9月30日付中日新聞
創刊130周年企画
名古屋で圧倒的なシェアを誇る中日新聞。テレビと新聞は、切っても切れない関係のメディアで、どこの地域でもテレビ局と新聞社は系列化されていますが、名古屋の場合は民放テレビ5局のうち3局が中日新聞系列と、こちらでも中日新聞は圧倒的なパワーを誇っています。
そんな、中日新聞が9月30日に「創刊130周年企画」特別紙面を折り込みました。そこには、名古屋の放送メディアの広告がいくつも掲載されていまして、中日新聞との関係を色濃く感じさせるとともに、意外な放送局も。そして企画から感じる…仲間感。
まず目に付いたのは、中日新聞と、とても関係が深いであろう、1チャンネルの東海テレビです。紙面の半分近いサイズで平日帯の2番組「スイッチ!」と「みんなのニュースOne・東桜一丁目テレビ・」の広告が出ています。しかも「中日新聞130周年おめでとうございます」というコメントまでついています。さすがです。
CBCテレビも東海テレビと同サイズ
その隣の面には、かつて中日新聞が中部日本新聞だった頃に、同じ名前で作られた中部日本放送、5チャンネルCBCテレビの広告です。東海テレビと同じサイズでバランスが取れています。
CBCテレビは、自社の「開局60周年」をアピール、関連事業の募集と、記念のスペシャルドラマの告知がメインとなっていました。
一方、その上部にはそれぞれ東海ラジオとCBCラジオの広告も。次の面には@FM(FM AICHI)とZIP-FMの広告もあり、名古屋に本社を置く民放ラジオ全4社が同じサイズになっていました。
エリアの違いでサイズの違い?
続いては、先ほどの東海テレビやCBCテレビの、半分のサイズに2つのテレビ局の広告が掲載されています。
まずは10チャンネルのテレビ愛知。テレビ愛知も東海やCBCと同じく中日新聞系列ですが、他のテレビ局が愛知・三重・岐阜の東海3県広域テレビ局なのに対して、この局だけは愛知県だけを対象とするテレビ局ということで、売上規模も違うためでしょうか、半分サイズです。しかし、半分サイズのテレビ局のなかでは先頭です。
テレビ愛知の広告は、11月26日に放送する特別番組と、「テレビ愛知は中部の夢と未来を番組にしてお届けします!」としてレギュラー番組の紹介がされていました。「中部」とは大きく出ましたね。放送エリアは愛知だけですが。
そして、メ~テレ(名古屋テレビ)です。メ~テレは、複数の全国紙が出資しあって誕生したテレビ局という経緯があり、現在でも主要株主に朝日新聞と読売新聞が相乗りしており、中日新聞とは距離を置いている印象があるのですが…。
「開局55周年 もっと地元応援団!メ~テレ」が、10月からのキャッチフレーズだそうで。地元応援団と名乗るからには、地元新聞の創刊130年も応援!なのでしょう。
中京テレビと…?
残りの2局です。まずは中京テレビ。こちらは名古屋の財界が中心となって立ち上げたテレビ局ですが、現在は純粋な日テレ系となっています。あくまでも、読売新聞系ではなく日テレ系です。読売新聞はメ~テレに出資していますからね。
広告の内容は、金曜夜7時の地元ネタバラエティ「PS純金(ゴールド)」と、地元アスリート番組「スポーツスタジアム魂」の紹介です。スポスタの源流は中日ドラゴンズ応援番組でして、名古屋で最初にドラゴンズ応援番組を制作したのは、この中京テレビです。
中京テレビは今年、ロゴを既に変更しており、まもなく、名駅近くの笹島新社屋への移転を控えています。仮本社などを除いて、まったく違う場所に移転するのはこの中京テレビが名古屋では初めてとなります。
他のテレビ局も移転をしてはいるのですが、NHKも含めて、どの局も既存局舎のとなりに新局舎を建てているのです。
ラストは…なんと、「BS11(日本BS放送)」です。隣県ではありますが、中日新聞系列の三重テレビが入ったりすることなく、BS11です。BS11は、名古屋の電車に中吊り広告を出したり、名古屋のラジオ局でPR番組を流したり、名古屋のテレビ局でCMを流したり、もちろん普段から中日新聞に広告を頻繁に出していたりと、名古屋においてかなり積極的に露出戦略を行なっています。
その一環でしょうかね。中日新聞創刊130年に、BS11なんですね。
ただ…企画に参加しているのは…
しかしです。この創刊130年企画には「地元LOVE あなたが大好きな愛三岐の地元LOVE」という企画で、「食」「文化」「風景」という3つのジャンルについて、愛知・三重・岐阜の東海3県の好きなところを募集するというものがあったのですが…。
選考委員は、「食」は東海テレビの恒川アナウンサー、「文化」はCBCテレビの柳沢アナウンサー、「風景」はテレビ愛知の宇野アナウンサーということで…。
見事に、中日新聞系列の3つのテレビ局のみの参加となっていました。
この特集紙面を見ただけでも、名古屋におけるメディア事情を垣間見ることができますね。
コメント