クリアーに聴けたのには驚きです。
    確か60MHzのビームは下呂方向と多治見方向しか向いていなかったような??
    中継回線は免税店で買った欧州向けと思われる66MHz~108MHzまでカバーしていたSONYのカセットウォークマンでも聴いたことがありますが、当時はアナログTVの混変調であまり実用聴取に耐えられる場所は少なかったです。

  9. >気分はα-stationさま コメントありがとうございます
    中日新聞によりますと、在名局はまだデジタル化を断念していない
    とのことなので、動向はわからないですね。
    あと、AMラジオのFM化も、AM・FMサイマルなのか、
    AMを廃止してのFM化なのかで、話は大きく変わってきますよね。
    Eスポは確かに聞きにくくなりますが、
    このままV-LOWをほったらかしにするわけには、
    役人としてもいきませんものね…。
    GBSの中継回線は愛知県側でもよく聞けましたね。
    今でもあれはナゾです。

  10. 八事はFMのにぎわい より:

    2013年5月15日 (水) 付の中日新聞夕刊「東海ラジオとCBCラジオ『防災にFM』検討」の記事を見て、東山タワーの役割は、本格的な防災の面でまだ終わりではないなと思うようになりました。
    確かに、日々ひどくなる一方の栄・名駅地区でのAM難聴取、加えてCBCラジオを悩ませる三十数年来の「夜の外患」、さらに今回の検討理由としての震災・津波対策…。
    件の記事でも、両社共同で (FM) 送信所を設置するべく協議が進められているとありますので、私案として、タワー本体等を「名古屋テレビ塔」の所有・管理とし、その上で両社 (さらには来年以降開局予定であろう、全くの新局) に新たな送信設備の設置を認めるといった流れでどうでしょうか。もちろん、既存のNHK・FM愛知・ZIP-FMとの共存が大前提ですが。
    ちなみに記事によると、民放AM局のFM放送は、他にぎふチャンや静岡のSBSが「検討中」とのこと。これらのAM局がいざFMも併設するとなれば、それなりの運用コストがかかることは覚悟の上でも、これからの防災を考えると、一つの流れとして止むを得ないとも思っています。
    それにしても、日本のラジオ界は今後、どういった方向に進むのでしょうか。個人的には現時点において、期待より不安のほうがやや大きいですね。

  11. >八事はFMのにぎわい さま コメントありがとうございます
    これにて、東山タワーは存続フラグが立ちましたが、
    確かにおっしゃるとおり、中京テレビがあそこからいなくなって、
    誰が東山タワーを管理するのか、というのは、
    大きな問題となりますね。
    ぎふチャンは自前のテレビタワーを持っていますから、
    実は一番好条件でFM並行が実施できる?ような気もします。

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