いよいよiPhoneでradiko

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このブログでは以前「radikoに見るラジオの利権と未来」というタイトルで、地域限定で始まったIPサイマルラジオ、民放AM・FMラジオ放送のインターネットサイマル試験運用について取り上げましたが、またひとつ動きがありました。

これまで、iPhoneではその放送を聴くことはできませんでした。しかし、4月6日、iPhoneにradikoを聞くことができるアプリ「ラジ朗」「iRadiko」の2つが登場したのです。で、夕方にその記事がネット各所に上がったのですが、そこで不思議なことが起きたのです。

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当初、ネット上に上がった記事には、「3G回線では全国で東京のラジオが楽しめる」「大阪のラジオを聞くには関西の対象地域でWi-Fi接続をする必要がある」とはっきり明記してあったのが、数時間後にはバッサリと削除され、

「東京のラジオ局は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県。大阪のラジオ局は大阪府、京都府、兵庫県、奈良県で聞くことができる」に修正されているのです。しかし実態は前者。

これはきっとそのうち、アプリにGPS位置情報を読み取るような機能が実装されて、本当に後者のようになる可能性がありますね。今のうちにアプリをダウンロードして、絶対にアップデートしないようにしよう!

もちろん。私は愛知県在住ですが。しっかり聞こえます。使った感想としましては、「iRadiko」は繋がりやすいけど途切れたりすることもあり、ボリューム操作は本体のみで、局ロゴや番組名は表示されません。「ラジ朗」は繋がりにくいけど、一度繋がると安定。ボリューム操作も画面ででき、局ロゴや番組名も表示されます。どちらも無料のアプリです。

ていうか、もうこれ、なし崩し的になってきてるよね。全国の民放ラジオ局全部、ネットで聞けるようにしちゃったら?自分は東京よりも、ぎふチャンラジオが綺麗に聞きたいんだよ~。(本当に)

<4月7日追記>
続報
【ケータイWatch】radikoのiPhoneアプリに協議会が難色、近日公式アプリ配信

非公式アプリだったんだね。だけどね。App Storeにアプリが上がってて、インターネット上の大手新聞社サイトの記事で大きく「iPhoneでラジオ聴き放題–radikoアプリが2本同時デビュー」と報じられたら、普通の人はそれがアンダーグラウンドなものだって、思うわけがないでしょ。そしてこのアプリは、

>権利者に不利益が、
>また当協議会と権利者との向き合いに支障を来たすもの

とのことだけど、それは具体的に何の法律に触れてるのでしょうかね。地域限定とはいえ、かなり曖昧な線引きで、そもそも無料でストリーミング配信されているものを、ただ、端末の問題で非対応だから聞けないという状態のものに対し、聞けるようにしたことが、具体的に何に触れるのだろう。純粋に知りたい。

>パソコン向けに提供されており、
>ネット回線で地域を判別して聴取可能エリアのみにラジオ番組を配信

そう言い切るなら、スパっと、iPhoneとかからのアクセスを全面遮断しちゃったらどうなの?やってる方も曖昧、出てきたツールが何が問題なのかも曖昧、そりゃそうだよね。目的は、地域ごとの放送局の縄張りを守りたい…。なのにそれを、ハッキリ言わないから、これまた曖昧。

そもそもインターネットには、その縄張りを100%仕切る手立てがないのに、縄張りを持ち込もうとしているわけだから。無理がある。radiko。本当に9月に実用になるの?心配になってくる。こんなゴタゴタでもし、radikoそのものが転覆したら、目も当てられない。

そもそも、インターネットのIPアドレスで、利用者の所在地を判定しようとすること自体に、限界があるのではないのでしょうか。そこはやはり、リスナーを信じて、所在地は自己申告制にする前提で、調整するしかないんじゃないの?

