あれから2年・可児市に新FM局「FMラインウェーブ」開局へ

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写真:20日付中日新聞朝刊(可児版)

今朝の中日新聞朝刊・可児版に、新しいコミュニティーFM局に関する記事が掲載されていました。5月1日に設立を目指す「FMラインウェーブ」です。

【岐阜/中日新聞】FM「ラインウェーブ」開局へ

記事によりますと、放送対象地域は可児市、美濃加茂市、御嵩町。資本金は約3,000万円で、

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ケーブルテレビ可児が筆頭株主となり、可児市、美濃加茂市、御嵩町などが出資して、新たな会社を5月1日に設立し、ケーブルテレビ可児本社内にスタジオを設け、新たに開局を目指すというものです。

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写真:ケーブルテレビ可児本社(岐阜・可児市)

可児市のコミュニティFM局といいますと、2004(H16)年6月6日に開局した、「FMでんでん(かにかも放送)」という放送局があったことを、思い出します。FMでんでんについては、通常に放送されていた頃から、その動向を当サイトでは記録していました。

【07.09.01付】ランチを食べに放送局に行く?-可児市・chiocciola

この頃は、普通に放送を行っており、かにかも放送が経営していた、併設のレストランも、営業していました。

【09.12.17付】かにかも放送は年を越すのか?

社員が運営していたブログに、2008(H20)年12月付で「パーソナリティの多くが局を去り」という記述。その社員自身も「今後は見届けられない」とコメント。同月、制作番組を大幅に縮小。番組の放送は1日2~4時間に。

2009(H21)年1月、今渡の旧スタジオ(演奏所)から、ケーブルテレビ可児本社内への2007(H19)年7月30日のスタジオ移転が、無届けであったとして行政指導。12月27日、かにかも放送が運営していたレストランが閉店。12月31日をもって、番組の制作を終了。

【10.8.22付】電波も停まったFMでんでん-かにかも放送

2010(H22)年7月15日、可児市を豪雨が襲い、それまで24時間流れていた音楽もストップ。無音に。翌月、電波もストップ。

【10.8.28付】電波は停まっても設備はそのまま

【10.10.28付】FMでんでん・かにかも放送免許更新せず

10月31日、放送免許の有効期間が満了。免許を更新せず廃局に。

【11.1.20付】まだアンテナはあるね

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写真:下恵土公民館(岐阜・可児市)

こうして、可児からFM局は無くなりました。その後も、スタジオ設備を持つ、ケーブルテレビ可児が水面下で再開に向けて動いているという話がありましたが、ようやく、再開のめどが立ったということですね。

FMでんでんは、下恵土公民館の屋上に送信アンテナがありました。そこも結構な高台だったので、そこそこの範囲には、電波が届いていたのですが、今回、新しいFMラインウェーブが送信アンテナを設置するのは、標高314メートルの鳩吹山だそうです。

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写真:鳩吹山(岐阜・可児市)

FMでんでんのエリアが、可児市と美濃加茂市だけだったのに対し、今回、御嵩町がエリアに加わっていることからも、聞ける範囲は以前のFMでんでんとは大きく異なり、かなり拡大するであろうことが想像できます。

【ケーブルテレビ可児】ヘリコプターでFMラインウェーブの送信機材を鳩吹山へ搬入!

また、2月23日に放送されました、ケーブルテレビ可児のフラッシュニュースにて、FM発起人会のもようが取り上げられたようで、

【ケーブルテレビ可児フラッシュニュース】FM開局・発起人会

FMラインウェーブは、可児市、御嵩町、美濃加茂市の19万世帯をカバー。出資比率は、ケーブルテレビ可児(23%)、可児市(13%)、美濃加茂市(6%)、御嵩町(3%)、可児商工会議所(3%)。

開局は6月6日を目指して準備中とのことです。6月6日…8年前に開局したFMでんでんと一緒じゃないですか…。以前も、スタジオはケーブルテレビ可児のなかにあったわけですけれども、今回は、筆頭株主がケーブルテレビ可児ということで、より、ケーブルテレビ可児の色が強くなりそうですね。

この地区には、若干、ねじれ現象がありまして、ケーブルテレビについては、可児市と御嵩町はケーブルテレビ可児のエリアなのですけれども、美濃加茂市は、テレビ愛知を無断再送信して、中止に追い込まれてしまったこともある、中部ケーブルネットワークなのですよね。でもまあ、そのねじれはそんなに気にならないことかもしれません。

かつて、コミュニティーFM局があったものの、経営難から無くなってしまい、その代替局が開局したという流れは、名古屋市で一度ありましたが、あちらは、中村区から東区へという、エリア変更を伴うものでした。

しかしこちらは、エリアもほぼ同じ、スタジオの場所も同じということで、一度、潰れてしまった地域に同じような形で新局を作るとなれば、よっぽど、経営の道筋が立たないと、役所の方も認可をおろさないでしょうし、内示も出さないでしょうから、ケーブルテレビ可児が旗を振って、かなり綿密に体制を整えて、ここまで漕ぎ着けたのだと思います。

FMでんでんの番組が終わって2年、電波が止まって1年半、ようやく、FMラジオが帰ってきますね。現在、FMラインウェーブでは、ボランティアパーソナリティを募集しているとのこと。興味のある方は、FMラインウェーブ準備室にお問い合わせされてはいかがでしょうか。

ただ、もちろんですが、前例が前例だけに、最初から「ボランティア」となっていますね。一度失ったラジオを再び手に入れることになる、「可児加茂」エリア。私も、可児は縁のある地域なので、応援していきたいと思います。

※追記6/15
公式サイトがオープンしました!

FMラインウェーブ株式会社

6月14日に予備免許が交付され、7月下旬の開局を目指しています。

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コメント

  1. いちみ。 より:

    『FMラインウェーブ』ですか。
    「ライン」は「日本ライン」から命名したものでしょうかね。
    ライン川にたとえられた木曽川の水面に立つ波を電波になぞらえたのかも知れませんね。
    我が市はコミュニティFMにもCATVにも無縁の土地柄ですが、そのCATVで思い出した話を。
    我が市にはかつて「有線放送」というものがありました。
    有線放送と言ってもスナックで音楽を流したりするのに使われる様なものではなく、「放送機能(スピーカー)を備えた電話」の様なものでした。
    契約家庭には電話機があり、受話器を取って番号のダイヤルを回せば相手につながりますが、NTTの電話とは違うので、有線の契約家庭同士でしか通話は出来ません。
    有線用の電話帳も存在していました。
    また、1日に数回放送が行われていた様ですが、その内容は「営農だより」「市役所だより」「お知らせ」等といったものだったということです。
    うちは契約していなかったので詳細はわかりませんが、小学生の頃、家に有線しか無かった同級生に連絡を取るため、自宅近くにあった農協へ行って有線を使わせてもらった記憶があります。
    一時この有線放送をCATVに転換するという話があったのですが、結局代わりに光ファイバーを敷設するということになって、CATVは立ち消えとなりました。
    有線放送を運営していた組合は平成18年に解散しています。

  2. >いちみ。さま コメントありがとうございます
    確か、そちらの地域でも、
    コミュニティFM設立への動きは、
    市民レベルではありましたね。
    中津川市と恵那市のカバーを目指し、
    「東美濃コミュニティ放送」設立準備委員会が
    立ち上げられましたが、残念ながら、
    実現には至りませんでしたね…。
    確か、その有線放送が無くなるということで、
    それ代わる役割を果たすことを
    目的の一つとして、当時活動されていたと聞きました。

  3. アイ・フロッグ より:

    アイ・フロッグです。
    旧・かにかも放送が「FMラインウェーブ」として復活するとのこと。
    一度破綻した事業を、それも同じ形で復活させるというのは並大抵のことではないのですが、やはり一昨年の大洪水被害の際、一部の人々の間で頼りになったのは「まちの放送室」であったというのは無様 (ぶざま) な話でしょうから、二度とこうした事態とならないようにと関係者が奔走した結果と、個人的には理解しています。
    さて、ここで本題を外れますが、トッピー様のコメントに誤りを見つけました。
    「かつて、コミュニティーFM局があったものの、経営難から無くなってしまい、その代替局が開局した」といったくだりの個所ですが、「経営難で消えた」のは旧・FM DANVOで、同局は完全に消えたはずです。一方で、現在も名古屋市中村区から東区にエリアを移して放送中のMID-FMは旧・SHANANA FMで、SHANANAはDANVOと併存していました。ですからそうした成り行きからして、MID-FMはDANVOの代替局ということではないはずです。
    それはともかくとして、個人としては「FMラインウェーブ」が旧・かにかも放送の轍を踏むことなく、真に地域 (コミュニティ) に必要とされる存在となってほしいと願っています。
    P.S 東海ラジオが5月14日より、AMステレオ放送を取り止めたとの告知が同局のホームページにあったため、手持ちのAM/FMチューナーで確認したところ、本当にモノラルでの送信に戻っていました。これで、地元でAMステレオ放送を継続しているのはCBCのみとなりましたので、この場を借りてお知らせする次第です。

  4. >アイ・フロッグさま コメントありがとうございます
    先日、FMラインウェーブに行きまして、
    いろいろとお話を伺ってきました。
    また開局に向けて、動き始めたらレポートしたいと思います。
    可児市が大雨を襲ったあの日、私は可児市にいたのですが、
    報道特番を組み、犬山市役所と結んで随時状況を伝えていた、
    まちの放送室に対して、FMでんでんは無音、
    あの日、可児・美濃加茂にラジオがあったら…という思いは
    大きかったですね。
    ご指摘いただいた点についてですが、
    「中村区」と書いておりますとおり、SHANANA FMのことを
    指しております。
    免許を返上して会社を解散させてまで、
    エリア変更をしなければならない状況に追い込まれたことを指して、
    「経営難」と書かせていただきました。
    「中区」をエリアにしていたDANVOについては
    触れておりませんので、よろしくお願いいたします。
    東海ラジオのステレオ放送廃止につきましては、
    4月18日付のブログ記事で既に書いておりますので、
    特に今回は記事にはしませんでしたが、
    最後の瞬間を、AMステレオチューナーで聞き届けました。
    FMラインウェーブ、既にアンテナも山頂に上がっていますし、
    確実に、以前よりエリアも広いでしょうから、
    今後の展開が楽しみです。

  5. ヒデ・・・・。 より:

    僕は、岐阜県出身ではありませんが、可児市に来て6年になります。色んな人生乗り越えここで生活しています。
    辛い時ふと流れてくるラジオそれがエフエムでんでんでした。どれだけ僕の活力になったことでしょうか・・・・・。
    それが、どんなかたちでも復活するのならば、喜ばずにはいいられません。これからも応援します。リクエスト一杯送るのでかけて下さい。

  6. >ヒデ・・・・。さま コメントありがとうございます
    可児市でのFMが復活という形になりますね。
    でんでん時代からのパーソナリティさんや
    スタッフの方もたくさんいらっしゃるみたいですから、
    懐かしい声も聞こえてくることになると思いますよ~。

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