それか、コミュニティFMのサイマル放送のように、ローカル番組だけの配信とし、完全にエリア制限をとっぱらってしまうか。このままの技術で、全国各地を区分けしてradiko本格スタート、と言う道筋は、どう考えても実現するとは思えないんだよねぇ。

今回の関東広域、関西広域でも現状穴だらけなのに、各都道府県の判別なんて、本当にできるものなの?IPアドレスなんかで。まあ、もちろん、それを何とかするための、「実験」なんだろうけど。

ラジ録13|ダウンロード版

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コメント

  1. きたむら より:

    iPhoneで聞けるラジオアプリを探していたので、さっそくらじ朗をダウンロードしました!
    快適に聞けています。
    個人的には、名古屋のラジオ局もiPhoneで聞けるようになって、中日ドラゴンズの試合をどこでも聞きたいんですが・・・。
    最近コミュニティFMがきけるアプリもダウンロードしたんですが、岐阜のFMわっちも聞けるようになってほしい。

  2. >きたむらさま こんにちは
    基本的には、このradikoは8月末までの試験運用で、
    その試験を踏まえて本格運用に移行するようですから、
    その際に、エリアの適正化を図るか、
    なし崩し的に全国の民放ラジオがどこでも聞けるようになるか、
    それとも、ネット配信そのものをやめてしまうか…
    のどれかになるのではないかと、思います。
    FMわっちはサイマルラジオに参加していないですからね…。
    ただコミュニティFMの場合は、
    局の一存で決められることのはずなので、
    FMわっちに強く要望すればひょっとしたら実現するかも?

  3. nanikana より:

    本当は「インターネットラジオ」っていう新メディアを作ったほうが、なにかと都合がいいはずなんだけどね。それができないのは、いろいろな権利関係がクリアされないから。たとえば音楽とかね。
    技術的にはできるけどダメになっちゃうものって、やっぱりそれを食い物にしようとしている人たちの思惑なんでしょうかね。
    ここで、著作権法第一条。
    >この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し
    >著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の
    >公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、
    >もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
    ていう精神とは真逆に進んでいることに、誰か気づかないんですかね。

  4. >nanikanaさま こんばんは
    今回、radikoについて私も含めてですが、
    こうやって騒いでしまうのは、
    明確な説明が協議会側でなされていない、
    ということではないでしょうか。
    もっと本音で、民放ラジオには、
    キー局と地方局でネットワークがあって、
    ネットセールスとローカルセールスがあって、
    番組の販売と購入という関係もあって、
    著作権と免許エリアという制約も存在していて、
    それをネットで流すにはこういう問題があるんだと、
    はっきり明確にする必要があるんじゃないかと。
    radikoが既存のいろいろな力と戦っていることはわかるんです。
    そういう、食い物にしようとしてる人たちとも…。
    だからといって、実験だし、頑張ってるし、
    空気読んで理解して、騒がずにいてくれよ…というのは、
    あまりにも無茶な話なのではないかと。
    だから私はこういった天の邪鬼な記事を相変わらず書いています。

  5. たっきー より:

    トッピーさんご無沙汰しております。
    iPhoneでのラジオ聴き放題はとても魅力的に感じますが、
    中学生の頃に雑音にまみれながらニッポン放送の
    アイドル番組を聴いていた頃を懐かしく思いますね。
    それを機に遠距離受信にはまりだしループアンテナを購入して
    混信している送信出力の弱い地方局を聴き分けるのも面白かったです。
    ラジオで育ってきた私としては、旅先でダイヤルを合わせて普段聴けないラジオを聴ける醍醐味があると思います。
    とか言いながらも、どんな風に聴けるのか興味津々でもありますけどね。(笑)

  6. >たっきーさま こんにちは
    お久しぶりです。
    ですね、確かに。
    radikoはラジオなのかと問われたら、
    そもそもそれは違いますものね。
    あくまでも、ラジオと同じ番組が、
    インターネットから聞こえてくるということですものね。
    ただ現状、20代以下の世代では、
    ラジオそのものに触れたことがない人ばかり、
    という現実がある以上、
    業界は何とかしなければならないわけで、
    いろいろなものと戦っている実用試験を乗り越えて、
    うまく実用されることを願うばかりです。

  7. そのようなものがあったことすら知りませんでした・・・。
    そういえば、「熊本で東京の番組をradicoで聞いた」という人がいました。
    恩恵に預かっていて、このような表現もいけないのですが、さすがにエリア外っていうのは・・・どうなんでしょうね・・・?
    どちらにしても、まだまだ課題は多いですね。

  8. >とくながたかのりさま こんばんは
    このiPhoneのアプリについては、
    すぐに対策がなされましたね。
    公式アプリを近日中に発表するようですが、
    本格運用時には、またどうなるのか、
    気になるところです。

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